中小メディア記者やフリーランスの名前を記事中引用しない大手メディア! 「非記者クラブ」を低く見なす傲りからか!? 「排除」発言を引き出した横田一氏と、岩上安身とIWJの事例を徹底検証! 2018.1.17

記事公開日:2018.1.17 テキスト
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(IWJ編集部)

 2017年10月22日に投開票日を迎えた衆院選での、希望の党代表であった小池百合子東京都知事の「排除いたします」発言は、この選挙において「希望の党失速」の要因になったと言われる。2017年の流行語大賞候補からは外されたものの、多くの人々にとって強く印象に残っている言葉の一つであろう。

 小池氏の発言を引き出したのは、フリージャーナリスト・横田一氏。衆院解散直後の9月29日に行われた都知事記者会見において、横田氏の質問に答える形で、小池氏は民進党から合流してくるリベラル派を「排除いたします」と発言した。

 今回の一件で注目を集めた横田氏だが、IWJではこれまでにも、長らく横田氏からのご寄稿を掲載し、紹介してきた。もちろん、横田氏の名前をきちんと紹介した上で、である。

 ところが、大手メディアは横田氏の発言を報じる際にも、「フリージャーナリスト」とするのみで、実名を出さなかった。そのため、横田氏の名前はインターネットなど一部のメディアを通じてしかわからなかった。

 大手メディアが名前を出さないのは、フリージャーナリストにとどまらない。IWJも設立当初から、記事中に引用される際に「インターネットメディア」「ネットメディア」などと書かれてきた。大手メディアが「IWJ」ときちんと名前を出して報じたケースは、ほとんど見られない。

▲IWJを「インターネットメディア」などと報じた各社の記事

 通常、記事中に他社メディアやジャーナリストについて言及する場合、相手の名前を出すのが常識であり、礼儀だろう。なぜ、大手メディアはそれをしないのだろうか?

 横田一氏とIWJの事例を通じ、記者クラブに属さない記者やメディアに対する、大手メディアの行状について検証する。

▲横田一氏(2017年11月10日、IWJ撮影)

記事目次

果敢に質問を続ける横田氏の質問を小池氏はことごとく無視! 希望の党の幹部も横田氏無視を決行! さらに記者クラブメディアが「質問つぶし」も!

 よほど「排除発言」を引き出された恨みが募っているのだろうか――。衆院選投開票日の10月22日以降、小池都知事は横田氏の質問を露骨に「無視」し続けてきた。

 10月25日、希望の党の両院議員懇談会後の囲み取材で、横田氏が「小池代表が結果責任を取らない理由は何か? 『排除発言』をすぐに撤回していれば、こんな事態を招かなかったのではないか?」と質問すると、小池氏は「はい、次の質問どうぞ」と、まるで横田氏の質問など聞こえないかのように質問を遮った。子供じみたあからさまな「シカト」である。その様子はTBSの情報番組「ゴゴスマ」などでも紹介された。

 IWJもこのときの様子をカメラに収めているので、ぜひ以下の記事をご覧いただきたい。

▲希望の党・両院議員懇談会で発言する小池百合子代表(当時)(2017年10月25日、IWJ撮影)

 10月27日には、東京都知事の定例会見終了後の囲み取材で、横田氏が「前原代表が辞めますが、排除…」と質問を始めると、質問を聞きもせず、小池氏は突然囲み取材を打ち切った。

 小池氏の「シカト」作戦は、悪質さの度合いを増していく。

 27日の夕方、希望の党の両院議員総会後に、小池氏、樽床伸二代表代行、大島敦幹事長兼政調会長の3名の囲み取材で、横田氏が小池氏に「前原代表辞任について一言」と再度質問しようとすると、小池氏は質問を無視。

 しかし、別の記者が同じ質問をすると、そちらには答え、「(前原氏は)党を思い、日本の政治を思い、日本そのものを思い、行動した方」などと前原氏を讃えるコメントをした。

 小池氏の退室後、樽床氏に向かって横田氏が「前原氏が辞任したのだから、小池氏も辞任すべきでは?」と質問をすると、今度は樽床氏までもが、「すみません」と横田氏の質問には答えず、別の記者の質問を促す場面もあった。「シカト」は希望の党内では伝染してゆくらしい。

