2017年11月5日、トランプ大統領が初来日し、大統領専用ヘリコプターが米軍基地「六本木ヘリポート」(東京都港区)に降り立った。この時、六本木周辺や総理官邸前では、厳戒態勢が敷かれていた。
六本木周辺では、米軍ヘリが目に余るほどの超低空飛行を繰り返している。今年5月25日から28日にかけて、トランプ大統領が令和初の国賓として来日することとなっているが、超低空飛行がテロ対策などに役に立つようには思えない。米軍は、超低空飛行を繰り返すことで、誰に対して何を示そうとしているのか。
以下、岩上安身の5月22日のツイートを加筆、修正して掲載する。
港区在住、あるいは勤務中の方は、僕と同じ光景を目撃したかもしれない。ヘリが編隊で、信じられないほどの超低空飛行を飛んでいる。元麻布ヒルズという高層マンションが麻布にあるが、その上空を飛ぶのではなく、その脇を、しかも至近距離を通過していったのには驚いた。映画のシーンかと思った。
南麻布には、米軍の六本木ヘリポートがあり、日米合同委員会が開かれるニュー山王センターもある。米軍幹部が横田基地からこのヘリポートに降り立ち、米国大使館にも行き来する。そういう「上空」が麻布・六本木の上には広がっているわけだが、それにしても最近の無茶苦茶な超低空飛行はひどい。
週末には、トランプ大統領が来日する。そのためなのかもしれないが、なぜ、住宅地に、こんな危険な超低空飛行を行う必要があるのか。テロ警戒にも何にも役立ちはしない。もちろん、こんな低空飛行は日本の航空法違反である。そんなものに俺たちは縛られはしねぇという米軍の示威行為か。
以前など、麻布十番商店街のすぐ上空、手の届きそうな高さで、ヘリがホバリングしているのを目撃して、仰天したこともある。夜間にすら、爆音を立てて飛び回ることもある。港区に限ったことではない。実は日本の空に日本の主権は及ばない。
日本の空に日本という国家の主権が及んでいないことは、象徴的である。森羅万象を司るらしい安倍総理、国会、霞ヶ関、日本国憲法、天皇の頭上に米軍が管制する空が広がる。米軍の見下ろす下に日本という国があるのだ。
5月27日月曜日の午後4時から、米軍に浸食された日本の主権の問題を、空から見渡しながら検討した『横田空域~日米合同委員会でつくられた空の壁』の著者・吉田敏浩氏に岩上安身がインタビューを行う。トランプ大統領来日で、媚びへつらう安倍総理の姿を見て属国である現実を確認したら、ぜひ吉田氏へのインタビューをご視聴いただきたい。
吉田氏には、6月30日開催「IWJファンドレイジングシンポジウム・2019 改憲か否か!? 運命の夏」にも出演していただく予定である。憲法改正と緊急事態条項をテーマに、吉田氏をはじめゲストそれぞれの専門分野の知見をもとに、お話していただく。会場は六本木のレストランを予定している。ぜひ、ファンドレイジングシンポジウムにご参加いただきたい。