2020年3月30日、東京都の小池百合子知事は、都庁で、新型コロナウイルスの新たな感染者について臨時の記者会見を開いた。
小池知事は、この日の新たな感染者は13 名、累計患者数は443名と述べ、感染ルートが不明のうち「夜間から早朝にかけて営業しているバー、ナイトクラブ、酒場など、接客を伴う飲食業の場で感染したと疑われる事例が多発している」として、特定の業者を挙げ、感染のリスクが高い場所だなどとした。
この結果について、会見に先立ち、東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議で報告した、厚生労働省クラスター対策班・西浦博氏によると、最近、特定業種に関連して感染が疑われた38人について「患者の行動履歴から夜の接待を伴う飲食業に限定しての分析で明らかになった」と述べた。
また、西村氏は感染の流行動態を分析し「2、3日で倍増などの指数関数的な増加の兆候はあるが、今の時点では増加の爆発的兆候はない」とした。
小池都知事は会見の中で、唐突に「東京2020大会の開催日程が決まり、オリンピックが2021年7月23日から8月8日、パラリンピックが8月24日から9月5日になった事を報告する」と述べ、決定に至る一連の経緯を述べたが、夜間に臨時の会見と聞いて集まった在京メディアからは、「都市封鎖がささやかれている今、臨時会見と言われれば緊急事態宣言と思いきや内容の無い会見だ。感染情報については会見を定例化すべきだ」「新型コロナウイルスにかこつけたオリンピックのPRだ」など批判の声も上がった。