自由報道協会主催 がれきの広域処理と現地焼却の即時中止を求める記者会見 2012.11.15

記事公開日:2012.11.15取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・佐藤(美)/奥松)

 2012年11月15日(木)15時より、東京都千代田区の自由報道協会麹町会見場で、「自由報道協会主催 がれきの広域処理と現地焼却の即時中止を求める記者会見」が行われた。ストップ!汚染がれき全国行動実行委員会から5名のメンバーが出席し、有毒物質に汚染されている瓦礫の実態、国の対策の問題点、自治体と受注ゼネコンの関係、住民の安全と健康について意見を述べた。

■全編動画

  • 会見者 内田千花氏 宮崎さゆり氏 高瀬幸子氏 田口和也氏 小川正明氏
  • 日時 2012年11月15日(木)15時
  • 場所 自由報道協会麹町会見場(東京都千代田区)

 ストップ!汚染がれき全国行動実行委員会は、富山・静岡・関西・首都圏の市民有志が立ち上げた団体である。次の世界に繋がる命を守るために、がれきの広域処理と現地焼却を拒否しようと呼びかけており、被災地の人々と連携しながら、環境省や大手ゼネコンへの要請行動などを行っている。

 冒頭で、高瀬氏は「がれきと呼んでいるものは、被災した方々の大切な遺品である」と述べた。その上で「放射性物質や有毒物質が付いたものは、国際法上、移動や希釈、拡散、焼却をしてはいけない。そういうものを金儲けの対象にしないでほしい。全国での広域処理、現地での焼却処理は即時中止を」と訴えた。続けて、岩手、宮城、福島など、各地で解体された建物からアスベストが出た事例が14件あるという報道にふれて、「震災からやっと助かった命であるのに、被災者は1年8ヶ月、有毒物質のある中で生活している。各物質に対応した安全な処理を行ってほしい」と語った。

 岩手県宮古市の仮設焼却施設を見学した宮崎氏は、現地で出会った3歳と6歳の子供を持つ母親からの、「全国へのがれき拡散を止められず、申し訳ない。被災者はまだ精神的余裕がなく、この問題を乗り越えられない」というメッセージを代読した。

 内田氏は、秋田県横手市の、放射能を拡散させない市民有志の会からの、「被災地復旧のために広域処理をする理由がはっきりしない。がれきの広域処理は利権そのものではないか。また、原発安全神話から放射能安全神話作りに加担しているような、マスメディアの姿勢も看過できない」とするメッセージを紹介した。

 続いて、8月にメンバーが岩手県山田町を訪れ、がれき選別や焼却炉を取材した映像を上映した。そこで映されていた津波堆積物について、宮崎氏は「津波堆積物は、海底の汚泥に地上の農薬などの有害物質が混じり、広域処理の対象外。しかし、現地では、津波堆積物がプラスチックや布、木片などと一緒になった状態だった」と話した。「選別所で、津波堆積物を掻き落として広域処理に出すというが、私たちは、がれきに津波堆積物が付着しているのを目視で確認した。これが各地で焼かれてしまうのは危険である」と懸念を表明した。

 小川氏は「女川町の試験焼却で出た焼却灰は平均130ベクレル、山田町は80ベクレルだという。3.11以前、100ベクレルを超えるものは、低レベル放射性廃棄物として厳重に管理されていた。これを8000ベクレルに上げるなど、とんでもない。政府のやっていることは、命の軽視である」と語った。

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