「IWJの報道が間違っているか、東京新聞論説主幹が嘘をついているか」――。
東京・中日新聞の論説副主幹・長谷川幸洋氏の迷走が止まらない。
「ニュース女子」でヘイトデマに加担した責任が問われ、東京新聞が「対処する」と表明すると、「言論の自由の侵害だ」などと見当違いの方向へ開き直った長谷川幸洋氏。
その詭弁に呆れ果てたのも束の間、長谷川氏はさらに2月10日、連載を抱える「現代ビジネス」に、「東京新聞の論説主幹と私が話し合ったこと 『事なかれ主義』を強く憂慮する」と題したコラムを投稿。コラムで長谷川氏は、「IWJの報道が間違っている」可能性を指摘したうえで、自身の所属する東京新聞の姿勢を批判した。
▲「現代ビジネス」に掲載された長谷川幸洋氏のコラム
先に断っておくが、IWJは長谷川氏がいうような「間違った報道」などしていない。この稿ではその根拠を明示しつつ、いかに長谷川氏が見当違いの被害妄想をばら撒いているか、そして「ニュース女子」司会者としての説明責任から逃げ回っているかを明らかにする。その上で、東京・中日新聞の曖昧な姿勢に対しても物申すことにする。
「処分は言論の自由の侵害だ」?〜東京新聞の謝罪記事に対する長谷川氏の詭弁
▲「ニュース女子」で、「東京・中日新聞論説副主幹」の肩書を用いて司会を務める長谷川幸洋氏(DHCシアターHPより)
長谷川氏はTOKYO MX報道バラエティ番組「ニュース女子」で司会を務めながら、目の前で飛び交う、沖縄の高江の米軍基地建設反対派市民に対するデマやヘイトに対して咎めることも訂正することもなく番組を進行した。根拠なきデマを拡散した「ニュース女子」には批判が殺到したが、その矛先は、「東京・中日新聞論説副主幹」の肩書で出演した長谷川氏にも向けられた。
批判を受け、釈明を余儀なくされた東京新聞は放送1ヶ月後の2月2日、謝罪記事を紙面に掲載し、長谷川氏の出演について「重く受け止め、対処します」と記述。ヘイトデマに加担した責任が問われた長谷川氏は2月6日、ニッポン放送「ザ・ボイス そこまで言うか!」に出演し、東京新聞が謝罪したことに対し、強く反発。論点をすり替え、「言論の自由の侵害だ」などと詭弁を弄した。この点について、我々は「言論の自由はあるが、デマの自由はない」と批判を行っている。
これまでの経緯は「ニュース女子」問題の特集ページをご確認いただきたい。
東京新聞内で何が? 深田論説主幹の「二枚舌」を批判する長谷川氏
さらに長谷川氏は2月10日、「現代ビジネス」に掲載されたコラム「東京新聞の論説主幹と私が話し合ったこと」で再度、この件に言及。重ねて自分が肩書きとして利用している東京新聞への批判を展開した。
コラムによると、長谷川氏は1月30日、深田実論説主幹と面談し、人事異動の内示を受けるとともに、「ニュース女子」をめぐる東京新聞の対応について深田氏と雑談。深田氏は長谷川氏に対し、「東京新聞はニュース女子と関係ない」と紙面に掲載する程度で事態を収めると語ったという(あくまで長谷川氏の言い分による)。
ところが2月2日に掲載された東京新聞記事では、「事実に基づかない論評が含まれており到底同意できるものではありません」と書かれており、長谷川氏の出演について「重く受け止め、対処します」と反省の弁が述べられていた。長谷川氏によれば、ゲラを見た段階で「先日の話と違うじゃないか。処分であれば受け入れられない」と深田氏に訴えたというが、曖昧に言葉を濁されたという(重ねていうが、長谷川氏の言い分による)。
「IWJの報道が間違っているか、東京新聞論説主幹が嘘をついているか」
長谷川氏の「妄想」が膨らむのはここからだ。
いったいなぜ、わずか2日の間に通常の人事異動が処分に変わったのか。(略)私は気になっている点がある。それはネットメディアであるIWJが2月3日付けで「IWJが深田実論説主幹に直撃!」と題して公開した記事だ。
IWJは2月2日、東京新聞論説主幹・深田実氏に対し、長谷川氏に対する「対処」の中身などについて取材し、その様子を「ニュース女子」検証記事の第10弾にまとめた。今回、長谷川氏がコラムで問題視したのはこの記事の次のくだりだ。