2012年10月13日(土)10時から、茨城県水戸市の茨城県立健康プラザにおいて、「燃やしていいの?放射能ごみ~震災がれきとJCO、住民の健康は?~」が行われた。放射能を含むがれきの広域処理やバグフィルターの問題点などについて、環境科学の専門家、関口鉄夫氏が詳しく説明を行った。
(IWJテキストスタッフ・荒瀬/奥松)
2012年10月13日(土)10時から、茨城県水戸市の茨城県立健康プラザにおいて、「燃やしていいの?放射能ごみ~震災がれきとJCO、住民の健康は?~」が行われた。放射能を含むがれきの広域処理やバグフィルターの問題点などについて、環境科学の専門家、関口鉄夫氏が詳しく説明を行った。
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関口氏は、始めに「原子力の事故の責任は、原子力発電を選択してきた世代、嘘や虚構を作り、未熟な技術を完全だと言い換える人たちを許してきた世代の責任である。未来の世代は、現世代の判断に異議を唱える事ができないことを考えるべきだ」と話した。
福島第一原発事故により飛散した放射性物質は、さまざまな場所に点在しているが、関口氏は「マイクロスポットの問題を軽視、放置してはならない。小学校を細かく計測していくと、玄関が一番高く、廊下、教室に行くに従って線量が下がる傾向にある。人の移動や風などにより、汚染が移動していく現象を注視して行く必要がある」と語った。
また、震災がれきの広域処理に対しては、「場所によって放射性物質の汚染程度はまったく異なる。『震災がれき』とひとくくりにすることはできない。津波対策として、山を作り、そこに木を植えて森を作り、住宅地への緩衝帯を作る計画は、合理的ながれき処理だと考えている」と述べた。
関口氏は、放射能を含むがれきの焼却後に出る焼却灰について、「国はバグフィルターによりセシウムを99%除去できると言っているが、それはおかしい。バグフィルターの集塵能力は、付着した灰とともに、化学物質や放射性物質を捕らえるしくみである。詰まり過ぎれば灰を落とさなければならない。また、新しいフィルターでも集塵能力は落ちる。1ミクロンといった微小な粒子はほとんど取れていない」と話した。
関口氏は、最後に「国や自治体を変えるためには、一人、二人と運動する人を増やし、運動が広がっていると認識させていく事が重要だ」と語った。