「こんなに県民を愚弄した知事は、絶対に許せない。」──。沖縄県の仲井真知事が県庁を去る日、これまでの県政に対して怒りをぶつける市民たちが県庁に集結した。
12月9日午前9時、沖縄県那覇市の沖縄県庁にて、仲井真知事の離任式が行われた。県庁のエントランスホールには大勢の市民が集まり、仲井真県政に対する抗議集会を開いたが、大勢の県職員や警備員などによって、市民たちは1ヵ所へ追いやられ、仲井真知事の通路から隔離された。最後に、仲井真知事がエントランスホールを通る際には、激しい怒号が響きわたった。
2010年の沖縄県知事選で、「普天間基地の県外移設」を掲げて当選した仲井真知事は、2013年末に姿勢を一変させ、辺野古の埋立てを承認。2014年の知事選で、辺野古基地建設反対を訴える翁長雄志氏に大差で負けた。
それにもかかわらず、離任4日前の12月5日、辺野古の埋め立てに関して、沖縄防衛局から出されていた工事の変更申請3件のうち2件を承認した。これは「駆け込み承認」「食い逃げ承認」などと批判され、辺野古基地の建設中止を求める民意を最後まで踏みにじったとして、市民の憤りに火に油を注ぐ形で、仲井真知事は県庁を去ることになった。
- 日時 2014年12月9日(火)9:00~
- 場所 沖縄県庁(沖縄県那覇市)
仲井真知事を「絶対許さない」
県庁ロビーでは、仲井真知事の県政に抗議する市民たちが集まり、怒りをぶつけた。「仲井真知事を許さない」「申請承認を許さない」「基地建設を認めない」「辺野古を守れ」「弾圧を止めろ」「最後の最後まで糾弾する」など、市民らはシュプレヒコールを上げ続け、その様子をビデオで記録する県職員にも激しい怒号を浴びせた。
「離任式をやりたいなら辺野古の工事承認を撤回し、基地建設について説明責任を果たしてから離任すべきだ」という声のほか、「沖縄防衛局や安倍政権と一緒になった知事は許さない」など、市民らの仲井真知事を糾弾する叫びは止まらなかった。
安倍政権は弱者を叩き、沖縄を軍事要塞化する
米軍に土地を収奪されたという市民がマイクを握り、「(ジャパン・ハンドラーとして有名な米政治学者)ジョセフ・ナイも、辺野古移設に消極的になっている。われわれの勝利は近い」とスピーチした。
沖縄平和市民連絡会の城間勝氏は、「高倉健の(出演映画の)任侠道では、弱き者は助ける。安倍政権は弱き者を叩き、沖縄を軍事要塞化しようとしている。しかし、民意を無視した仲井真知事は、それより悪い。(県民に)屈辱を浴びせた仲井真知事に反省を促し、基地建設を止める」と決意を語った。
怒号と拍手が飛び交う中で去って行く仲井真知事
そこに仲井真知事が現れると周辺が騒然となり、怒号が飛び交った。県職員が立ち並び、市民を制止。隅に追いやられた市民グループのシュプレヒコールがエントランスホールに鳴り響いた。