玉城デニー氏に「日本語を読めるんですか」とヘイト野次を飛ばした小池都知事が佐喜真候補の応援へ! 辺野古推進を明言してきた小池氏は何を語るのか? 辺野古推進? 差別の肯定? 2018.9.23

記事公開日:2018.9.23 テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(文:上杉英世)

 9月30日に投開票が迫る沖縄県知事選で、自民、公明、維新が推薦する佐喜真淳候補を応援するため、東京都の小池百合子知事が、自民党幹部の要請を受けて沖縄入りした。

▲小池百合子東京都知事(撮影 IWJ)

 8月に急逝した翁長雄志知事の遺志を引き継いで、オール沖縄側から立った玉城デニー候補は、これまでも、基地や貧困など沖縄の抱える問題と正面から向き合ってきた。選挙公約では明確に、「辺野古新基地の建設阻止の貫徹」を掲げている。

 それに対して、佐喜真淳候補は、辺野古問題を争点から外し続けている。辺野古の「へ」の字も口にせず、争点隠しを続けている佐喜真陣営に対しては、市民から「自治の放棄」だという厳しい指摘もあがっている。

 今回、佐喜真候補を応援するために沖縄入りした小池氏は、自民党衆院議員時代には沖縄担当相や防衛相を歴任しており、辺野古基地建設を推進してきた立役者の一人である。また2017年10月の衆院選の公約発表会見の場でも、普天間基地の辺野古への移設計画を「着実に進める立場だ」と強調している。

 その小池氏を招いて応援演説してもらうのだから、佐喜真陣営の本音が辺野古推進であることは疑いようもない。それでもなお、まだこの先、佐喜真候補自身は辺野古の「へ」の字も言わないとしたら、辺野古隠し戦術を貫くつもりなのだろうか。「頭隠して尻隠さず」とは、まさにこのことではないか。

 小池氏はまた、人権感覚や歴史認識においても非常に大きな問題を抱えている。「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式」において、歴代東京都知事が、あの石原慎太郎氏さえもがおこなっていた、追悼文送付を、2017年8月に取りやめたのである。

 「虐殺の事実の否定につながるのではないか」という批判に対して、小池氏は「『虐殺』は、様々な歴史認識の一つ」と答え、虐殺という史実を否定する、歴史修正主義者としての本性をあらわにしている。

▲「関東大震災での朝鮮人虐殺はなかったか?」との質問には明確に答えず!? 震災被災者を追悼したから虐殺被害者に追悼文を出す必要はない!? ~小池百合子都知事定例会見 2017.8.25

 だが、今回の沖縄知事選に小池氏が乗り込んできたことは、何よりも次の点において、沖縄の人たちにとってのみならず、決して看過してはならないことなのではないだろうか。

 2013年11月26日、特定秘密保護法が強行採決される直前の国会で質疑に立った玉城デニー氏に対し、小池氏は議員席から「日本語分かるんですか」という差別野次を飛ばしているのである。その小池氏が沖縄入りすることについては、岩上安身も驚きのツイートを発している。

 「まさか、玉城デニー氏に向かって、「日本語読めますか?」と差別野次を国会で投げかけたあのレイシスト小池百合子氏が佐喜真候補の応援に入るとは思わなんだ。驚き。あまりにもあからさま。どういう心境なのか、聞いてみたい」

 ウチナンチューとアメリカ人の血を引く玉城デニー氏が、このような悪質な差別野次を受けたことに関しては、沖縄国際大学の佐藤学教授が、岩上安身のインタビューに、涙で声を震わせて次のように答えている。

 「彼(玉城デニー氏)は、ある意味、沖縄の戦後を体現している方。いったい、どんな思いをされたことか…」

▲小池百合子氏による玉城デニー氏への差別野次について/岩上安身による沖縄国際大学教授・佐藤学氏インタビューにて

 佐喜真陣営の、なりふり構わぬ選挙運動については、下記記事もご覧いただきたい。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です