気象庁 緊急記者会見 2012.12.7

記事公開日:2012.12.7取材地: テキスト動画
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 2012年12月7日(金)5時18分ごろ、東北地方でマグニチュード7.3の強い地震が発生した。これを受けて、気象庁で緊急記者会見が開かれた。場所は三陸沖(牡鹿半島の東、約240㎞付近)、深さ約10㎞。最大震度は5弱であり、青森県八戸市、岩手県盛岡市、宮城県栗原市、茨城県常陸太田市で観測された。今回の地震はアウターライズ地震と呼ばれる正断層型の地震である。

■緊急会見

■津波警報・注意報解除に伴う会見

  • 日時 2012年12月7日(金)
  • 場所 気象庁(東京都千代田区)

 12月7日(金)17時18分頃、三陸沖(宮城県牡鹿半島の東約240キロ付近)、深さ約10kmを震源とするマグニチュード7.5、最大震度5弱の地震が発生した。この地震の特徴は、震度5弱~震度1の範囲で、北海道から九州の佐賀県まで、太平洋側、日本海側の広範な範囲に発生していることである。この地震の前後にも、東北の三陸沖付近では断続的な震度1~2程度の余震が続いている。

 7日17時22分、宮城県に津波警報、青森県太平洋沿岸、岩手、福島、茨城県に津波注意報が発令され、19時20分に全て解除された。津波は、18時過ぎに宮城県石巻市鮎川で1m、宮城県仙台港、福島県相馬市、岩手県久慈港などで40cm、岩手県大船渡市で20cm観測された。

 この地震は、日本海溝の外側(アウター)の太平洋プレートの盛り上がった(ライズ)領域で発生した「アウターライズ地震」と呼ばれる正断層型の地震であり、東日本大震災のようなプレート境界の巨大地震の余震として発生することが多いという。アウターライズ地震は、東日本大震災の40分後にあって以来、2度目の発生となる。今後も更に大きなアウターライズが起こる可能性も指摘されており、気象庁では警戒を強めていく必要があるとしている。

 避難の状況について、沿岸の自治体は避難指示や避難勧告を出し、防災無線などで周辺住民に呼びかけた。青森、宮城、岩手、福島県などで計2万6000人以上が一時避難した。JR東日本は、東北、上越、長野の各新幹線の運行を全線で見合わせ、在来線なども一部ストップしたことから、主要各駅構内は一時騒然となった。また、今回も地震発生直後は携帯電話が繋がりにくい状況となり、公衆電話には長い列ができた。また、電話よりネット回線を通じた連絡手段が繋がり易いとし、メールやSNS等を使って安否を確認する傾向も震災時と同様に見られた。

 被害の状況は、青森、岩手、宮城など8県で、けが人14人が確認され、沖合に漁船を避難させようとして岩手県久慈港を出港した、同県久慈市の船長、林徳次郎さん(71)が行方不明となっている。捜索は夜通し行われ、青森県の八戸海上保安部の巡視船や仲間の漁船計26隻が、無人の漁船が見つかった現場付近を捜索している。

 原発の状況に関しては、東京電力が福島第一・第二原子力発電所の異常がないことを確認、けが人もなく、海側で作業している作業員を高台に一時退避させたと発表した。原子力規制庁でも、地震が起きた地域にある東北電力東通、女川原子力発電所、東京電力福島第一、福島第二原子力発電所、日本原子力発電の東海、東海第二原子力発電所は全て異常がないことを確認したと発表。青森県六ケ所村にある日本原燃の使用済み核燃料の再処理工場も異常はみられないとした。

 また、今回の地震で、岩手、宮城、福島県など沿岸部のガソリンスタンドを中心に長蛇の列ができた。主に避難するための燃料確保だと考えられるが、とりわけ福島県では、原発から遠ざかることを目的に、ガソリンスタンドへ駆け込んだ動きがあったと見られる。そして、地震発生により、福島第一原子力発電所の動向を不安に感じたという声も聞かれている。原発に対する国民の懸念は、周辺住民のみならず、日本全体に広がっているということが改めて認識されたのではないだろうか。今月16日に控えた衆院選は、原発に対する政策が、選挙の大きな争点の一つとなっており、国民の関心も高まっている。

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