岩上安身(以下・岩上)「国会で疑惑の『森友学園』問題で鋭い追及をした日本共産党・小池晃議員にお話をうかがいたいと思います。籠池理事長が、ある国会議員に陳情していたと追及された直後、自民党の鴻池議員が自分が(陳情を)受けていたと記者会見を開きました」
特集 極右学校法人の闇
※3月5日の配信時の実況ツイートを並べて掲載します。
岩上安身(以下・岩上)「国会で疑惑の『森友学園』問題で鋭い追及をした日本共産党・小池晃議員にお話をうかがいたいと思います。籠池理事長が、ある国会議員に陳情していたと追及された直後、自民党の鴻池議員が自分が(陳情を)受けていたと記者会見を開きました」
■イントロ
岩上「なぜ(国会で)鴻池さんと言わなかったのですか」
小池晃参議院議員(以下・小池議員)「(面談記録の)情報源はしっかり守りぬくということです。情報提供を受けたときに色々と条件がある。仁義を何よりも大事にする政党ですから」
岩上「鴻池議員の記者会見を見てどう思われましたか」
小池議員「私が一番問題にしたのは、今まで財務省も安倍総理も『関与していない』と言い続けてきたのに関与があったという点。面談記録の中身を見ると大事なポイントで森友と財務省がやりとりをしている」
岩上「籠池氏の代理人を務める酒井康生弁護士。この方は埋めていたゴミを『(地面の中に)仮置きしていた』と無茶を言っている方ですが、(封筒について)『お見舞いを兼ねて商品券を渡そうとしただけ』だと説明した」
小池議員「商品券はお金と何も変わらない。お金を渡したことを認めてしまっている」
岩上「鴻池さんは封筒の中身は分からないと言っているのに、弁護士が金券を渡したことを認めた」
小池議員「語るに落ちたという感じですね。『コンニャク』という言葉は私も初めて聞きましたが、それなりの厚さがありますからね。1万、2万じゃないでしょう」
岩上「手慣れた人たちはそういう言葉が通用するんですね。ここで大事な問題があります。『賄賂罪』は受け取らないと成り立たないと思われていますが、贈賄側が賄賂を提供しようと申込むだけで『贈賄申込み罪』が成り立つ。その場合は3年以下の懲役又は250万円以下の罰金に処されると」
小池議員「籠池夫人が『これでお願いします』と言ったと鴻池さんは会見で言っていた。これは『申込み』ですよね」
岩上「贈賄申込罪は一方の行為だけで成立する犯罪なんだそうです。まさに『賄賂』を突き返したとしても、申込罪は成立すると」
小池議員「私は初めて知りました。国会で追及できますね」
岩上「参考人招致は必要ですか」
小池議員「参考人どころか証人喚問。参考人でもいいですが、とにかく籠池理事長にどの政治家とやりとりしたのか、全部洗いざらい言っていただかないといけない。
森友学園は最初は貸借契約を結んだ。その段階で鴻池事務所はかなり関わっている。財務省は年間5000万円と言っていたのを、2千数百万、月200万円の負担まで下げさせている。その経過で鴻池事務所とのやりとりが記録されています」
ところがあの土地から地下埋設物が見つかった途端に『貸借』から『売却』に変更されている。おそらくチャンスだと思ったんでしょうね。埋設物を理由に地価を下げさせる。8億円ダンピングですよ。この過程は鴻池事務所の記録には出てこない。大きな政治力が働かないと8億円ダンピングはできません」
岩上「大阪航空局が(ゴミ撤去費を)見積もったといいますが、大阪航空局はそんなことやったことがない『ド素人』」
小池議員「なぜ大阪航空局にやらせたのかと聞くと財務省は『急ぐから』と。私が明らかにした鴻池事務所の書類にはその直前までが書かれていて、(籠池氏が)『財務省に行きたいからアポを取ってくれないか』と。それで(鴻池氏が)『断る』となっている。
ところが実際には(籠池氏は)2016年3月15日に会っている。財務省室長は一民間人に会うということはしません。やはり政治家が仲介しないと会わない。鴻池事務所には断られた。じゃ、誰が紹介したのかということになりますよね。
その頃から急転直下、理財局は大阪航空局にゴミの見積もりをやらせる。経験もないのに急ぐからと8億円ダンピングをする。結局1億円になって月100万になった。一番の核心となる国会議員の名前がまだ浮かんでいないんです。
