数々の疑惑が指摘されているボクシング連盟山根明会長がTV生出演!ボクシング未経験者なのに村田諒太選手を「生意気」と恫喝!? 番組内で山口組系暴力団の準構成員だった過去を自ら告白!? 2018.8.4

記事公開日:2018.8.4 テキスト
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(文:IWJ編集部)

 日本ボクシング連盟の助成金不正流用や「奈良判定」と呼ばれる審判の不正について、333人もの関係者からの告発を受けた山根明会長が、8月3日、日本テレビ系朝の情報番組『スッキリ』に生出演し、その衝撃的な内容に波紋が広がっている。

▲日本ボクシング連盟公式ホームページより

 日本ボクシング連盟の都道府県連盟の有志らからなる「日本ボクシングを再興する会」は7月27日、日本ボクシング連盟による「アスリート助成金の不正流用」や「山根会長による暴行疑惑」などを、JOC(日本オリンピック委員会)、日本スポーツ協会、文科省、スポーツ庁、JSC(日本スポーツ振興センター)に告発した。連盟による数々の不正が告発されたことを受けて、連盟の山根会長の疑惑も次々と浮上している。

▲山根明会長(日本ボクシング連盟公式ホームページより)

 2016年10月に岩手県で開催された国体のボクシングの試合で、岩手県代表の選手と奈良県代表の選手が対戦した際、岩手代表選手が2度のダウンを奪いながらも、1対2で判定負けという結果に終わった。試合は終始、岩手代表選手のペースで進んだため、試合終了時にレフェリーは思わず岩手代表選手の腕を挙げそうになったという。

 この不自然な判定は、「奈良判定」といわれている。山根会長は過去に奈良県ボクシング連盟に所属していたことがあり、さらに、現在奈良県ボクシング連盟の会長を務めているのは、山根会長の息子である山根昌守氏だ。

 連盟の不正を告発した「日本ボクシングを再興する会」の鶴木良夫代表が、「山根会長の意にそぐわない判定をすると帰らされる」と語っていることからも、試合の判定であからさまな「奈良びいき」があったと言わざるを得ない。

 8月2日、一連の騒動を受けて、連盟はホームページに、山根会長が生放送を条件にテレビで一連の問題について説明することを発表した。

 同ホームページ上では「一般社団法人日本ボクシング連盟 山根 明 会長は最近の当連盟の一連の指摘事項に関し、生放送を条件としてテレビ放映により、皆様にご説明することにしました。放送局や時間帯が決まりましたら、追って掲載し、お知らせいたします」と記されていた。

  • ご報告3(一般社団法人 日本ボクシング連盟、2018年8月2日)

 この「生放送」という条件で出演したのが日本テレビ系『スッキリ』だったのだが、山根会長の発言内容がかなり際どいものだったために自粛したのか、その日午後生出演予定だったフジテレビ系の情報番組『直撃LIVEグッディ!』には、放送直前にキャンセルされたと、番組中にレポーターが明らかにした。

 3日、『スッキリ』に生出演した山根会長は、「大阪市内の出演場所を勘違いした」との理由で40分遅れで登場した。

村田諒太選手に「生意気だよ」!ロンドン五輪の金メダルは山根会長の政治的対応のおかげ!?

 冒頭、山根会長は「このような事態は連盟の会長として責任を感じています」と謝罪した。

 2012年のロンドン五輪のミドル級で金メダリストを獲得し、その後プロになったWBA世界ミドル級王者の村田諒太選手はこの騒動の発生後、自身のフェイスブックに「そろそろ潔く辞めましょう。悪しき古き人間達、もうそういう時代じゃありません」とコメントしている。

▲村田諒太選手(ウィキペディアより)

 番組司会者がこの話題を持ち出すと、山根会長は「生意気だよ!」と声を荒げ、「村田君は1人でメダルを獲る力はない」と断言した。

 2011年8月に韓国でおこなわれたアジア選手権に出場した村田選手を、森正監督代行が「こんな選手を使ったら日本の恥になりますから。真実を申し上げて、二度と海外遠征は使うべきじゃない」と言ったのを、山根会長が「もう一回チャンスを与えて精神的なメスを入れると伸びるんじゃないかということで森正監督との約束をやぶって私が世界選手権の代表に選びました」というのだ。

 その世界選手権で村田選手は銀メダルを獲得している。

 また、村田選手が金メダルを獲得したロンドン五輪では、一回戦で村田選手の反則が指摘されたところ、山根会長は国際ボクシング協会の常務理事に「反則じゃない。あなたの力でそれを通してくれ」と訴え、裁定が変わったため決勝へ進出したのだと力説した。

