2012年9月28日(金)、北海道函館市の函館地方裁判所で、「大間原発訴訟口頭弁論後の集会および原告団へのインタビュー」が行われた。大間原発は、青森県下北郡に建設中の原子力発電所のことで、ウランとプルトニウムを混合させたMOX燃料を使用するという特徴がある。東日本大震災の影響で建設は中断されていたが、10月1日から建設が再開された。
現在、「大間原発訴訟の会」が建設の差し止めを求めて係争中であるが、この日は「第7回大間原発訴訟口頭弁論」が函館地裁で開かれた。口頭弁論が終わるまでの間、原子力資料情報室の澤井正子氏が学習会を行い、福島原発の事故を振り返った。裁判終了後は、原告団と弁護士による集会が行われ、感想や意見を話し合った。集会の後には、原告団へのインタビューも行われた。
- 日時 2012年9月28日(金)
- 場所 函館地方裁判所(北海道函館市)
- 告知
口頭弁論が終わるまでは、原子力資料情報室の澤井正子氏が、福島の事故や原子炉の仕組みについての学習会を行った。福島第一原発の事故では、全交流電源喪失から半径20キロの避難指示が出されるまでを時系列に沿って振り返り、政府の防災対応が全くできていなかったことを再確認した。原子炉の仕組みについては、火力発電と比較をしながら分かりやすく説明を行った。
生み出されるエネルギーの3分の2が海に放出されることや、また、捨てられる水は放射能に汚染されている可能性もあることなど、たとえ事故が起こらなくても、原子力発電所は環境に悪影響であると語った。次に、福島原発の事故において、放射性物質がどのように放出されたかというシュミレーション映像を紹介した。澤井氏は、「全放出量の半分以上は海に出ているが、どこが汚染地帯になるかは風任せです。西日本や中国などで事故が起これば、全国すべてが汚染される」と事故の危険性を改めて説明した。