2014年9月25日18時30分から、東京電力で「中長期ロードマップの進捗状況について」の記者会見が開かれた。小渕優子経産大臣の視察に関して、「我々にとって有り難い視察だった」「福島第二の再稼働の是非は国が決めること」との見解を示した。
2014年9月25日18時30分から、東京電力で「中長期ロードマップの進捗状況について」の記者会見が開かれた。小渕優子経産大臣の視察に関して、「我々にとって有り難い視察だった」「福島第二の再稼働の是非は国が決めること」との見解を示した。
記事目次
■全編動画
中長期ロードマップの進捗状況について、増田尚宏(ますだ なおひろ)CDO(福島第一廃炉推進カンパニー・プレジデント)ほかの記者会見が開かれた。
冒頭で増田尚宏CDOは、今月の状況を次のように説明した。クレーンの年次点検のため、一時中断していた4号機SFP(使用済燃料プール)からの燃料取出しは10月4日から再開し、年内(2014年12月)完了を目標に作業を進めている。
汚染水処理に関して、A系統のホット試験を行っている”増設ALPS”は、B系統の使用前検査が終了し、9月27日からホット試験に入る。残りのC系統は10月中旬に試験に入ることを目標に建設中。
加えて、地下水バイパスにより、建屋への地下水流入量が日量50トン以上減少していると評価したこと、2号機海水配管トレンチの凍結止水の状況、凍土式遮水壁の工事は年度末(2015年3月)の凍結を目指して工事を進めていることが報告された。
3号機SFP(使用済燃料プール)のがれき撤去作業中の8月27日に、がれきの一部である約570kgの操作卓部分がプール水中に落下した事故について、現在、原因と対策を詰めているところで、まだ作業の再開はされておらず、止ったままである。
プール水の核種分析を行い、燃料に損傷はないと東電は評価している。加えて、操作卓が落下して燃料に与えるエネルギーを数値評価した。その結果、燃料棒は、燃料棒の健全性を保つ制限値(427J)の約6分の1のエネルギー(68J)しか受けず、破損はしないと評価した。
9月7日に小渕優子経済産業大臣が福島第一原子力発電所を視察したことについて増田尚宏CDOは、小渕経産大臣ならではの見方でみてもらえた、関心の高い質問があり、「我々にとって有り難い視察だった」と感想を述べた。
小渕経産大臣が福島第二原発の再稼働は非常に難しいと発言したことに対するコメントを求められ、元福島第二原発所長の増田尚宏CDOは、「2F再稼働は、皆さんと違う思い入れを持っているかも知れないが、冷温停止を維持するのが大事」と答えた。
再稼働について、小渕経産大臣は事業者が決断するものという見方を示しているが、増田CDOは「国が決めることだ。我々事業者としては、淡々と冷温維持するのが大事だ」との考えを示した。
難航している2号機海水配管トレンチの凍結止水は、トレンチの水抜きが目的である。凍土遮水壁は、このトレンチ部分を横断するため、トレンチの水抜きを終えなければ凍土遮水壁の工事が進められない。
今後の進捗について増田CDOは、来年1月には凍土式遮水壁の凍結管用パイプを打つ必要があり、その時にはトレンチの水抜きを終える必要があるとのスケジュール感を示した。
トレンチの水抜きの工法については、水を抜きながらグラウトを入れていくのが困難なため、汚染水をそのままにグラウトを入れていくことも考えているという。しかし具体的には、原子力規制委員会の検討会で議論、承認されるため、ここでの明確な説明はなかった。
今後の女性活用について記者が質問すると、増田CDOは、「1Fは緊急時体制でまだ女性は少ない」とみていると返答。
新事務棟が9月末に完成し、その後、新事務本館の建設が計画されている。新事務棟完成後は、「だんだんと普通の職場に戻っていき、女性にも適材適所頑張ってもらいたい、10月以降はそういう形にしたい」と期待を込めた。
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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示
2014年9月25日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第10回事務局会議)
2014年9月25日
2014年9月24日
2014年9月23日
2014年09月25日
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2014年9月23日