2012年11月17日(土)、長野市生涯学習センターで、「フクシマを忘れない!『希望の牧場~ふくしま~』代表 吉沢正巳さん講演会」が行われた。吉沢氏は、放射性物質の汚染により、出荷できなくなった和牛の飼育を続ける意味、その牛たちの殺処分を求める政府と戦う決意を語った。
(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)
2012年11月17日(土)、長野市生涯学習センターで、「フクシマを忘れない!『希望の牧場~ふくしま~』代表 吉沢正巳さん講演会」が行われた。吉沢氏は、放射性物質の汚染により、出荷できなくなった和牛の飼育を続ける意味、その牛たちの殺処分を求める政府と戦う決意を語った。
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吉沢氏が代表を務める「希望の牧場~ふくしま~」は、福島第一原発から約14キロの地点に位置する。そこでは、3.11以後、原発事故によって取り残され、餓死か殺処分の道しかない動物たちを守り、生かすための活動が行われている。
講演に先立ち、フォトジャーナリストの山本宗補氏が「福島で何が起きたのかを、改めて思い出してほしい」と、震災直後の写真をスライドショー(音楽提供:坂本龍一氏)で上映した。山本氏は「吉沢さんは、内外のメディアを警戒区域に案内し、何が起きたのか見せている。政府や東電が隠したいものを、表に出すことに協力してきた」と話した。
続いて登場した吉沢氏は、現在も浪江町の警戒区域で、放射性物質の影響で出荷できなくなった300頭以上の牛を飼い続けている。事故当時は、福島第一原発の爆発音を、牛にエサをやりながら聞いたという。吉沢氏は、牛舎に繋がれたまま置き去りにされミイラ化した牛たちのこと、国や東電のおざなりな対応など、3.11から現在までのリアルな体験を振り返った。
また、浪江町を「絶望の町」と表現した上で、「畜産農家の意地にかけても、国の棄畜政策である牛の殺処分はさせない。この牛たちは、原発事故の生き証人である。被曝の研究対象としての、意味がある。国による証拠隠滅につながる殺処分には、絶対に同意しない。これからは、町の存続の意味が問われてくる。残りの人生をかけて、私自身も生き証人として、原発を乗り越えていきたい」と、国と東電と戦っていく決意を述べた。
講演会の最後には、「残りの人生は、今回の事故で浪江町を追い出された皆の無念を背負い、社会に対して訴えていきたい。皆が、私の声を聞いて頑張ろうと思えるよう、先頭に立って活動していきたい」と語った。
人間の思いの「牛を生き証人の気持ち」は少し理解できますが、人間の思いの牛肉にされる為に「人間によって生かされてきた牛」が、この事故によって初めて、「殺されることなく」自分の自由な生き方をすることができた牛自身の気持ちを大切にしたい。
放射能汚染、食糧不足でしょうが、牛の人生を自然のままにまっとうさせてあげたらどうかと思いです。
綱を切り解放させてあげてはどうでしょうか。