【大義なき解散総選挙】本物の「野党」はどこか――京都1区の共産党・穀田候補の応援演説で志位委員長が安倍政権と野党をこき下ろし「維新は退場の審判を!」 2014.12.5

記事公開日:2014.12.7取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(取材:IWJ京都・萩崎茂、記事:IWJ・ぎぎまき)

特集 総選挙2014

※12月7日テキストUPしました!

 今回の解散総選挙。確実に議席を伸ばすだろうと言われているのが、日本共産党だ。野党の乱立で共倒れした2年前の教訓をいかし、今回の選挙では、民主や維新が候補者擁立で共闘。野党が競合しない選挙区は、前回の衆院選の64区から195区に増えた。

 しかし、民主党は自民、公明と並んで、消費税増税を決めた党の一つ。維新に至っては、アベノミクスに賛同し、協力体制を取りながらも、容赦なく民主党批判を展開している。有権者にしてみれば、どの党が自民に対抗し得る「野党」なのか、ぼやけてしまうのも当然だ。そんな中、明確な「非自民」を打ち出している共産党が勢いづいている。

 12月5日、同党の国対委員長、穀田恵二氏が立候補した京都1区に、志位和夫委員長が応援に駆けつけた。集団的自衛権の行使容認、沖縄の基地建設、消費税10%増税、アベノミクス、原発、いずれの政策にも力強く反対を訴えた二人は、共産党の躍進が国民の暮らしと安全を守ると、支持を訴えた。

 志位委員長は、「維新の党」を名指して酷評。野党と見せかけた自民の応援団と批判し、「退場の審判を!」と聴衆に呼びかける場面もあった。

■ハイライト

  • 日時 2014年12月5日(金)16:00~
  • 場所 京都タワー前(京都市下京区)

※以下、演説要旨を掲載します

自民党の暴走を止めるには「投票に行くこと」

穀田恵二候補(以下、穀田・敬称略)「安倍さんは、消費税の二桁増税を2年4ヶ月後には、どんな情勢でもすると言っている。共産党はそれは間違っていると、きっぱりと、中止を訴えている党。

 今日の不況は、増税不況ではありませんか。この増税を決めたのは誰か。京都1区の自民党の候補者が、自民、公明、民主で取りまとめて法律にしたと言っている。だとすると、今日の増税不況の主犯格が、自民党の候補者となるじゃありませんか。この人は『NO』だと、今回の選挙で決めつけようではありませんか。

 自民党の暴走を止めるには、やはり投票に行くこと。集団的自衛権の行使容認、沖縄の基地建設、消費税二桁増税、アベノミクス、原発、いずれの問題についても、国民の意思とは全く反対の方向でやっているのが、安倍さんです。この暴走を止めるには、共産党を伸ばすしかありません。維新の党はどうか。今述べた争点で、消費税増税には反対しない、集団的自衛権は認める、沖縄の辺野古基地は必要、何のことはない安倍政権の応援団ではありませんか」

労働派遣法を二度廃案に「共産党の躍進で、政治の流れは変わってきた」

穀田「日本共産党を伸ばせば、政治は大きく動き、変わります。昨年(2013年)の参議院選挙での、共産党の見事な躍進によって、政治の流れは変わりつつある。何よりも(企業の)内部留保を使うという話が国会政界の常識となり、経済界の当たり前の常識になった。

 労働者派遣法を多くの方々と、手を組み、スクラムを組んで、今年(2014年)の通常国会と臨時国会、2度にわたって廃案に追い込んだ。そして今、ブラック企業の告発を行う中で、私たちが法案を準備しただけで、厚労省はその是正に動かざるを得なかった。京都は学生の街でもあります。シフトに入ると、ワンオペやってくれ、有給休暇を取ろうもんなら辞めてくれ、こんなことで苦しんでいる方がたくさんいる。これを追及し、窓口を作らざるを得ない事態になっている。共産党が伸びれば、暮らしと平和を守ることができます」

増税は必ず失敗すると、安倍首相に警告した志位委員長

志位和夫委員長(以下、志位・敬称略)「選挙戦は中盤に入った。各地で訴えておりますが、どこでも、共産党への新しい期待の声が広がりつつあるのを感じている。この2年間の安倍政権の政治はどうか。

 安倍さんは、口を開けば、この道しかないと言っている。しかし、この道は危ない。安倍政権の2年間、あらゆる分野で国民の民意を踏みつけにした、暴走の2年間ではなかったか。主権者である国民の審判の時がやってきた。

 この選挙戦、日本の政治の『5つの転換』ということを訴えている。第一は、消費税10%への増税は中止。消費税に頼らない別の道で財源を作ること。日本記者クラブの党首討論会で、安倍さんに問いただした。景気悪化は消費税8%を強行した結果だと。1月も国会質問で、この経済情勢のもとで増税したら、深刻な不況の引き金を引くから止めなさいと求めた。

 安倍さんは、経済対策と合わせてやれば大丈夫だと言った。しかし、現実は警告した通りになった。反省の一言もありません。それならば、国民が審判を下そうではありませんか」

自民、公明、民主「増税三兄弟」が景気悪化の引き金を引いた

志位「三党合意で増税を進めた『増税三兄弟』に厳しい怒りの審判を。安倍首相は1年半先送りした後、10%増税は景気がどうであろうと、絶対にやると断言している。自民党に一票入れたら、10%への一票になる。増税を許していいのかどうか、これが選挙の大争点です。所得の少ない方に重くのしかかり、消費を直接冷やす最悪の景気破壊税ではないか。

