2022年12月18日、午後1時より、神奈川県横須賀市産業交流プラザにて、「米軍基地PFAS汚染に関する横須賀市への要請17団体」の主催により、「有害化学物質PFAS汚染の原因究明・立入調査・排出停止を求める市民集会」が開催された。
米海軍横須賀基地の排水処理場から高濃度の有機フッ素化合物「PFAS」(ピーファス)(※)が検出され問題となっている。
※「PFAS」(ピーファス)とは、Per- and Polyfluoroalkyl Substances(ペルフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質)のことで、食品製品の包装・容器など、さまざまな消費財や工業製品に使用されている人工化学物質群を指す。2018年の経済協力開発機構(OECD)の報告書では、PFASには4730種類あると報告されている。PFASは容易に分解されず、いくつかの種類は環境や体内に蓄積され深刻な健康被害につながる可能性が指摘されている。PFASの中でも、とく知られている物質の一つが、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)である。
この問題について、2022年7月1日に、横須賀市に対して、国(防衛省)からの説明が行われている。内容については、以下のリンクでご確認いただきたい。
- 米海軍横須賀基地のPFOS(ピーフォス)に係る国からの説明について(横須賀市ウェブサイト・2022年7月1日)
また、横須賀市は、「米軍基地PFAS汚染に関する横須賀市への要請17団体」の要請を受け、12月15日、日米地位協定の環境補足協定にもとづき、国とともに、米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)への立ち入り調査を実施した。
立ち入り調査では、米側から、排水処理施設に活性炭の浄化フィルターを設置し、その後、11月18日に排水を調べた(サンプリング)ところ、数値は日本の暫定目標値以下になったと説明がなされた。
集会では、ヨコスカ平和船団の市川平氏より、「排水処理場、吾妻島貯油施設などのPFAS汚染現場の視察報告」、弁護士の呉東正彦氏より、「横須賀市への要請行動から見えてきたこと」、そして、横須賀市議会議員の大村洋子氏から、「市議会でPFAS問題をとりあげて」と題した講演が行われ、その後、集会参加者との質疑応答が行われた。
呉東氏は、立ち入り調査に関する横須賀市の報告について、「10月28日、11月2日、そして11月18日にサンプリングが実施され、11月18日のサンプリングについては、『暫定目標値であるとの説明を受けた』と言っているが、具体的な数値についての説明はないわけです。(中略)
また、10月28日と11月2日の結果は、やり方に不備があり、『分析結果が得られなかったとの説明を受けた』と言っている。皆さんどう思われますか?
多分、私が思うには、10月28日(の結果)は相当悪かった。11月2日も基準をクリアしてなかった。そこでなんとか一生懸命やって、それでなんとか、11月18日に改善したのかなという感じがする。このことをもって、『問題が解決した』と皆さん、見られませんよね」と米軍側の対応に疑念をあらわにした。
会見の詳細はぜひ全編動画をご視聴ください。