グリーンピース・セミナー「モハンティ弁護士に聞くインド原賠法~インドでは、原発にも「メーカー責任」があるって本当ですか?~」 2013.2.27

記事公開日:2013.2.27取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・阿部/奥松)

 2013年2月27日(水)11時30分より、東京都千代田区の参議院議員会館で、「グリーンピース・セミナー『モハンティ弁護士に聞くインド原賠法 ~インドでは、原発にも「メーカー責任」があるって本当ですか?~』」が行われた。講師のビカーシ・モハンティ弁護士は、サプライヤーが賠償責任を有する唯一の国であるインドに比べ、日本の原子力損害賠償法は「市民の福祉と安全を守るということが謳われていない」と警鐘を鳴らした。

■ハイライト

 まず、主催のグリーンピースより、日本の原子力損害賠償法(以下原賠法)の問題点について、「原賠法には、被害者の保護と、原子力産業の健全な発達という二つの目的があるが、国民の過半数が原発ゼロを望んでいる現状では、後者の目的は変えなければならない。次に、賠償が事業者に集中していることが問題だ。電力会社の保険は200億だが、地震や津波には全く足りず、救済のために税金を注入している。東京電力への支援金は3兆2000億円。しかし、原子炉を作ったメーカーは1円も払っていない。これは原賠法で『原子力事業者以外の者は、その損害の賠償の責めに任じない』と規定されているからである」と説明があった。改正すべき点としては、「メーカーなど、他の利害関係者の責任を問えるようにすること」および「低過ぎる原子力保険の額などの見直し」を挙げた。

 モハンティ弁護士は、インドの原賠法案に関する民事責任条約と、法案通過のために尽力してきた。「原子力の賠償は、さまざまな問題を抱えており、国境を超える影響を持つ。大きな産業災害を経験したインドと日本は、共に学べる」と語った。

 「原子力損害賠償について、国際的な賠償の枠組みは上限を設けているが、事業者の賠償責任の上限は、起こる損害の甚大さに比較して非常に小さい。インドは現在、サプライヤーが賠償責任を有する法律を持つ唯一の国である。インドの賠償法は独自なもので、人権擁護に重きが置かれている。

(…会員ページにつづく)

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