2012年7月24日(火)、衆議院第一議員会館において「政権公約を実現する会(鳩山グルーブ)勉強会」が行われた。『戦後史の正体』を上梓されたばかりの孫崎享氏を講師に招き、戦後日本が歩んできた従米路線の真相を赤裸々に語ってもらった。(※テキスト班による全文文字起こしを追加しました)
冒頭、孫崎氏は、「先の総選挙で政権交代を果たした民主党にとても期待した。なぜなら対米従属からの脱却が、ついに実現できると期待したからだった」、と打ち明けた。
(IWJテキストスタッフ・関根)
2012年7月24日(火)、衆議院第一議員会館において「政権公約を実現する会(鳩山グルーブ)勉強会」が行われた。『戦後史の正体』を上梓されたばかりの孫崎享氏を講師に招き、戦後日本が歩んできた従米路線の真相を赤裸々に語ってもらった。(※テキスト班による全文文字起こしを追加しました)
冒頭、孫崎氏は、「先の総選挙で政権交代を果たした民主党にとても期待した。なぜなら対米従属からの脱却が、ついに実現できると期待したからだった」、と打ち明けた。
■ハイライト
孫崎氏は戦後、自立を望んでいた歴代の首相は、人々が思っているより多いという。そして彼らのほとんどは、任期や程度の差こそあれ、政界スキャンダルに巻き込まれたり、またはマスコミのネガティブキャンペーンなどで自滅していった。それは彼らを追い落とすシステムができているからだ、と語った。
その陰謀システムのひとつが、かつてGHQ所属の隠匿物資捜査部だった検察を使った方法である。そして報道機関とがっちりスクラムを組み騒ぎたて、権力の座から引きづり落とす。つまり検察や官僚にとって重要なのは首相ではない。彼らにとってアメリカが、もっとも従うべき強い主人だからなのだ、と主張した。
例えば、鳩山前総理が普天間基地の県外移設を表明したとき、外務省や防衛省が、その実現のために全力で首相を支えるのが本来の役人の大義であるはずだ。でもそうしなかった。しかし、こういったことは珍しいことではなく、1945年9月2日の降伏文書調印から何度も繰り返されてきた。
孫崎氏は、外務官僚として体験を踏まえ、数々の実例をあげる。その中に岸信介氏の名もとりあげた。岸は従米派ではないと言い、むしろ岸の実力を評価する。その理由のひとつに、安保改定で地位協定の白紙撤回ができることを文書に入れたことを指摘。皆がそれを知らないか、実行しないだけだ、とも言う。
「ある議員から日本は従米路線から自立はできないのか?」との質問を受けると孫崎氏は、その好例に、重光葵がアメリカの占領方針を覆した例や、自らが外務省時代に交渉した情報衛星の件、そして、いま日本が交渉術として一番ふさわしい方法が、反戦を表明しジョンソンに暴行されたピアソン首相らがとったカナダのやり方だ、と提言。鳩山元首相や参加議員たちを励まし、終了した。
(…会員ページにつづく)
重要➔【孫崎享氏「民主党政権にはとても期待した。しかし期待は裏切られた。その理由は柱であった小沢・鳩山氏が辞めさせられたのが大きい。辞めさせるのは、いつも米国ではなく日本人自身】