1月11日(日)投開票日の佐賀県知事選挙に立候補している前武雄市長の樋渡啓祐氏が、選挙最後の個人演説会を9日(金)19時より、地元・武雄市の武雄市文化会館にて行い、衆議院議員に転身した古川康・前佐賀県知事や、脳科学者の茂木健一郎氏らが応援演説を行った。
また、同じく11日に投開票日を迎える武雄市長選に、新人として立候補している小松政氏も演説を行った。
今回の佐賀県知事選挙は、前佐賀県知事の古川康氏が、2014年12月の衆院選に出馬するため、辞職したことに伴うものである。しかし、樋渡氏も任期途中で武雄市長を辞職し、知事選に立候補したため、武雄市長選挙も同日に行われることとなった。
総務省出身の小松政氏は、武雄市秘書課長として樋渡市政を支えてきたことから、後継者指名を受けている。 佐賀県知事選では、樋渡氏の他に、飯盛良隆氏、山口祥義氏、島谷幸宏が立候補している。また、武雄市長選では、小松氏の他に、医療法人役員の谷口優(まさる)氏が立候補している。
決起大会冒頭、安倍晋三首相からのビデオメッセージが放映された後、選対本部長を務める自民党の山下雄平参議院議員、岩永浩美・元参議院議員などが応援演説を行った。
- 日時 2015年1月9日(金)19:00~
- 場所 武雄市文化会館(佐賀県武雄市)
古川康・前知事(現衆議院議員)も応援に駆け付ける
樋渡氏を知事後継者に指名した、古川康・前知事(現衆議院議員)も登壇し、「私は、樋渡啓祐さんの構想力・行動力・突破力は、間違いなく他の地域とは違う形で発展させることができると思っています」と話し、エールを送った。
樋渡候補「私には、私心がないんです」
夫人と共に、涙ながらに登壇した樋渡氏は、武雄市長時代の実績を話し、「(市長時代に)一番辛い思いをしたのは、市民病院の民間委譲。医師会からはリコールをくらい、市を二分し、様々な政策的批判を受けた。それなのに、なぜ偉業が達成できたかというと、それは、今日お越しの皆様が支えて後押しをしてくれたから」と話した。
続けて、樋渡氏は、「今回の選挙の争点は、武雄を含む佐賀が前進をするのか、それとも停滞をするのか、この1点だけなんです」と強調し、「武雄のみなさんはご存じの通り、私には私心がない。私にはこの町をどうするか、そればかりを考えているバカなんです」と熱く語った。
▲樋渡啓祐候補
開会から約40分後、演説会は第2部に移り、壮大なファンファーレと、Deep PurpleのBurnに合わせて、武雄市長選に立候補している小松政氏も登場した。
脳科学者の茂木健一郎氏も登壇
樋渡氏と小松氏を応援する為に、脳科学者の茂木健一郎氏が登壇し、「今のリーダーにとって必要な資質とは、志だと思うんですよ」と発言。「樋渡さんは、佐賀県を一番にしようと言っている。できるんじゃないですか!」とテンションを高くして有権者を沸かせた。
さらに茂木氏は、「僕は、今日飛行機に乗るときに、間違って週刊文春を買った。リーダーというのは、何かをやろうとすると必ず抵抗される」と話し、樋渡氏が過去にFacebook上で、「ひまじんうんこ」などと発言していた過去を暴露した週刊誌の記事を一蹴した。
▲茂木健一郎氏
小松候補「武雄に人生を捧げたメッセージだけは真実」
登壇した小松候補は、司会者から先に読まれた、東京大学時代のゼミ教授で現熊本県知事・蒲島郁夫氏からの電報の内容について言及。ジョークをまじえながら会場を沸かせた。
「先ほど、蒲島氏からの電報の内容には、いくつか偽りがありました。
まず、私は優秀な成績で大学を卒業したと書いてありましたが、実際は留年しています。
私は、700ページに及ぶ論文を書いたとありましたが、実際には20ページしか書いていません。
おまけに申しますと、総務省で優秀だったと書いてありましたが、実際には左遷をされております。どこかの知事候補の様です。
しかし、武雄に人生を捧げたメッセージだけは真実であります」
▲小松政候補
熱弁をふるった2人の候補者だったが、2人の口から、争点として語られなければならないはずの、「原発」や「オスプレイ」などの話は、一言も出ることはなかった。