「繁忙期なのにやめてくれ! 商人の感覚では考えられない」 築地の仲卸たちが「11月・豊洲移転」の延期を切望 ~アンケートから浮かび上がる関係者の不安、東京都の無責任さ 2016.4.16

記事公開日:2016.4.18取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・奥松由利子)

特集築地市場移転問題

※5月12日テキストを追加しました!

 築地の仲卸業者にとって、歳末商戦を控えた11月から12月は、最多の在庫を抱える年に一番のかき入れ時。しかし、東京都は築地市場の豊洲への移転期間を、今年の11月3日から6日までの4日間とし、11月7日の豊洲市場オープンを決定した。これに対し、築地市場で商売をする人々からは「無理だ!」という怒りや不安の声が上がっている。

 「守ろう!築地市場パレード実行委員会」と、築地市場関係者による「築地市場・有志の会」の合同記者会見が2016年4月18日、東京都新宿区の都庁記者クラブで行われ、築地市場内の水産仲卸業者に実施したアンケート結果が発表された。

 東京中央市場労働組合執行委員長の中澤誠氏は、これまでに回答を得た244人のうち84%にあたる206人が「11月移転を延期してほしい」と回答したことを明らかにした。アンケートは4月上旬に約600の仲卸業者に配布、引き続き回収中だが、この段階で全体の3分の1の仲卸業者が移転延期を希望している。もっとも多い理由は「年末の繁忙期であること」だ。

 また、豊洲市場はガス工場の跡地で、ベンゼンや六価クロムなど有害物質による土壌汚染があり、東京都が調査と対策工事を実施していたが、2015年6月には帯水層(地下水を含む地層)の底面部分で、300を越える未調査区域があることが発覚している。アンケートでは、「土壌汚染問題が解決するまで移転を凍結するべき」という答えが78.6%あった。

 会見に出席した仲卸業者の1人は、「東京都から詳しい情報がこないまま、11月7日の引っ越しだけを強いられている。最近、かなりの数の仲卸業者が廃業した」と移転への不安を語った。

記事目次

■ハイライト

  1. 築地有志の会が築地市場・水産仲卸事業者を対象に行った『豊洲新市場の開場日』についてのアンケート調査の結果
  2. 同日に行う農林水産省への陳情・意見交換の報告
  3. 2月22日に守ろう!築地市場パレード実行委員会が提出した公開質問状について
  4. その他
  • 日時 2016年4月18日(月) 16:00~
  • 場所 都庁記者クラブ(東京都新宿区)
  • 主催 築地有志の会

東京都のゴリ押しで現場は大混乱。「豊洲市場の11月7日オープンは延期を!」

 会見には中澤氏、日本消費者連盟の前・共同代表の山浦康明氏、築地で水産仲卸業を営む小峰屋の和知幹夫氏、樋徳商店の山口氏、明藤(あかとう)商店の宮原氏が出席した。

 「築地市場の現場は今、大変な事になっている。豊洲市場の11月7日開場など無理だとみんな思っているし、困っている」──こう切り出した中澤氏は、そんな状況を見て仲卸業者にアンケートを取ることにしたと説明した。

 約600の水産仲卸業者に、4月11日からアンケートを配布し、18日までに244人分を回収、集計した結果によると、豊洲市場の開場時期について、予定どおり11月7日の開場を希望した人は11人。一方、「スケジュールを撤回して延期してほしい」という回答は206人で、84.4%を占めた。

 また、土壌汚染については、「やむを得ない」とした人は9.4%、「問題が解決するまで移転を凍結」が78.6%となった。さらに、「築地と豊洲、どちらがいいか」との質問には、築地が83.1%、豊洲はわずか3.6%という結果になっている。

 中澤氏は「11月移転は無理、という声が圧倒的に強い。にもかかわらず、東京都がゴリ押しで進めているため、現場の軋轢が高まっている」と話す。

 さらに、「回収したアンケートには、書き込みがすごい。みんな、言いたい事や不安な事がたくさんあり、現場の大混乱がうかがえる。延期の理由で一番多かったのは、繁忙期だからやめてくれ、というもの。11月は、12月の商売のために在庫が最多になる時期だ。われわれは東京都にスケジュールの撤回を求めていく」と力を込めた。

「答えない」という答えを出してくる舛添都知事に、中澤氏が農水大臣からの「指導」を要請

 守ろう!築地市場パレード実行委員会では、これに先立つ2月22日にも、豊洲市場への移転をめぐる混乱を懸念し、移転凍結、延期を訴える記者会見を開き、同日、舛添要一東京都知事に公開質問状を送っている。

 その内容は、土壌汚染調査の未実施区域があることへの疑義や、豊洲への交通アクセスの悪さ(環状2号線の開通は2019年)、豊洲市場の基本設計や物流計画に業界合意がないことなど、全33項目に上り、回答は文書で3月5日までに送付するように求めていた。これに対する東京都の対応について、中澤氏は次のように語る。

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