2012年9月4日(火)9時半、大阪市北区の大阪市役所において、「大阪府市エネルギー戦略会議」の第20回会合が開かれた。今回の会合では、大阪府市によるエネルギー戦略策定の参考とするため、「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク」、京都に本拠を置く半導体メーカーの「ローム」、一般社団法人「新経済連盟」の担当者から意見を聞いた。
(IWJテキストスタッフ・久保元)
2012年9月4日(火)9時半、大阪市北区の大阪市役所において、「大阪府市エネルギー戦略会議」の第20回会合が開かれた。今回の会合では、大阪府市によるエネルギー戦略策定の参考とするため、「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク」、京都に本拠を置く半導体メーカーの「ローム」、一般社団法人「新経済連盟」の担当者から意見を聞いた。
■全編動画 1/2
■全編動画 2/2
このうち、「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク」の世話役代表を務める鈴木悌介氏は、神奈川県小田原市で147年続く蒲鉾(かまぼこ)店を経営している立場から、「食べ物とは、元々、全て命があったもの。食べるということは命をいただくこと。人間の営みは、命をつないでいくものだと思う」との意見を述べた。また、「原発がないと電気代が高いという話になっているが、実際にコストとは何かと考えると、結局、未来に請求書を先送りしているだけではないかと思う」と持論を展開した。
さらに、「経済とは、そもそも人を幸せにする仕組みだったはず」とし、「経済界が、みんながみんな、原発がないとどうしようもないと思っているわけではない」と続けた。その上で、原発が抱える問題として(1)原発を動かすことに関わる危険性の問題。何かあった時に、どうすることもできない問題(2)使用済み核燃料の問題が、一向に解決の方向が見えていないこと(3)原発の仕組みによって、我々の電気料金や税金が吸い上げられる。訳のわからないところに国民の税金が抜かれていく。お金のない地域が、それ(原発立地)を引き受け、やりたくないことも引き受けていく―といった点を指摘し、「国と地域のいびつな関係は、原発だけの話ではなく、この国の色々な補助金や交付金に関わる問題。本当に地域が自立していくためには、その関係を変えていかなければならないのではないか」と力説した。
世論の反対を押し切って7月に再稼働した関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について、同戦略会議としても再稼働に強く反対してきた立場から、稼働の即時停止を求める緊急声明を発表することとし、声明に盛り込む内容を議論した。この中で、飯田哲也委員は、「政府は、関西電力が出した過度に厳しい電力需給見通しを、そのまま政府の需給検証委員会で使ったが、それでもなお大飯原発を動かさなくてもいいというのが需給検証委員会の結論だった。だが、野田首相はそれを踏みにじって動かした」と指摘し、野田首相の判断を厳しく批判した。