PC遠隔操作事件の第19回公判が11月21日(金)に開かれ、検察側は片山祐輔被告に懲役10年を求刑した。その後、同日に司法記者クラブで佐藤博史弁護士らによる記者会見が行われ、公判の内容を明らかにした。
(IWJ・前園由美子)
特集 PC遠隔操作事件
PC遠隔操作事件の第19回公判が11月21日(金)に開かれ、検察側は片山祐輔被告に懲役10年を求刑した。その後、同日に司法記者クラブで佐藤博史弁護士らによる記者会見が行われ、公判の内容を明らかにした。
■ハイライト
求刑に関する検察側からの陳述は、42ページにおよんだという。片山被告が犯人であることに間違いがないという点の論述と、残りは情状に関するものであり、総括は以下のように締めくくられている。
「本件の一連の犯行が、我が国のサイバー犯罪史上稀にみる卑劣で悪質な犯行であり、それにより生じた結果が取り返しのつかない重大なものであること。犯行の経緯、動機に酌量の余地が皆無であること。犯行後の行動も極めて悪質であること。
犯行が社会に与えた影響も大きく、同時犯罪を誘発する模倣性が高いものであることからすれば、被告人の責任は極めて重く、その責任の重大さに見合った重刑に処すべきである。
また、被告人の改善、更生と再犯防止のためにも、相当長期間にわたる矯正教育を施し、自己の犯した罪の重大さを自覚させ、規範意識を慣用させることが必要不可欠である」
この日の会見で佐藤弁護士は、公判をこう振り返った。
「私たちがこの事件を弁護して、かつみなさんに考えてもらいたいことは、私たちの持っている社会のしくみというものが、片山祐輔というような人を生み出していることについて、適切に対処してこなかったからこそ、こんな風になっている。
その答えが、こういうものだけでいいのか」――。
11月27日には、片山被告の意見陳述が予定されており、この弁護側による最終弁論で結審し、年明けに判決が言い渡される見込みだ。