 囲み取材中、横田氏が質問をすると、それにかぶせるかのように他の記者が質問をする様子も見られた。悪質な「質問つぶし」であり、嫌がらせである。これはしかし、記者クラブではよくあることで、囲み取材時の空気を読んで、政治家を困らせる記者の「質問つぶし」をして、政治家をアシストする記者がしばしば出てくるのである。アイコンタクトプレーで政治家と記者の間で行われる「批判的な質問つぶし」。本当に記者クラブの「日常」というのは、我々一般市民からすると考えられないものなのだ。

 衆院選後、小池氏は、民進党リベラル派にとどまらず、横田氏まで「排除」した。あからさまな「いじめ」の構図に、他の記者は抗議するでもなく、横田氏とともに戦うでもなく、なんと「いじめ」に加担したのである。

 小池氏のような政治家に嫌われ、記者クラブから「つまはじき」にされても、横田一氏は相手に臆せず真実を追求し明らかにする姿勢を崩さない。まさにジャーナリストの鑑と言える。

 以上の、横田氏に対する小池氏の対応は、ぜひ以下の記事の全編動画からご覧いただきたい。

フジテレビに東京新聞、朝日新聞も…「排除発言」を報じるマスコミは横田氏を「フリー記者」と匿名表記!

 記者クラブメディアの「特権階級意識」は、フリージャーナリストやインターネットメディアなど、既存メディアとは異なるメディアについて、彼らが報じるときの扱い方からも、読み取れる。

 フジテレビのワイドショー「直撃LIVEグッディ!」は、選挙後、小池氏が自らの「排除」発言について、「食事が喉を通らないほど後悔した」と報じた(※1)。その際、排除発言を引き出した横田氏のことを、「フリー記者」とだけ記載しているのだ。

 「直撃LIVEグッディ!」で紹介された内容は、10月25日付の東京新聞の記事を引用している。引用元となった東京新聞の記事にも、横田氏のことは「フリー記者」とだけしか書かれていない。

 10月27日の都知事記者会見を報じた朝日新聞も、横田氏のことを「フリーの記者」とのみ書いて報じた。

 フジテレビも東京新聞も朝日新聞も、横田氏の名前を紹介せず、「匿名」で報じた(※2)。しかし、フリーランスは、所属する会社があるわけではないので、自分の名前こそが看板である。名前が紹介され認知されなければ、仕事にならない。

(※1)横田氏は、IWJの電話取材に対し、「この東京新聞の記事にある、小池氏の関係者が伝えたという『食事が喉を通らないほど後悔した』は、周りの関係者が小池氏を悲劇のヒロインに仕立てあげ、リークさせたのだろう」ととらえている。「本当にそこまで後悔したのであれば、発言をすぐ撤回したはずだ。立憲民主党結党前だったら、こんなことにはならなかっただろう」と指摘している。
(※2)横田氏は、IWJの電話取材に対し、テレビ番組で、「テレビ朝日『モーニングショー』、TBS『ビビット』は、名前を紹介してくれた」と答えた。

 一方で、IWJを含め、インターネットメディアの多くは、横田氏を実名で紹介している。

2010年に岩上安身が小沢一郎氏にインタビューした際、各社がIWJを「インターネットの番組」とだけ表記 「IWJ」と名前を書いたところはゼロ!

 実は、大手メディアが「匿名報道」するのは、フリーランスのジャーナリストだけではない。IWJも立ち上げ当初から、同じように「匿名報道」されてきた。

 2010年12月23日、IWJが設立されて間もない頃、IWJ代表でジャーナリストの岩上安身は、民主党の小沢一郎衆院議員へ単独独占インタビューを行った。小沢氏は、当時、陸山会事件の渦中にあり、同年6月に鳩山由紀夫(当時)代表と共に幹事長の職を辞したばかりで、多くのメディアが小沢氏の発言に注目をしていたが、どの社もどのメディアも小沢氏の取材に成功していなかった。沈黙を保つ小沢氏は、この時、「彼(岩上)は事実をゆがめずそのまま報じるから」と、岩上安身のインタビューのみ受けたのである。

 この際もすったもんだがあった。この独占インタビューの現場に、各紙各社の番記者ら全員、立ち合わせろと要求してきたのである。ムチャクチャな要求である。もちろん断ったが、その不平不満を記者クラブメディアの番記者らは、小沢氏や他の小沢氏や他の小沢氏の関係者らにさんざんぶつけて困らせた。

 独占インタビューの翌日、読売新聞・毎日新聞・産経新聞が朝刊でインタビューの模様を報じたが、各社とも一様にIWJを「インターネットの番組」と書いた。「IWJ」とも「ジャーナリスト岩上安身のインタビューを受けて」とも記さなかった。他人の取材成果を引用した記事をつくるならばつくるで、引用のルールやマナーがあるはずである。そうしたルールやマナーを守ったマスコミは、一紙・一社たりともなかった。

民進党代表選の際の前原誠司氏へのインタビューで「IWJ」と記名したのは産経新聞のみ! 東京新聞、朝日新聞はIWJや岩上安身の名前を出さず!

