1月15日、亀井大臣のオープン記者会見。 いつもは陽気な亀井大臣が、今日は重苦しい雰囲気を漂わせながら、大臣室に姿をあらわした。
1月15日、亀井大臣のオープン記者会見。 いつもは陽気な亀井大臣が、今日は重苦しい雰囲気を漂わせながら、大臣室に姿をあらわした。
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ひとつは、開会が目前に迫った国会で、内閣提出法律案(閣法)として提出されると言われている外国人地方参政権問題。
民主党も内部で賛否が分かれていると言われているが、鍵を握る実力者・小沢幹事長が、議員立法ではなく閣法で、しかも党議拘束をかけることまで匂わせて、提出しようとしている。
これに公然と「反対」の声を上げているのが、三党連立の一角をなす国民新党の亀井代表である。
ここにきて、以前よりも強いトーンで亀井代表は「反対」の姿勢を鮮明にし、「三党連立なのだから、我が党が反対すれば、そもそも基本政策閣僚委員会で通らない。そうなれば、閣法として法案提出はできない」と言いきっている。
これまでも、亀井代表は、日本郵政のトップ人事でも、補正予算の編成でも、持論を強く主張し、数に勝る民主党側にのませてきた。しかし、それもこれも、背後に小沢幹事長の影があってのことである。
亀井-小沢ラインは、 一同「おはようございます」 亀井静香金融担当大臣(以下、敬称略)「ま、今日の閣議は、別に皆さんに報告するような、それはありません。ただ、18日からね、国会開かれますので、皆さんしっかり気を引き締めて頑張っていきましょうという話なんですけどれども。
ま、ちょっと上の……あれか上じゃない下のか、(記者クラブ向けの)会見でまあ言ったことなんかちょっと触れると、一つは、外国人の参政権の問題だね。いろいろあれされていますが。これは別に三党連立の合意事項じゃありませんのでね、これは。だからこれは、それぞれ、各党が党内においてね、この問題を議論をしていくというところからやっていかにゃいかんことだろうと思います。
それと、私自身の考え方ということを言うとね、それは韓半島に対して日本がね、これを支配をしたというね、歴史の中で、韓半島の人達に対して、大変屈辱的な思いをかけた。そういう方々が日本にね、移り住まれて色々な思いをしてこられたということは事実なんでね、そういう事に対して私はお詫びをせにゃいかんと思います。
しかしその事と、憲法上のね、国民の固有権に規定されていることについて、それを簡単に参政権を付与するというような形で対応を、私はすべきではないと。まあ、参政権の行使をしたいというとこまでお気持ちを持っておられるんであれば、私はやはり帰化をしていただくということ、それのいろんな障害がもし難しいことがあるならね、それを帰化しやすいようにしていくということも一つのあれじゃないかと、このように思います。
私はまあ、この問題を考えるたびに思い出すのは、新井将敬で。今度十三回忌やりますけれども。彼がねえ自決をする前の晩に私にね、最後の、まあそれが最後だった、泣きじゃくりながら私に電話をしてきたのを、私は忘れることができない。『亀井さん』って言ってね、『私は日本人になってね、日本のために政治家として頑張りたいということで、今までも頑張ってきたし、今からも一生懸命頑張ろうと思っておるのに、私はね、政治家だから友人が株についてね、有利なことをやってくれたかどうか知らんけれども、そういうことで政治家だからということでいい目を見たかもしらんということになればね、それは申し訳ないかもしらんけれども、法律に反するようなことを私はやっていません』と。
『ところがわずか3時間くらいの事情聴取で話を打ち切って、もう今にも許諾請求というのが新聞等で踊っているような、明日にもそれがされるようなね、状況で、一方日興證券の自分の友人は、何日もね、何十日も事情聴取ををずうっとされてきたと、いうね、どういうことなんでしょうかと。私のそうした思い、そういうものを全然理解もしてくれようとはしないし』と言ってね、泣きじゃくっていました。
それが最後でした。私はだから葬儀の時にね、彼の思いを弔辞で私は祈りながら歌を捧げてやったんだけれども『敷島の 大和心を 人問わば 朝日に匂う 山桜花』ってありますね。彼は正に日本人になって、日本人としての生き様を求めたんでね。皆さん方ご承知のように、日本の侍は主君から辱めを受けた場合、その主君に抵抗するというんじゃなくて、自ら命を絶つということでね、主君に抗議したんだね。日本の侍の処し方というのは。
彼もそうした辱めを受けて、それに対して、司法に対して抵抗していくというね、道を選ばないで、日本の侍の作法に則って自ら命を絶つというね、道を選んだということをね、私は弔辞の中でそれを話をしたわけですけどね。彼のそういうあの時のね、私に対する悲痛な訴えが、もういつも私の中をね、よぎってくるんですが。この参政権の問題にしてもね、私はこの日本の、そうした韓半島の人達に対して与えた苦痛、いろんなものに対してね、そういう形で対応すべきではないだろうと、このように思っております。
ま、そんなことかな。あと何か皆さん質問があったら」
佐藤「銀行研修社の佐藤です」
亀井「どこ?」
佐藤「銀行研修社の佐藤です」
亀井「ああ、銀行、銀行」
佐藤「ちょっと話が違うんですけども。12月に金融円滑化法が施行されて、それを元に中小企庁で条件変更対応保障制度というのが出されたんですが、こちらの対象が公的金融を利用していない中小企業者の方々が対象ということで、本当に必要としている中小企業が、公的金融を既に利用されているので、実はなかなか届かないんじゃないか、使いづらいんじゃないかという声が出ていますし、一部報道でも、中小企業の金融円滑化に関する申し出が横ばいだと出ているんですが、その辺についてどう思いますか」
