9月7日午後2時より、東京都千代田区永田町の憲政記念館で、元参議院議員・平野貞夫氏らによる「安倍晋三氏を内乱予備罪で刑事告発することについて」の記者説明会がおこなわれた。
冒頭で平野氏は、去年から今年にかけての森友加計疑惑をめぐる国会で、目を覆うばかりの政治の劣化が見えると、指摘した。そして何よりもそれ以前に、特定秘密保護法や安保法制、共謀罪の強行採決など、2012年の発足以来、第二次安倍政権が続けざまにおこなってきたことは、憲法の理念を踏みにじる「破憲」行為にほかならないと強く非難した。
安倍総理を被告発人として、告発人の平野貞夫氏と弁護士の山口紀洋(としひろ)氏が、最高検の稲田信夫検事総長に提出した「刑法第78条の内乱予備罪の告発状」では、「告発の事実」として、2014年7月1日の「破憲閣議決定事件」、2017年6月から9月にかけての「国会召集拒否及び国会冒頭解散事件」、そして2018年3月に明るみになった「公文書改竄事件」の3つの事件を挙げている。
一つ目の「破憲閣議決定事件」については、告発状では「安倍氏は、日本の権力を私物化するために、現憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として(中略)閣議を主導して、『集団的自衛権の行使を容認する閣議決定』を行った」と述べている。
二つ目の事件として告発状で取り上げた「国会召集拒否及び国会冒頭解散事件」については、記者説明会の中で、平野氏は次のように説明した。
2017年6月に野党議員が、憲法53条にもとづく国会法3条により提出した「臨時国会召集要求書」を、安倍総理が両議院議長を通して受け取っておきながら、召集を3か月も拒否したこと、そして9月28日に臨時国会を召集したものの、審議をまったくせずに120秒で解散させたこと、これが「国会召集拒否及び国会冒頭解散事件」である。平野氏は、3か月に及ぶ召集拒否も、120秒解散も、いずれも、安倍総理による明白な憲法違反行為であると述べた。
「ナチスの手口に学んだらどうかね」と発言した麻生太郎財務大臣が、罰せられることもなく権力の座に居座り続けていることの異常さにも触れた平野氏は、今の日本で起きていることは、安倍総理や麻生大臣らによる「白昼の静かなクーデター」であると断じた。
本来ならば、国務大臣と国会議員の憲法遵守義務をうたう憲法99条をきちんと使って、野党がしっかり追及するべきだとした上で、平野氏は、政権に対しても「刑法を武器にして、訴訟を起こす権利があるんだ!」ということを、日本社会に知らしめたいと語った。
- 安倍政権は「憲法の定める統治の基本秩序を壊乱」したのか 森友・加計問題で元参院議員らが刑事告発(AERA、2018年9月7日)
この日の記者説明会に先立って、平野氏と、もう一人の告発人である山口紀洋弁護士は、午前10時ごろ、最高検察庁に告発状を提出した。受付段階で「門前払い」されることはなく、山口弁護士が告発状の概要を説明して手渡すと、「預かって検討します」という返事を得た、とのことだ。
「日本の権力を私物化するために、国の統治機構を破壊し、憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として、現憲法からその根本的原理を抹消することを策謀した(以上、告発状の「告発の趣旨」より抜粋)」として、現職総理を訴えた刑事告発。この重要なニュースを、NHKを筆頭にマスメディアはことごとく無視して、報じなかった。
IWJでは、岩上安身が、9月24日午後2時から平野貞夫氏にインタビューをおこなう予定である。ぜひご覧いただきたい。
いつも貴重な情報をありがとうございます。
名前の字が違うと思いますので、確認をお願いします。
最高検の稲田信夫=伸夫
「ナチスの手口に学んだらどうかね」と発言した麻生太郎財務大臣が、罰せられることもなく権力の座に居座り続けていることの異常さにも触れた平野氏は、今の日本で起きていることは、安倍総理や麻生大臣らによる「白昼の静かなクーデター」であると断じた。
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