対談 平智之衆議院議員×竹田晴見大阪電気通信大学工学部教授 2012.10.13

記事公開日:2012.10.13取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・花山/澤邉)

 2012年10月13日(土)18時30分より、京都市下京区のキャンパスプラザ京都において、「対談 平智之衆議院議員×竹田晴見大阪電気通信大学工学部教授」が行われた。冒頭、平氏は国政に関して禁原発推進法を作り上げるまでは一人で活動することを報告した。その後、竹田氏との間で、資源が乏しい日本における未来のエネルギー戦略に関して対談が行われた。

■全編動画 ※質疑応答途中までの配信となっています。ご了承ください。

  • テーマ 「禁原発後の新しいエネルギーの可能性」
  • 参加者 平智之氏(衆議院議員) 竹田晴見氏(大阪電気通信大学工学部教授)
  • 日時 2012年10月13日(土)18:30~
  • 場所 キャンパスプラザ京都(京都府京都市)

 竹田教授は「現状認識として、私たちが原子力による電力の生活を謳歌してきたツケが、高レベル放射性廃棄物として残っている」と話した。そして、「廃棄物は最終処分地も最終処分の方法も決まっていない。原子力を使ったために1、2万年先の世代まで危険にさらすことになる」と指摘した。その上で、「この問題に対処するには早く原子炉を止めることだ。廃炉の技術と再生可能エネルギーの技術を確立した日本が、原子力からの転換を世界に示しリードすることが生き残りの道だ」と指摘した。

 新エネルギーに関して竹田教授は、「地熱、太陽光、風力、バイオマス、小水力、などがあるが、基本的に再生可能エネルギーである地熱と太陽光と風力をどうミックスするかが課題。また、発電量が安定しないことが太陽光と風力の問題点だが、その解決法である蓄電技術は実現間近である」と語った。「しかし、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)では、蓄電技術をベースに発電量を試算していないため、再生可能エネルギーの発電量を日本全体の10%と見積もっている。蓄電が可能であれば、これらだけで日本全体の電力を賄うことも可能である」とした。また、地熱を利用する高温岩体発電に関してNEDOの調査を紹介し、「日本の29カ所で約2900万kWhの発電量になり、これだけで原発29機分に相当する。しかし、平成9年の新エネルギー利用促進法で、高温岩帯発電は新エネルギーから外された。技術も確立し、コストも1キロワットアワー当たり約9円と原発より安く、原発不要論につながることから消された」と話した。

 平議員は、エネルギー文明の問題点としてエネルギー争奪の戦争を挙げ、「資源のない日本が再生可能エネルギーの技術を確立し、世界に提供していくことで、地球上のエネルギー由来の戦争をなくすことができる」と話した。さらに、「世界の人口は年に7千万人という勢いで増えているから、今後エネルギーの収奪がさらに激しくなる。再生可能エネルギー技術の確立は必要なことである」と説明した。これに対して竹田教授は、「エネルギーの発生源の選択肢を地域ごとに増やすことが必要。例えば熱帯地方では太陽光、ロシアでは天然ガス、寒い地域ではでんぷんの糖からエネルギーを得るなど、各地域に適したエネルギー源を作ることだ」と話した。また、「エネルギーがあれば食料の生産にもつながり、世界中で人間が生存可能になり、戦争につながらない」とも語った。

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