 1997年の5%の増税は、大不況の引き金を引いた。8%も景気悪化の引き金を引いた。きっぱり増税を中止せよと突きつけようではありませんか。

 共産党は別の財源を提案した。一つは、富裕層と大企業に応分の負担を求める、税制改革で財源を作る。無駄使いの一掃と合わせて、新たな20兆円の財源が作れる。大企業が抱えている巨額の内部留保を活用して、大幅賃上げと安定した雇用を増やす。経済改革をして、国民の所得が増えていく。所得が増えれば税収が上がる。これをやると10年後に、さらに20兆円の財源が出てくる。合わせて40兆円」

賃金は上昇した? 実質賃金は16ヶ月連続でマイナス「安倍さん、嘘を言ってはいけない」

志位「第二は、格差拡大のアベノミクス・ストップ。安倍首相は大企業が儲かれば、その儲けが国民の生活に回ると言う。しかし、待てども待てども回ってはこない。確かに株が上がって、大資産家と大企業は儲けが転がり込んでいる。

 庶民のみなさんの暮らしはどうですか。事実が違うと私たちが言っても、賃金が上がっているという。最近出た統計では、働く人の実質賃金は16ヶ月連続、マイナスではないですか。嘘を言ってはいけない。安倍さんは雇用が増えた増えたというが、増えたのは非正規雇用。正規社員は2年間で22万人も減っている。安倍首相はこの道しかないというが、私は言いたい。この道に先はない。大企業から、国民の暮らし第一へ、政策転換が必要。

 日本共産党は、総選挙にあたって3つの提案をしている。一つは、人間らしく働ける雇用ルールを作る提案。2度も廃案になった労働者派遣法大改悪案。生涯派遣、正社員ゼロ、これに道を開く派遣法を、今後、絶対に持ち出すなと言いたい。非正規から正社員への流れを作る派遣法の抜本改正こそ、実現していこうではありませんか。残業代ゼロ、とんでもない。長時間、過密労働の規制で、過労死をなくしていこうではありませんか。

 中小企業支援と一体に、最低賃金を時給1000円以上に引き上げていきましょう。そして、若者を使いつぶす、ブラック企業、ブラックバイトの根絶。社会保障を切り捨てから充実へと展開。

 年金の削減が続いている。通知を見るたびに腹が立つと感じているのでは。低すぎる年金の底上げこそ、図ることを求めていく。医療費の窓口負担が高すぎる、国民健康保険料高すぎる、払えなくてお医者さんに行けず、亡くなる方が後を絶たない。自治体でも軽減措置に踏み出しているところが多い」

「老人ホーム、待機児童をゼロに」「TPPはただちに撤退」

志位「特別養護老人ホームの待機者、保育園の待機児童。待てませんね。これも国の責任でゼロにする政策を求めていく。3つ目に、農業を壊し、国民皆保険を壊し、食を壊し、日本を売り渡すTPP交渉からは、ただちに撤退することを求めます」

 昨日(12月4日)、東北と北海道を回ってきた。米価の暴落が大変。米が水より安い。米を作って米が食べられない。米価を市場任せにした、政府の責任は重い。政府の責任で米価暴落対策を緊急に取らせるとともに、農産物の価格保証、所得保証をしっかりやって、安心して農業が続けられる日本を作っていきたい。

 また、日本経済の根幹は中小企業。予算が少ない。1兆円に増やして中小企業振興に本格的に取り組む政治を。暮らし第一へ軸足を移し、日本経済を立て直しましょう。財界献金をびた一文受け取らない共産党にしか、これはできない」

集団的自衛権「米軍と肩を並べて戦争すること」安倍首相が認めた?!

志位「第三は平和の問題です。共産党は、海外で戦争する国作りは許さず、憲法9条の精神に立った外交戦略で、地域の平和と安定を築いていく。集団的自衛権行使の現実の危険がどこにあるのか。

 安倍さんと、国会論戦で議論してきた。その中ではっきりしたのは、2001年のアフガン戦争、2003年のイラク戦争のような戦争をアメリカが起こした時に、自衛隊が戦闘地域まで軍事活動を行うことになると、安倍さんは認めた。

 戦闘地域まで行ったらどうなるか。攻撃される。攻撃されたらどうするのか、と安倍さんを追及すると、その時は逃げますと言った。逃げてばっかりいたら、ますます攻撃される、それでは済まない。じゃあどうするのかと聞いたら、その時には武器を使用しますと、安倍さんは渋々認めた。それは戦闘になるということです。集団的自衛権の行使は、日本の国を守ることでもなく、国民の命を守ることでもありません。アフガン、イラク戦争のような戦争で、米軍と自衛隊が肩を並べて戦争する国作り、それが正体だということがはっきりした。

 今ならまだ間に合う。行使容認の閣議決定は強行されたが、具体化された法律は来年(2015年)の国会に持ち越された。この選挙で、暴走を止めましょう。日本を殺し、殺される日本に作り変える、憲法違反の閣議決定は撤回せよ。戦争に国民を動員する、秘密保護法はきっぱり廃止せよ、と審判を下そうではありませんか」

再稼働反対の世論運動を高評価「自信を持って」

(…会員ページにつづく)

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入より御覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 330円 (会員以外)

関連記事

「【大義なき解散総選挙】本物の「野党」はどこか――京都1区の共産党・穀田候補の応援演説で志位委員長が安倍政権と野党をこき下ろし「維新は退場の審判を!」」への1件のフィードバック

  1. 日本は大丈夫か より:

    不正選挙がないか?
    とにかく警戒しよう、監視しよう、証拠を集めて公表しよう
    もしもこれが本当だったらだけど

    不正選挙裁判★6分30秒から
    https://www.youtube.com/watch?v=sGy8Qm9GTg8&feature=youtu.be

    不正開票現場★2分30秒から
    http://www.youtube.com/watch?v=dNwy0q7rdIE

日本は大丈夫か にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です