 さらに決勝のセコンドに、急遽、現在会長代行である息子の昌守氏をつけたことについては、「政治的考えでやった。『カリスマ山根』の息子を上げることで村田にマイナスになることは何一つない」と言っている。

 いずれも、事実であれば『奈良判定』につながる疑惑を肯定しているようなものであり、事実でなければ村田選手に対する名誉毀損も成り立つような内容である。

 ロンドン五輪金メダリスト、村田選手に「あの選手はまだ社会人じゃない。現役のボクサーとして、言うべき話じゃありません」とも批判した山根会長だが、本人は生涯一度も競技としてのボクシングを経験したことはない。

孫の口座を独占販売のグローブ購入の振込先にしたのは「たまたま」!? 批判する元秘書を「前科者」と中傷!?

 不透明な試合用グローブの独占販売については、山根会長は、「国際ボクシング協会公認のグローブでなければダメだと急に言われたが、最高幹部が集まったときに、『連盟で販売するのはダメで、他人にさせるべきだ』という話になりました。それで『当分の間、受け皿は山根会長がやっておいて、その間に業者を探してバトンタッチしよう』となった」と説明、孫の口座をグローブ購入の振込先にしていたことについては、「僕の通帳がひとつしかなかったんで、たまたま思いついた孫の口座を借りました」と、説明している。

 これについて、番組司会者が「『資金の流れが孫から山根会長に向かうと思われてしまう』と感じなかったか」と質問すると、「思いません。連盟の幹部と話してやっていることですから。お金は使ってないし、通帳は(運営している)前川氏に預けています」と即答し、「通帳をそのままスポーツ店に渡した」とも答えている。

 しかし、山根明会長の「何で商売したらアカンの?」、「俺の顔で金が集まっている。俺がどこを使おうが勝手やろ」などと話す音声が流出したことについて、女性アナウンサーが問いただすと、「『たとえば』の話で言っているだけ。『たとえば』の話で言っているんですよ」と、説明にならない説明を繰り返した。

 さらに山根会長は、「グローブの件を言っているのは、甚大な暴力をふるって連盟から除名処分を受けた澤谷(日本ボクシング連盟元理事で元会長秘書の澤谷廣典氏)が、盛んに事件にしようと思って、ネットにいっぱい書いているんです。澤谷という人物、知っていますか? 前科者ですよ」と、口汚く罵った。

助成金分配は認めるも成松選手を逆恨み!? さらに元暴力団組長との関係も!?

 山根会長が唯一、非を認めているのが助成金の分配だ。2015年に成松大介選手が『日本スポーツ振興センター』から交付を受けた助成金240万円が、山根会長の指示で別の2人の選手にも80万円ずつ分配されたというものだ。

 山根会長は助成金の分配を指示したことは認めたが、成松選手について「あの顔にだまされましたよ。おとなしい顔してるけど、仮面をかぶってますね。『喜んで3等分しますから』と言っていた人間が『山根が指示した』とか、『怖いからやった』とか」と、逆恨みとしかいえない批判を口にした。

▲成松大輔選手(日本オリンピック委員会より)

 30分あまりの出演の最後、進退について聞かれた山根会長は、「考えていません。連盟は何の落ち度もありません」と否定した。

 さらに番組の残り時間がなくなってきたことを告げられると突如、「なぜテレビの生に出たかというと、理由があります。一昨日ですね。元暴力団森田組の組長から私の知人を朝方の1時ごろ呼んで、『山根に言っとけ。3日以内に引退しないと山根の過去をバラす』と脅されました。だから僕は立ち上がったんです」と、口にし、インタビューは終了した。

 「元暴力団森田組の組長」とは、4代目山口組直参で、山口組二次団体の森田組(すでに解散)の森田昌夫元組長だ。

 山根会長は、暴力団との関係を取り沙汰されているが、「約50年前の話で若気の至り。杯はもらっていない」と否定している。「盃をもらう」とは正式な組員、組の構成員になることを指す。山根会長は、正式な組員ではないが、森田組と関係があったことを否定せず、「50年前の若気の至り」という表現で間接的に認めた。正式な組員でない場合、警察からは「準構成員」とみなされうる。

 「森田組組長から『過去をバラす』と脅されたので立ち上がった」というのが、テレビ出演を決めた理由だと言いつつ、そのテレビ出演中に自ら森田組の「準構成員」だった事実を明らかにしたのだから驚くほかはない。

 森田元組長自身は、「山根は舎弟だった」と証言しているというが、その証言を山根会長自身が裏付けてしまったといえるだろう。

参照:

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