 2017年8月29日、民進党の代表選挙を前に、岩上安身が前原誠司衆院議員・民進党代表候補(当時)にインタビューを行った際にも、同様のことが行われた。

▲前原誠司衆院議員・民進党代表候補(当時)のインタビューの様子 2017年8月29日 IWJ撮影

 これについて東京新聞は8月30日朝刊で、「前原氏『安保法廃止を』 見直し主張から修正」と題した記事の中で、IWJについて「インターネット番組」とのみ表現し、引用先を明記しなかった。おかしな話である。我々が文章を書く場合、ソースを曖昧にして、媒体名を記さず、その取材成果の内容をそのまま書き写せば、マナーやルールの問題だけではなく、時には剽窃の疑いもかかる。著作権法にも触れうるはずである。なぜ、大新聞、大マスコミだけはこんな傲慢な暴挙が許されるのか。

 唯一、IWJの名前を出して報じたのは、産経新聞だった。産経新聞は29日付の記事の中で、「前原誠司元外相は29日、インターネットメディア『IWJ』に出演し、自由党の小沢一郎代表について『(他党の中で)もっともわれわれの政策理念に近い考えを持っている』と述べた」と、「IWJ」と名前を入れて報道した。

 産経新聞は、右派寄りで「自民党の御用新聞」と揶揄され、政権ヨイショの報道ばかりを報じる。IWJでも、その偏向した報道姿勢はたびたび批判している。しかし、その新聞の主義・主張に関わらず、他メディアに対する最低限の「礼儀」を守っている事実は、特記しておかねばならない。

岩上安身が事実をスクープし、渾身の思いで菅官房長官に質問をぶつけたことでさえ、「他メディアの記者」と朝日新聞に書かれる始末!

 9月8日には、岩上安身が官房長官記者会見に参加し、官邸から東京新聞への「注意文書」や望月衣塑子記者への「殺害」脅迫電話について、菅義偉官房長官を直撃した。

 この時点で、この「殺害」脅迫電話について知っていたマスコミは、ほぼ皆無だったはずである。岩上安身の「スクープ」であり、その「スクープ」した事実をいの一番に、菅官房長官にぶつけたのだった。

 朝日新聞は、岩上安身の質問を取り上げ、その内容を報じたが、岩上安身のことを「他メディアの記者」とだけ記載した。こんな不自然な記載の仕方があるだろうか。「IWJの岩上記者」が質問した、と書いても文字数を食うわけでもない。

 このときの官房長官改憲の模様は、以下の記事で全文文字起こしを掲載している。ぜひご覧いただきたい。

▲9月8日の朝日新聞の記事(赤線はIWJ)

 どうして、こんな書き方になるのか? IWJ編集部は朝日新聞に問い合わせた。対する朝日新聞の回答はいかにも『大手記者クラブメディア然』とした、上から目線のものであった。

岩上安身のインタビューを見たいからと「モニター室」の用意を要求してくる見ず知らずの朝日新聞記者! 「記者クラブ」の常識を押しつけてくる傲慢さ!

(…会員ページにつづく)

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「中小メディア記者やフリーランスの名前を記事中引用しない大手メディア! 「非記者クラブ」を低く見なす傲りからか!? 「排除」発言を引き出した横田一氏と、岩上安身とIWJの事例を徹底検証!」への1件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    中小メディア記者やフリーランスの名前を記事中引用しない大手メディア!「非記者クラブ」を低く見なす傲りからか!? 「排除」発言を引き出した横田一氏と、岩上安身とIWJの事例を徹底検証! https://iwj.co.jp/wj/open/archives/409786 … @iwakamiyasumi
    これは他業種なら「盗作」といわれるもの。自尊心はないのか。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/953450839242293248

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