5月1日に世界各地で行なわれる、労働者の権利を要求する「メーデー」。2015年5月1日、東京・代々木公園で開かれた、全国労働組合総連合(全労連)主催による第86回「中央メーデー」には、参加者28,000人(主催者発表)が集まった。労働者派遣法や残業代ゼロ法案など、政府の労働法制見直しに反対する声のほか、今年は、改憲を含めた戦争法案の実現など、「戦争ができる国づくり」を目指す安倍政権への批判と抗議の声が目立った。
(IWJ・ぎぎまき)
5月1日に世界各地で行なわれる、労働者の権利を要求する「メーデー」。2015年5月1日、東京・代々木公園で開かれた、全国労働組合総連合(全労連)主催による第86回「中央メーデー」には、参加者28,000人(主催者発表)が集まった。労働者派遣法や残業代ゼロ法案など、政府の労働法制見直しに反対する声のほか、今年は、改憲を含めた戦争法案の実現など、「戦争ができる国づくり」を目指す安倍政権への批判と抗議の声が目立った。
■ハイライト
デモに先立って行なわれた祭典では、弁護士であり、日本国憲法に詳しい伊藤真氏が登壇し、「これほど憲法がなし崩し的に蔑ろにされてきたことはない」と、憲法が置かれた危機的な現状を説明。労働者の権利や暮らしを守るためには、国民一人一人が主体的に行動する必要があると熱弁をふるった。
「今、憲法は危機的な状況にある。昨年(2014年)7月1日、安倍政権は閣議決定で集団的自衛権の行使を認めた。日米の軍事協力のガイドラインを国民に説明する前に、アメリカに行って承諾を得る。誰の方を向いて仕事をしているのか。
安倍総理は『戦争に巻き込まれる』というレッテルを貼った議論だと言って批判する。とんでもないことだ。商品の中身を正しく示す『レッテル』を貼らなければ、それが偽造であり犯罪。政府の言葉に騙されてはいけない。
日本国憲法は、国民の自由と人権をもたらすため、また、政府に再び戦争をさせないという目的のために作られた。一人一人が主権者として主体的に行動するために声をあげていきましょう」
次に、日本共産党の志位和夫委員長が壇上に立ち、安倍政権が進める労働法制の見直しを「歴史的大改悪法案」と断じ、批判した。
「8時間労働制は、戦後の労働運動の原点。メーデーの原点です。
労働者派遣は、臨時的、一時的な業務に限るという大原則を担保するものだとされてきた。しかし、労働者派遣法の改正は、原則1年、最大3年、という期間制限を取り払い、3年ごとに人を入れ替えさえすれば、永久に派遣労働を続けられるようにするもの。正社員から派遣社員への置き換えが取り留めもなく進むことは、火を見るよりも明らかだ」
労働者派遣法改正案は、昨年2度、国会で廃案になっているが、政府は今国会での成立を目指している。志位委員長は2度、廃案になっている事実について触れ、「3回目も必ず廃案に追い込もうではありませんか」と呼びかけた。
また、残業代ゼロ法案については、メーデーの原点である、8時間労働制を破壊するものだと警鐘を鳴らし、「メーデーの原点を覆す暴挙を許さない。残業代ゼロではなく、過労死ゼロの日本を作っていきましょう」と訴えた。
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