雨のなか、2500人の老若男女が国会前に集まった。学生を中心とした有志からなる「SEALDs(シールズ)」主催による「戦争立法」反対抗議は、2015年4回目をむかえ、この日も多くの市民たちが「戦争反対」「国民なめるな」「集団的自衛権はいらない」などのシュプレヒコールを上げた。
IWJは参加者一人ひとりに、国会前に集まった理由や、安倍政権に対する思いを聞いた。この日がデモ初参加で、2人の子どもがいるという50代の女性は、「現在の状況は、自分たちのせいだと思っている」と語った。
「自分たちの親が戦争を体験し、その大変さを教えてくれたのに、自分たちのこどもが戦争に関わることになるのは、自分たちの世代がちゃんとしていないからだと思う。会社の人たちとは政治の話はあまりしない。それが礼儀というところがある。ただ、ちょっとヤバイよねとか、変だよね、という話はしている」
そのうえで、「どうしても戦争法案を通したいのなら、法律的な手続きをちゃんと守って欲しい」と訴えた。
- 日時 2015年6月26日(金)19:30〜21:00過ぎ
- 場所 国会議事堂正門前北庭側(東京・永田町)
- 主催 SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)
【市民、学者らのスピーチの動画記事はこちら
「自衛隊に入った友達も狙われる」
関西から来たという大学1年生の男性は、「自衛隊に入った友達もいる」と明かした。
「この法案が通ったら、自衛隊に入った友達はかなりの人数やめると思います。リストカットとかする人が出てくると思う。米国のイラク(戦争)の時にも同じようなことがあった。日本でも同じことが起こると思う。そうなると、自衛隊の人数が減って駆り出されるのは僕たち。徴兵制にもなりかねない」
貧困化が進む若者たち「米国のような『経済的徴兵制』が日本でも起こりうる」
「PEACE NOT WAR」というプラカードを掲げていた大学院生の男性は、「現在の政権のトップに立っている人達は、戦後生まれで戦争を知らない世代。戦争について幻想や、先の大戦に対して美化している部分があると思う」と語った。
「集団的自衛権がどのように利用されていたのか、歴史的なものを見ていると、自衛権という名前がつきながら、本当に自衛に使われてきたものはない。集団的自衛権を認めててしまうと、大国である米国が参加するような戦争に巻き込まれてしまうと思う。安倍政権が想定している尖閣諸島や北朝鮮のミサイルの迎撃の事態は、個別的自衛権で十分対応できるので、集団的自衛権は全く必要ない」
集団的自衛権と個別的自衛権の違いを指摘した男性は、さらに「徴兵制」の可能性について危機感を露にした。
「『徴兵制』はないと思うが、若年層で貧困化が増えて来ているので、米国のように『経済的徴兵制』が日本でも起こると思う。奨学金などの返済を盾にとり、若い人を戦地に送るという図になってくると思う。絶対に阻止しなくてはならない。安倍総理に憲法を守れと言いたい」
日に日に熱気を増す抗議行動。今後も毎週金曜日に行われる予定だ。
前回よりも強い雨だったにも関わらず参加者は増え続けている
50代女性「現在の状況は、自分たちのせい」 若者に迫る「経済的徴兵制」の影 〜SEALDs主催「戦争立法」反対抗議(参加者インタビュー) http://iwj.co.jp/wj/open/archives/250699 … @iwakamiyasumi
雨の中、声を上げる「普通」の市民。この声を聞かない政治とは何だ?
https://twitter.com/55kurosuke/status/614547997272117249