コンニャクを次に持っていった先があるはず。必ず(他の国会議員の名前が)出てくるだろうと思いますね。森友学園側と財務省はいつ何を話したのか。財務省は『記録は全部捨てました』と。文書管理規定はデタラメですよ。
決裁文書は(保存期間基準)10年や30年がありますが、決済に至るまでの過程の文書は含まれない。財務省に文書の保存期間は何年かと聞いたら、最終的には『歴史公文書以外は一年未満』だと。つまりほとんどは捨てていいという規定になっている。
プロセスが大事じゃないですか。1億いくらになったという決済を見ても何の意味もない。なんで1億になったのか。誰がその間に交渉して、9億が1億になったのか。その過程を示す文書は捨てちゃっていいということなんですよ。
安倍さんが言っていることは自分たちの公式発表以外は信じるなということ」
岩上「その公式発表には裏付ける資料がない」
小池議員「一番簡単な話は役人を全部呼び出せばいいんですよ。当時の近畿財務局や大阪航空局。
安倍さんはすぐやるべき。行政の長として土地売却に関わったすべての関係者に聞き取り調査をやる。自民党の総裁としては自民党の全議員に聞くべき。ところが首相は会計検査院にお任せしたと。自民党の議員は自ら潔白を証明すべきだと言っている」
国民の財産じゃないですか。皆が本当に苦労して税金を払って。麻生さんなんてテープレコーダーみたいに『適正な処理をしています』しか言わない。本当に無責任。やっぱり安倍政権の傲慢さ、思い上がりすぎ。この問題に対する怒りは深いと思いますよ。
『教育』の問題もある。こっちの方が大きいかもしれないとも思っている。あれは教育ではない、洗脳。ほとんどヘイトスピーチに属するものも。うんちを持ち帰らせる、トイレは決まった時間にしか行けない、水を飲んではいけない。これは虐待ですよ」
岩上「僕が(塚本幼稚園の)内部関係者にインタビューした話では、保護者は真実を知らないと言うんですね。授業参観の日は別のことをやると。園児たちに竹槍を持たせて人型人形を突かせる訓練をさせる、吐瀉物を食べさせるという話も」
小池議員「こうした教育内容は事実で、それを賛美している。安倍昭恵夫人は私たちの調べでも(塚本幼稚園に)少なくとも3回行っている。内閣総理大臣夫人という肩書で講演をやる。私人でない公人です。
お母さんたちが感想文で『安倍昭恵夫人が日本一の幼稚園だとおっしゃってくださり心から感謝している』と書いている。国会で排除すると決議した『教育勅語』を園児たちに暗唱させている。
大阪府がどこまで関与しているのかが、もう一つの大きなポイント。大阪府議会も含めて徹底的にやらなければならない問題。教育行政は認可の問題も含めて、かなりの部分都道府県の権限も大きい。文部科学省が大臣表彰をしたのも全部府からの推薦。
府以外に関与があるとすれば、財務省だけでなく国交省。学校建設の木質化に対して6千万円の補助金が森友学園に出ているが、外側だけ木で(内側は)鉄骨を使っている。これも特例ではないかと思う。
その他にも文科省のいろいろな補助金をもらっている」
岩上「なぜこんなにたくさんの省庁が、普段は縦割り行政と言われてそっぽをむいているのに、結束して一つの学園に便宜を図っているのか?」
小池議員「『名誉校長安倍昭恵さんですよ』の一言じゃないですか? それを言ったら役所の方だっていろいろと考えるでしょう。安倍さんも国会審議の中で、そういった可能性がないとは言えないと言っている。これは今後の火種になると思う」
岩上「鴻池事務所の面会記録は2013年8月5日にスタート。籠池氏が来訪。『塚本幼稚園が小学校設立希望。豊中の国有地の借地を希望。近畿財務局より学校の場合購入のみと回答あり』。これは原則。安定的な学校経営の為には、その程度の財力がないとだめだと。
『9月9日:籠池氏から報告。小学校用地の件。9月2日に財務局より7~8年、賃借後の購入でもOKの方向。本省および大阪府と話し合ってくれる。上記の賃借料負けてもらえるようお願いしたい』。
『9月13日:籠池氏から相談あり。9月12日、大阪府庁に近畿財務局の国有財産管理官が来て、小学校設立認可のお墨付きが必要と』。ここで大阪か国かという話になるわけですね」
小池議員「大阪府の方は土地のことをちゃんとしてもわらないと(小学校設立)はできませんよと。財務省(国)の方は、大阪府の認可が必要ですよという対応があった。普通はこれでおしまい。ちゃんと持って来きてくださいと、冷たく追い返す。
