2012年9月29日(土)、大阪市の新大阪丸ビルで、「学習会『モンゴルに核ゴミ輸出?! ―ウラン開発、原発建設、使用済み核燃料処分場』」が、ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパンの主催で行われた。大阪大学言語文化研究科の今岡良子氏が、モンゴルにおける核開発と使用済み核燃料処分場建設の動きについて詳細に語った。
(IWJテキストスタッフ・花山/澤邉/奥松)
2012年9月29日(土)、大阪市の新大阪丸ビルで、「学習会『モンゴルに核ゴミ輸出?! ―ウラン開発、原発建設、使用済み核燃料処分場』」が、ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパンの主催で行われた。大阪大学言語文化研究科の今岡良子氏が、モンゴルにおける核開発と使用済み核燃料処分場建設の動きについて詳細に語った。
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長年、モンゴルを研究してきた今岡氏は、「モンゴルの草原に魅せられ、その大地を愛している」と語ったうえで、「原発は『トイレのないマンション』といわれている。その原発のゴミをモンゴルに持っていくことは、許されない。もし、日本政府が実行したら、私は国会に自爆テロで突っ込みたい。それで核のゴミ輸出が止まるなら、死ぬ価値がある」と、過激な表現で心情を訴えた。
そして、今年の8月、モンゴルの首都ウランバートルから650kmほど東に行った、マルダイを訪れた映像を上映した。マルダイは、1980年代にモンゴルとソ連が秘密協定を結び、ウラン鉱山を開発した場所である。現在は廃墟となっているが、最近、日米が関わる使用済み核燃料処分場の候補地として名前が挙がった。今岡氏は「モンゴルでは、原発や核の処分場を作ることは、ずっと未来の話だろうと考えている人が多い。マルダイが過去どういう扱いであったのかを、モンゴルの人々に知ってもらいたかった」と、撮影の意図を語った。
続けて、今岡氏は「1990年に民主化されたモンゴルでは、市場経済への移行で国営企業を民営化したものの、ほとんどが倒産し、国民の貧困が始まった」と語り、「一方、モンゴル政府は法律を整備し、地下資源を売って経済を立て直そうと、1997年に工業法、2006年に鉱物資源法を制定した。こうした法整備が核開発を大きく後押しすることになった」と、モンゴルが原子力開発に傾注していく経緯を説明した。
さらに、「国際原子力機関(IAEA)のモンゴル常任代表は『モンゴルは原発を必要とする』と発言していたが、日米モンゴル間での核サイクル計画がスクープされると、モンゴル政府はその火消しに追われることになった」と指摘する。また、モンゴルの国家予算に、マルダイを含む3ヶ所の放射性廃棄物の保管加工埋蔵施設建設費が計上されたことに関して、「後日、モンゴル政府は、同所に放射線測定施設を建設するとして、説明をすり替えた」と批判した。
最後に今岡氏は「広島、長崎、そして福島を体験した日本から、核の危険をモンゴルの人々に伝えていくのが、私にできること。これからも反核運動を続けていく」と決意を語った。