日本学術会議主催学術フォーラム「東日本大震災がもたらした食糧問題を考える」 2012.11.21

記事公開日:2012.11.21取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根かんじ/奥松)

 2012年11月21日(水)13時20分より、東京都港区の日本学術会議で、「日本学術会議主催学術フォーラム『東日本大震災がもたらした食糧問題を考える』」が開催された。生命科学、農学、水産学研究者による汚染の実態、除染方法について、医学者らによる健康リスク、食品に対する消費者のリスクコミュニケーションに関する講演が行われた。

■ハイライト

  • 日時 2012年11月21日(水)
  • 場所 日本学術会議(東京都港区)

 冒頭、コーディネーターの清水誠氏(東京大学大学院教授)が、「本フォーラムは、学術会議第2部生命科学系農学委員会・食料科学委員会の中で、東北大震災に係る食糧問題分科会に属する。本講演では、農地、農作物、水産物、放射線汚染、消費者に関して、講演を行う」と概要を説明した。

 澁澤栄氏(東京農工大学大学院農学研究院教授)は「農地の放射能汚染の実態と除染の試み」と題して、農業・食料と放射能汚染、土壌汚染の実態、除染機械の開発、今後の課題について話した。澁澤氏は、放射能の測定値の知識として、「ベクレルは1秒間に崩壊する核種の数で強さを表し、グレイ(Gy)は放射線が当たる臓器が1キロ当たりに吸収するエネルギーの値、そして放射能がすべての組織に影響する評価値(実効線量)をシーベルト(Sv)」と説明した。政府の食料品に関する基準については、「被ばく上限を国際基準に準拠し、年間1ミリシーベルト(暫定5ミリシーベルト、1時間当たり0.1マイクロシーベルト)に規定された。食品別に見ると、水は10ベクレル/キロ(以下Bq/kg)、牛乳は50Bq/kg、一般食品は100Bq/kgにしている」と述べた。さらに、政府調査研究の概略と汚染状況マップを示し、除染試験とその効果の概要と見積りを解説した。澁澤氏は「表土の削り取りは高い効果が見られた」と述べて、畦畔(けいはん)、法面、農道、用排水路などの除去技術、除染機械の開発、今後の課題についても説明した。

(…会員ページにつづく)

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