安倍政権による沖縄差別に、東京でも怒りの声が上がった。
「辺野古新基地建設NO!」の民意を示した沖縄で、1月10日夜から11日未明にかけて、沖縄防衛局が、辺野古埋め立てに伴う資材を米軍キャンプ・シュワブに強行搬入した。現場では、深夜にも関わらず埋め立てに反対する市民らが集まり、身体を張って抗議。現場は騒然とした。
沖縄の民意を無視し、辺野古新基地建設を推進しようとする政府に憤った市民らは2015年1月13日(火)、急遽、東京都四ツ谷の防衛省前で「沖縄県民の総意『辺野古新基地建設NO!』を踏みにじるな!! 埋め立て工事を再開するな!! 防衛省抗議行動」を開催した。
「東京や全国各地が声を上げないと沖縄の現状は変わらない」
防衛省前の抗議行動で司会を務めた「一坪反戦地主会」(主催団体)の下地厚さんは、「闇に紛れて資材が搬入され、今が山場だと思った」と緊急抗議を開催した理由を説明。安倍政権について、「沖縄の民意に対し、まったく聞く耳を持たず、権力で何でもできると思っている」と強く非難した。
下地さんは、「安倍政権は翁長知事と面会しろ」「辺野古に基地は作らせないぞ」「沖縄と連帯して戦うぞ」とシュプレヒコールをし、約170名(主催者発表)の抗議参加者が声を合わせた。
沖縄県宜野湾市出身で、国際基督教大学3年生の元山仁士郎さんは、「メディアが報じない中、SNSで(強行搬入の様子を)見て無力感を覚えました。でも、今日は防衛省前で東京の人たちと一緒に抗議して、思いを共有できたことが嬉しい」とスピーチした。
そのうえで、「沖縄は選挙で、辺野古新基地建設に反対する議員たちを代表者に選び、国会へ送りました。にも関わらず、政府はなぜこの民意を無視するのか、理解できません。大人とは何か、社会とはなにか、疑問に思いました」と胸の内を語った。
スピーチを終えた元山さんは、IWJのインタビューに答えた。
「3.11がきっかけで地元のことにも目を向け、歴史を学ぶようになりました。沖縄は戦争では捨て石にされ、戦後は米軍の支配下に置かれました。ようやく日本に復帰し、日本国憲法のもとで基地もなくなるかと思ったら、そうはならなかった。今も負担軽減と言いながら、工事が強行されようとしている。今回の強行搬入も、『また沖縄かよ』と思いました」
東京と沖縄では、基地問題への関心に「温度差」を感じるという。
「東京や全国各地が声を上げないと、沖縄の現状は変わりません。友人に『沖縄出身だ』と話すと、綺麗な楽園だよね、という褒められ方をする。嬉しいんですけど、同時に『辺野古の海を埋め立てたらダメだ』というところまで考えてほしい。ただの『リゾート地』で思考停止するのは問題だと思います。
「辺野古は、沖縄だけの問題ではない」