8月10日、内閣府合同庁舎4号館にて、細野環境大臣兼原発担当大臣定例記者会見が行われた。冒頭、環境省職員の人事異動について、また、がれき処理に関して、国民との適切なコミュニケーションの少なさが政府への不信を生んでいたと反省の弁を述べた。HPには、国民とのコミュニケーションの一環として、「大臣からの手紙」を掲載する予定だという。
(IWJ・原佑介)
8月10日、内閣府合同庁舎4号館にて、細野環境大臣兼原発担当大臣定例記者会見が行われた。冒頭、環境省職員の人事異動について、また、がれき処理に関して、国民との適切なコミュニケーションの少なさが政府への不信を生んでいたと反省の弁を述べた。HPには、国民とのコミュニケーションの一環として、「大臣からの手紙」を掲載する予定だという。
■ハイライト
IWJは、規制委員会の人事案について質問。
原子力規制委員候補の更田豊志氏は、日本原子力研究開発機構の安全研究センター副センター長であり、中村佳代子氏はの所属する日本アイソトープ協会は、医療用放射性廃棄物処理工場の運営や、最終処分場設置計画に携わっている。それぞれ現役だ。これは、政府が定める欠格要件「就任前直近3年間に原子力事業者等及びその団体の役員、従業者等であった者」だけでなく、「原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理若しくは廃棄の事業を行う者…」の就任を禁止する規制委員会設置法7条に抵触すると日弁連なども指摘いている。
こうした人事の違法性の認識について、細野大臣は「事業者とは、電力会社、メーカーであり、7条には該当しない。『規制対象であるから該当する』となれば、東大や京大の教授も該当する。原子力の専門家はどうしても原子力に関わっている人となり、ある程度の線引が必要である」と回答。しかし、原子炉等規制法58条では、事業者とは「製錬事業者、加工事業者、原子炉設置者、外国原子力船運航者、使用済燃料貯蔵事業者、再処理事業者、廃棄事業者及び使用者(略)」と定められており、学者は含まれていない。電力会社、メーカーのみとの指定はない。これについて、「ここで(設置法)で欠格要件としている『事業者』とは、電力会社、メーカーが当たるものとしている。JAEAや原研の研究機関にも施設はあり、そこまで広げてしまうと、研究者が(委員として)入れないため、欠格要件にはしていない」との認識を示した。
規制委員会は、「原子力安全規制に対する国民の信頼を得る」という目的が掲げられている。しかし、先週金曜日はこの人事案撤回を求め、環境省が包囲され、そして、この会見の日の夜も抗議の包囲が予定されている。細野大臣は、人事案への理解が得られていると言うには疑問を抱かせるこの事実について、「国会の質疑などを通じて出来るだけ多くの理解を得たいと思っている」と述べるに留まった。