沖縄本島北部にある高江は、約160人の住民が暮らす小さな集落である。
その集落を包囲するように、米軍のヘリコプター着陸場(ヘリパッド)を6つ作る工事が始まっている。音楽を通して、このヘリパッド建設に反対を訴える高江音楽祭・東京篇の3回目が10月24日(金)、国立地球屋で行なわれた。
この日の音楽祭は、建設阻止の座り込み行動立ち上げメンバーで、高江音楽祭を主催する1人であるミュージシャン石原岳氏のLIVEで始まった。暗闇からギターと連動するように電球が光る。ギターに様々なエフェクトがかかり、あらゆる音像に変化していくパフォーマンスは、抽象的でありながらも強い意思を感じるものだ。
続いて、声の即興音楽家・おちょこ氏と、ドラマーである外山明氏、石原氏の3人でのセッションに移り、混沌と静寂を加速させていった。彼らの演奏は、自由奔放な音で空間を伸ばしたり、切り裂いたり、包み込んだりと正に音を楽しむ「音楽」だ。
石原氏からは、現在の沖縄の状況が語られた。11月16日に沖縄県知事選が控えており、明確に辺野古と高江の建設反対を打ち出している翁長雄志前那覇市長を支持していると石原氏は伝えた。
「(ヘリパッドを)作らせないという方向にねじ込めればいいかなという風に思っている。これは国の問題。国税が使われている。北海道から沖縄まで、誰もが口を挟んでいい話なので、注目してください」
加えて、在日米軍に対する思いやり予算について、石原氏は、1日5億円が払われていると言及。知事選直後から、現在進んでいない高江の工事がスタートする可能性が高いと警鐘を鳴らした。
この後、沖縄で石原氏と出会ったラキタ氏の弾き語りに続き、2人組のユニット・テニスコーツが登場した。途中から石原氏のギターが入ったり、外山氏がバラフォンやドラムで加わり、柔らかい空間を創り出して聴衆の表情を和ませた。