『鶏と卵の話。なんとかしてや』と言っているのは籠池氏。それに対して、鴻池議員の事務所の方だと思うが、『どこが教育者やねん』。かなりイラッとしたんでしょうね。
その日の午後に近畿財務局の役人から回答。役人の名前もわかっています。『ある意味鶏卵の話ですが前向きにやって行きますから』。こういう対応をしてくること自体特別。『色々なバックがいるんだぞ』ということを出さなければ、こうはならないのでは。
土地所有については、安倍首相婦人が『後ろ盾』として、『広告塔』としてという、そういうことだと思う。自民党の議員がどう関与してきたのかということも問題」
岩上「『10月12日、籠池夫妻がまた鴻池事務所に来訪』。頻繁に来ていますね。『小学校用地の件、近畿財務局と大阪航空局職員数名と共に現地視察。その際に事務方の判断でできることではないというニュアンスを(籠池理事長夫妻が)感じた』。
(籠池氏は)『上から政治力で早く結論が得られるようにお願いしたい。土地価格の評価額を低くしてもらいたい』。ストレートですね。政治力と金を安くしろと、直球で鴻池事務所の人たちにお願いしたと」
そして10月15日、近畿財務局の担当官から鴻池事務所に回答があって『塚本幼稚園の件、従来通り前向きに。ただし大阪府の認可を取っていただかないと進めません』。私立学校審議会の(認可の)問題がでてくるわけですね」
小池議員「ただ、大阪府の方には、これが籠池側に伝われば『いや財務省は前向きにやってくれると言っています。だから認可お願いします』となるんでしょうね。それで籠池理事長が大阪府に申請書類を出すわけです」
岩上「月額の賃料の希望額100万円」
小池議員「この月100万円というのは意味のある数字。結局最後に月100万円になる」
岩上「この希望額にあわせて突然8億円(ダンピング)というアイディアがあらわれてくる?」
小池議員「かもしれない。賃貸契約の範囲では、月5百万円位のはずだったのが2百万円位で落ち着いていた。ところが、例のゴミが見つかって、買うってことになって、8億円ダンピングになった結果、最終的に今の時点では月百万円以下。たしか年間1千百万円くらい。
賃貸じゃないですよ。10年分割の毎月のローンの返済額を月に当てはめると100万円を切る」
岩上「言い値の通りになっている!?」
小池議員「そう。国があれやこれや、よってたかって便宜を図って、最終的に(籠池氏の)希望通りになった」
岩上「『10月16日、近畿財務局の担当官から鴻池事務所に「大阪府と横の連携を取って…」』」
小池議員「すごいですね。役所は横の連携は絶対やりませんよ」
岩上「しかも国と府。自立・独立していて、関係ないことになっている」
小池議員「ありえない」
岩上「『土地手当の件は府から確認があればOKと回答できます。また賃貸の件は本省と打ち合わせ済み』」
小池議員「だから、近畿財務局が勝手な判断でやっているわけじゃないんですよ。億単位の金を動かすのに、出先(近畿財務局)だけで判断はできません」
岩上「そして『2014年1月31日、小学校用地の件、近畿財務局と前向きに交渉中。賃料並びに購入額で予算オーバー。賃料年間3500万円を2500万円に。売却予定額15億を7~8億円に希望』。厚かましい人だなあ」
小池議員「すごいですよね。8年間賃貸した後に売却するという契約を結ぼうとした。8年間はこの賃料でやって、最終的な売却額はこれでいくと。でも半分ですからね」
岩上「そして、2015年1月9日。籠池理事長からの報告『国有財産貸借の件、本日財務省担当者より土地評価額10億。10年間の定期借地として賃料年4%。約4千万円の提示あり』。それに対して『高すぎる。2~2.3%を想定。なんとか働きかけて欲しい』」
小池議員「ここはすごく重大なポイント。2~2.3%だから2000万円ぐらい。そして、5月にその希望にほぼ近い年間2730万円で契約が結ばれる。この時というのが、1月27日に大阪府の私学の臨時審議会で条件付き認可適当と判断される直前なんです。
この間で何があったかわからないけれども、下げる方向で議論が進んでいたとすれば、この『条件付き認可適当』の判断に、何らかの影響を与えた可能性はあるのではないか。
1月9日のこの(財務省の)担当者の名前はわかっている。『1月9日にこの担当者が会った事実はありますか?』と財務省に聞いたところ『記録はありません』と言う。ではその担当者に聞いてくださいと質問したら『記憶がありませんと言った』と言う。
