日本版ハロウィーンに欠如するのは「祈り」〜ハロウィーンの起源は紀元前5世紀のアイルランド「万霊の宵祭」!手を合わせ心で祈る「静の祈り」と行動によって実践する「動の祈り」 2016.11.1

記事公開日:2016.11.1 テキスト
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(青木浩文)

 IWJで中継やテキスト関係のお手伝いをしながら報道現場の勉強をしています青木浩文です。

 10月31日はハロウィーンです。一昨日の29日、渋谷では土曜日ということもあり、駅周辺は仮装した若者などで大混雑。昨年は車道に人が溢れた人が車の交通を妨げるなどの事態となったため、今年は午後8時半ごろから約4時間、「SHIBUYA109」周辺の車道の交通を規制して歩行者に開放したとのことです。

 しかし、大混雑の後、周辺の路上や植え込みに、大量の空き缶や仮装に使われた衣装やカツラなどのごみが大量に散乱している状態は、一年前となんら変わらぬようです。

ハロウィーンの起源は紀元前5世紀のアイルランド!元々は「オール・ハローズ・イヴ(万霊の宵祭)」

▲米フロリダ州のハロウィーン(Wikimedia Commonsより)

▲米フロリダ州のハロウィーン(Wikimedia Commonsより)

 「トリック・オア・トリート」(お菓子をくれなきゃイタズラするぞ)という脅しにも似たフレーズで有名なハロウィーン。「いい子にしてたらサンタが来る」というクリスマスとは正反対に、ハロウィーンは「いたずらをして許される日」などと、思い違いしている人々も多いのかもしれません。

 ハロウィーンの起源は、紀元前5世紀のアイルランド。元々は「オール・ハローズ・イヴ(万霊の宵祭)」と呼ばれ、10月31日は前年に亡くなった人間の魂が、あの世に行くまでの12ヶ月間、憑依する動物や人間を探す日だと信じられていました。そこで自分たちが悪魔やお化けや魔女の格好をして、取りつこうとする霊を追い払うための行事が行われました。

仮装した子どもがお菓子をねだるのは9世紀ヨーロッパの「ソーリング」が起源

▲香港のハロウィーン(Wikimedia Commonsより)

▲香港のハロウィーン(Wikimedia Commonsより)

 また、ハロウィーンの夜、悪魔の扮装をした子どもたちが、「トリック・オア・トリート」(お菓子をくれなきゃイタズラするぞ)と言って家々を回ってお菓子をねだる行事は、9世紀のヨーロッパの「ソーリング」という慣習が起源だと言われています。

 9世紀のヨーロッパには万聖節の日(11月1日)、キリスト教徒が村から村へ、ソールケーキと呼ばれるジャムつきの四角いビスケットを求めて回る慣習がありました。訪ねた家でケーキをもらったお返しに、彼らはその家で亡くなった方のために祈りを捧げました。祈りの多さは、魂がより早く天国へ行けることを意味したそうです。

 ハロウィーンの夜、渋谷の街で「どんちゃん騒ぎ」に興じる人々には、この「祈り」が圧倒的に不足しているような気がしてなりません。

「祈りとは生活」福祉活動家で教育者である佐藤初女の言葉

▲オランダのハロウィーン(Wikimedia Commonsより)

▲オランダのハロウィーン(Wikimedia Commonsより)

 この2月に他界された福祉活動家で教育者である佐藤初女(はつめ)さんは、次のような言葉を残しています。初女さんは、「祈りとはなにか」と聞かれ、「生活です」と答え、次のように説明しています。

 「今ここに本当に食べられないでいる人、病んでいる人がいたときに、いくら手を合わせて祈っても、思いはその人にすぐには伝わりません。手を合わせて祈るのは『静の祈り』、同じことを心に抱きながら行動するのが『動の祈り』だと思っています」

 この初女さんの言葉を聞き、私は「仕事も祈り」なのだと思うようになりました。

IWJ流トリック・オア・トリート=たとえ権力に不都合な真実であっても、報道し続けますので、ぜひカンパ・ご寄付を!」

 今週中に強行採決されるとも言われるTPPですが、10月26日には、岩上さんは元農水相で弁護士である山田正彦氏をお招きして、インタビューを行いました。インタビューは、21時過ぎからはじまり、深夜2時半まで、5時間あまりにわたって続き、TPPに関する衝撃事実が次々と暴露されました。

 来年75歳になられる山田氏と、体調がまだ決して万全とは言えない岩上さんによる、深夜の長時間インタビューは、あらゆる手段を使ってでもTPPの問題点を世に知らしめ、その批准をくい止めたいという、お二人の『動の祈り』そのものではないだろうかと、私は感じました。目前の損得勘定だけであったら、とてもできないことです。

 IWJは、TPP問題について、旧民主党の菅政権の頃から、要人へのインタビューや抗議行動など、繰り返し取り上げてきており、TPP関連の記事数も590本を超えます。  

 このような、時に採算を度外視してでも真実を伝えようとするIWJの取材活動が、今後も継続できますように…。

 「トリック・オア・トリート(たとえ権力に不都合な真実であっても、報道し続けますので、ぜひカンパ・ご寄付を)」

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