2012年7月30日(月)、文化放送にて「夕やけ寺ちゃん活動中」の生放送が行われた。
「今日の夕刊読み比べ」のコーナーで、レギュラー・コメンテーターのIWJ岩上は、当日の『日刊ゲンダイ』の記事に関連し、山口県知事選の結果や国会前の抗議行動、原子力規制委員会の人事などについて、コメントした。とくに、原子力規制委員会の人事案については、日本の運命がかかった一大事。いったい何が起きようとしているのかを詳しく解説した。
(IWJテキストスタッフ・白藤)
2012年7月30日(月)、文化放送にて「夕やけ寺ちゃん活動中」の生放送が行われた。
「今日の夕刊読み比べ」のコーナーで、レギュラー・コメンテーターのIWJ岩上は、当日の『日刊ゲンダイ』の記事に関連し、山口県知事選の結果や国会前の抗議行動、原子力規制委員会の人事などについて、コメントした。とくに、原子力規制委員会の人事案については、日本の運命がかかった一大事。いったい何が起きようとしているのかを詳しく解説した。
■ハイライト
山口県知事選に落選した飯田哲也候補。岩上はその善戦ぶりを振り返って、「地盤があり、組織票を集めた山本繁太郎さんが当選したが、出身地とはいえ、何もないところからエネルギー問題を訴え、10万票を集めた飯田さんの動きには注目したい。2010年の沖縄県知事選とよく似ている。保守派でさえ、反原発・反オスプレイでなければ票は取れなくなってきている。肝心なのは、新知事が、当選後も本当に言葉通りに行動できるかだ」と見ている。
毎週金曜日の官邸前デモを主催している反原連が、7月29日の日曜日、「国会大包囲」を呼びかけた。日比谷公園で始まった集会の後、デモ行進し、夜になって国会正門前は、車道まで参加者で埋め尽くされた(主催者20万人・警察1万人)。各党の議員たちが、国会正門前に用意されたステージで、原発再稼働の反対まどを次々に訴えた。「今回は、この国会大包囲により、前もって『いつもの金曜日の官邸前デモは中止です』と主催は呼びかけていた。だが、個々がネットなどで自主的に呼びかけ、足を運ぶ参加者が後を絶たなかった。原発の問題が他人事ではなく、市民による自発的な抗議行動が、完全に根付いてきた感がある」と岩上。
そして、原子力規制委員会の人事問題。こうした抗議行動が、まったく意味をなさなくなるような事態が起きようとしている。選ばれた顔ぶれは、田中俊一氏(元原子力委員会委員長代理)、更田豊志氏(日本原子力研究開発機構基礎工学研究部副部長)、中村佳代子氏(日本アイソトープ協会プロジェクトチーム主査)、大島賢三氏(福島原発事故調査委員会委員)、島崎邦彦氏(地震予知連絡会会長)。全員が原子力ムラ。まるで『原子力推進無規制委員会』である。
「この委員会の恐ろしいところは、なんと、罷免ができないこと。任期は5年。その間この規制委が認めたことに、口出しできる立場の人物や組織はない。脱原発の危機というより、民主主義の危機。菅政権の批判を都合よく反転させて、国会の権限を取り上げる。つまり民意を取り上げるという、本当に恐ろしい事態が迫っている。歴史には、後で振り返ったときに、『あのときが分かれ目だったんだ!』という、分水嶺がある。この悪魔のような違憲的人事がそうならないように、何とか撤回しなければならない」と岩上は強調した。