これは明らかに隠蔽しているんです。誰かに会ったくらい手帳に書くでしょ。繰り返し言うけど、これは国民の財産なわけで。麻生さんの土地の売買だったら別だけど、違いますからね。
これは非常に大きなポイント。籠池氏の希望通りの賃貸契約になったのはなぜなのか。誰が働きかけたのか。どういうやり取りがあってこうなったのか。これが当時の学校の設置認可の議論にどういう影響を与えたのか。大阪府の関わりはどうだったのか。
これはもう籠池さんを(証人として国会に)呼ぶしかない。後は財務省の担当者。記録もなくて、記憶もないというのであれば、本人に出てきてもらうしかない。この方(鴻池さん)は記憶ありますよ、多分。だから全部しゃべっていただく」
岩上「3月11日杭打ち工事をやったらゴミが見つかった。鴻池事務所はアポ取りを断ったが、3月15日籠池氏は財務省の国有財産審理室長と面会」
小池議員「普通は会えない。絶対誰か別の人がアポ取りをやったと思う。
別の政治家の仲介があったのではと理財局長に聞いたら、昨日の国会答弁で『(政治家の方々の関与は)一切ございません』と言い切った。この答弁をよく覚えておこうと思う。後で『私が』と出てきた時には、たいへんなことになる。
逆に本当に政治家は一切関与せずに、籠池氏が国有財産審理室長に会っているのだとしたら、それは別の問題。籠池氏に何か特別の力があるのか、あるいはバックを考えて、財務省がこの人は会っておいたほうがいいと判断をするような要素があるのか。
たとえば『安倍婦人が名誉校長をやっているような学校だから、これはやっぱり会っておいたほうがいいのではないか』というような判断が働くことだって、無いとは言えない。そういうことでもなければ、会わないんじゃないでしょうか。
その結果8億円ダンピングが行われるわけです」
岩上「佐川宣寿(のぶひさ)理財局長は、この日籠池氏から『なるべく早く対応していただきたい』という要望が出されたと答弁」
小池議員「『対応』とは、財務省だからお金がらみ。
その後の非常に不可解な経過は、大阪航空局がゴミの撤去費用の見積もりをすること。今までやった実績ゼロの大阪航空局が、なぜゴミの撤去費用の見積もりをするのか?財務省に聞くと『急いでいるから』と。籠池氏が『早くやれ』と言ったわけですよ。
ここもすごく大きなポイントだと思う。早くやるために一回も実績のない大阪航空局に見積もりさせた。そして、その大阪航空局は8億円のダンピング。8億1千9百万円と見積もる。9億円の土地を8億2千万円値下げするのが、果たして妥当な金額なのか」
岩上「(安倍総理は昭恵夫人のことを)私人だと言っていた」
小池議員「全くおかしいです。『内閣総理大臣夫人』というすごい垂れ幕を下げて講演会をやっているんですから」
岩上「世界中で国のトップのファーストレディが私人だなんて、通りますか?」
小池議員「塚本幼稚園での安倍昭恵夫人の講演のタイトルご存知ですか?『ファーストレディとして思うこと』。(笑)公人じゃないですか」
岩上「昭恵さんを参考人招致する可能性は?」
小池議員「ありうると思います。まずは籠池理事長、当時の財務省ではその分野での最高責任者の迫田英典氏(現国税庁長官)を、招致すべきだと言いました。今後それ以外の方も名前を出さざるをえなくなってきます。
今、国有地の問題に話を集中しているが、こういう極右的な、教育の名に値しないようなものを、持ち上げて広告塔になってきたという道義的責任は、次の重大なポイント。安倍政治なるものが一体何を目指しているのかということに重なってくる。
今も保育園で国歌を、という話がある。日本を戦争する国にすると我々は批判をしてきた安保法制・戦争法、特定秘密保護法、共謀罪。こういう物言えぬ社会を作っていく。全体としてまるで戦前の世界であるかのような方向に持っていく」
岩上「『第2の森友学園疑惑!?』約17万m2、開発費を含めると37億円に及ぶ愛媛県今治市の土地が無償譲渡される予定に!?」
小池議員「(この問題は)私達も非常に関心を持っていますが、今調査中です。ちょっと見過ごせないですね。徹底的にやります」
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