「今回の出馬は、政党から打診を受けたわけではない。私の意志によるものだ。それくらい、『みんなに都政を取り戻す』という気持ちを私は強く持っている」――
東京都知事選が告示された7月14日、立候補を届け出た各候補者が第一声を行った。民進党、共産党、社民党、生活の党の4野党が推薦する「野党統一候補」の鳥越俊太郎氏は、午前10時30分からJR新宿駅東南口で第一声を行い、支持を訴えた。
この日の演説には、民進党都連会長の松原仁衆議院議員、共産党の笠井亮衆議院議員、社民党の羽田圭二・世田谷区議、生活の党の川島智太郎元衆議院議員の4人が駆けつけ、都知事選での「野党共闘」をアピールした。また、SEALDsの奥田愛基氏も登壇し、鳥越氏への支持を呼びかけた。
- 日時 2016年7月14日(木) 10:30~
- 場所 JR新宿駅東南口(東京都新宿区)
「”困った”を希望に変える東京」、宇都宮健児氏のキャッチコピーを選挙用のチラシに
鳥越氏が今回の選挙戦で掲げるのが、「住んでよし、働いてよし、環境によし」というキャッチフレーズだ。この日の演説で鳥越氏は、この3つの意味について順番に説明した。
「まずは、『住んでよし』について。東京には、色んな能力を持つと同時に、困窮とか差別とか、いろんな問題を抱えている方がいらっしゃる。しかし、行政がちゃんと手を加えていけば、東京は全国で一番住みやすい街、”希望の街”になると思います」
昨日13日夕方頃、鳥越氏は出馬を取りやめた宇都宮健児氏と面会した。その際、宇都宮氏から、選挙戦でのキャッチコピーを見せられたという
「宇都宮さんがチラシに使っているキャッチコピーを見せてくれました。それで私が、『このコピーを使わせてもらっていいですか?』と言ったら、『ああ、どうぞどうぞ』ということになりました。
どういうコピーかというと、『”困った”を希望に変える東京』というものです。これは、なかなかいいキャッチコピーだと思います。住んでいて、『困った!』ということはたくさんありますよね。それを、希望に変えていくんだと。これからできあがるチラシでは、このコピーを使わせてもらおうと思っています」
▲演説を行う鳥越俊太郎候補
「私が当選すれば、初めて『東京都民に耳を傾ける知事』が誕生することになる」
では、2番目の「働いてよし」と3番目の「環境によし」とは、具体的にどのような内容なのか。鳥越氏は、この2つについても順番に説明した。
「次が、『働いてよし』です。安倍政権のもとで、どんどん格差が生まれています。非正規の割合は、今、全国平均で4割に達しています。非正規の人々が増えているということは、それだけ一人ひとりの収入が下がっているということなんです。それを、変えていかなければならないと思います。
ですから、皆さんの声をしっかり聞いて、誰もが『働いてよし』と思えるような東京に変えていきたいと思います。私の最大の長所は、聞く耳を持っている、ということ。舛添さんも猪瀬さんも石原さんも、聞く耳を持っていなかった。私が当選すれば、初めて『東京都民に耳を傾ける知事』が誕生することになります」
「3つ目が『環境によし』。環境にやさしい東京を作ります。緑のなかで、非常にゆったりと過ごせるような東京を作りたい。東京が、環境を悪化させるようでは困ります」
▲鳥越候補と野党4党の代表者
SEALDs奥田愛基氏「鳥越さんは、みんなの力が必要な人。だから、力を貸してほしい」