2012年7月15日(日)14時から、京都府亀岡市の「ガレリアかめおか」において、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏を招き、「小出裕章さんのお話を聴く会~未来に生きるこどもたちへ」と題した講演会が開かれた。前夜からの集中豪雨で交通状況が悪化したことを考慮して講演開始時刻を若干遅らせたが、会場には360人が詰め掛け、満員となった。
(IWJテキストスタッフ・久保元)
2012年7月15日(日)14時から、京都府亀岡市の「ガレリアかめおか」において、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏を招き、「小出裕章さんのお話を聴く会~未来に生きるこどもたちへ」と題した講演会が開かれた。前夜からの集中豪雨で交通状況が悪化したことを考慮して講演開始時刻を若干遅らせたが、会場には360人が詰め掛け、満員となった。
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小出氏は、まず、自身がかつて原子力の将来性を夢見て研究者になったことに触れ、「原子力に抱いた夢は幻だった」と振り返った。原発が危険施設であることから人口密集地帯に設置できず、過疎地に危険を押し付けてきたことや、その過程で「安全神話」が構築されていったことを説明した。
次いで、福島第一原発事故が発生した後の政府の対応について厳しく批判した。この中で、「事故によって、人々が居住する場所が放射線管理区域以上に汚れてしまった」とした上で、民間人は年間1ミリシーベルト以上の被曝をしてはならないという法律や、放射線管理区域から1平方メートルあたり4万ベクレルを超える汚染物質を持ち出してはならないという法律が以前から存在していたにもかかわらず、これらの法律を反故(ほご)にしてしまった日本政府を「犯罪者だ」と指摘。「国民が法律を破れば国家は処罰する。ならば、国家が法律を守るのは当然だ。日本は法治国家なのか」と苦言を呈した。そして、「汚染物は東電の持ち物であり、福島第一原発や第二原発の敷地に返すようにすべきだ」と述べた。
さらに、福井県若狭地方の原発で福島のような過酷事故が起きたらどのような被害状況になるか解説したほか、内部被曝や低線量被曝の危険性についても言及し、「被曝のリスクは低線量に至るまで直線的に存在し続け、閾値(しきいち)はない」と述べ、放射能のリスクを説明した。特に、「子どもを被曝させないことが重要」と強調した。