亀井「そりゃあねえ。黙って座ればピタリと当たるようなね、そんな対応というのはね、やりたくてもできないんだよ(笑)ね。これはね、ただ公的な金融機関から受けている場合はね、そうじゃないのも含めて、できるだけ広く金繰りに困っている人たちが、それが上手くいくようにということをね、経済産業省ともね本当に緊密なあれを取りながらね、共同提案と言ってもいいぐらいね、努力をした結果。田村(政務官)君なんかも一生懸命努力をしてくれてね、やったわけなんで、その結果、100%うまく……そりゃねえ、『銀行に相談に来ると、新規の融資をしてくれなくなるんじゃないか』ということに躊躇してね、相談に来ない、行かないという方たちが、本当は猶予してもらいたいのにね。シュリンク(shrink:萎縮する)しとる人達も多いんじゃないかという声も私のところに聞こえます。
だからそういうねえ、メンタルなことまで含めてね、どう効果のある形でこの法律を実施していくか、だからそういう面でも、『金融庁の検査官を含めて、みんなが今金融機関に対してね、金融機関の方でね、コンサルタント的な役割をどんどん借りている人に対してね、やってくれ』ということを今やっていますので、大分上手くいっているんじゃないかと思いますよ。
あの、一時の空気とはやっぱり変わって、また『金融庁が怖くて』という空気だったんだよ、一時は。検査官が怖くて。あたしなんかもそうだよ。頭取や理事長に言うとね、『いや、いいんですが、亀井先生、検査官が怖い怖い』ってね(笑)そういう状況は残念ながらね、金融庁の恥を言うみたい、いや金融庁の職員が悪いんじゃない、あれは、あのね、小泉・竹中が悪いんで、金融庁の職員が悪いんじゃないだけれども」 (笑い声)
亀井「そういう空気から、今、ガラッと変わりましたね。だから、『ちゃんとした融資をやって、その結果、金融機関自体が金繰りに困るようだったら資本注入までしますよ』ということを言っているわけだしね。 だから、そういう意味では金融機関としても、逆に、一時はね、『亀井さんのような乱暴なやつがあれ(就任)したからね、何やるんだろうか』と言ってね、構えていたけど、実際はね、非常にこのあるべき金融機関の姿を、我々としては取り戻していける状況を、この法律を機会にね、作ってもらったという声もでかいですよ。自画自賛するわけじゃないけどね。 だからこれはね、それと一つのサラリーマンの方がね、住宅ローンのね、ボーナスもあれだって給料も……いう中で、相当活用しようという形でやってる方も多いからね。あたしは金融庁の職員が夜も徹夜してね、やってくれて、金融マニュアルの改訂を含めてやってくれた、その結果ね、自画自賛するわけじゃないけれども、少しは資金繰りが良くなっていると。
問題は仕事出すことなんだね。前から言っているようにね。いくら金繰りを良くしたって、先々仕事が出なかったら、これはねえしょうがない話でしょう? また出した仕事が今度は儲かる仕事でもあらにゃいかんから、公正取引委員会の連中、呼んだんだよ。『とにかく公正取引法違反で儲かりもしないような値段でどんどん仕事出すみたいなことを、おまえ達は止めさせろ』と言ったんですよ。
一気通貫(マージャンで、同じ種類の数牌(シューパイ)を一から九までそろえて上がったもの)だよね。そういう返済猶予措置もする、新規融資もする、また仕事も出る、その出る仕事が儲かる形で出ていくという形、一気通貫でやって初めて零細企業というのは助かるんですよね。だからそれがまだ全部、うまく全体がいっているかというと、必ずしもね。まあ、今度補正予算もね、執行されていく中で、地方の零細企業向けの仕事がどの程度出てくるかということもね、あると思うんだけど、これは相当力入れてね、やったつもりですから」
佐藤「2月にそのまあ、チェックが入る――」
亀井「ん? 」
田村政務官(以下、敬称略)「時間あまりありませんので」
亀井「俺は女性に優しいから(笑)」 (笑い声)
佐藤「いえいえ。すいません。ごめんなさい。 公的金融を利用していない中小企業というのは、実際殆どいないわけで、2月の返済猶予のチェックも合わせて、本当に中小企業にお金が回るかというところで、更なる制度が出てくるのかというところを、すいません、お時間もらって申し訳ないですが、最後に――」
亀井「だからそれ、俺がさっきしゃべった……話をしたでしょ。『黙って座ればピタリと当たる』ような事にはならないんだけれども、全力を挙げてこの法律の主旨を貸し手も借り手も理解をして、やってもらう努力を金融庁しても、職員が今必死になって頑張ってやってますから」
佐藤「ありがとうございました」
亀井「そういうこと」
田村「はい、どうぞ」
田口「日本証券新聞社の田口と申します。昨日東証を訪問されましたが、その理由や背景、また感想や、今後東証に金融庁職員を送りこむという話も出たそうですが、展望につきましてお話いただけたらと思います」
亀井「ま、とにかく、直接金融のね東証はメッカですからね。行ってちょっと俺びっくりしたのがさあ、株価がさあ、なんか7円ぐらいまで下がったのが10億円の買いが入ってね、10円まで上がっているというようなね、そんな状況を目の前で俺見てね、『やっぱ株ってのは怖いなあ』と思ったなあ、ある面では、ねえ。
だから直接金融という経済に対して大変大事な責任を持っている分野だけれども、いわばそれが『実態経済』と離れて、やはりその、取り引きの中だけで利益を得ていこうという行為がね、これがダーッと肥大化していったら、アメリカなんかそれがバーンとはねちゃったわけだけどね、そういうやっぱり危険性も孕んでる世界なんだ。だから、それを金融庁がどういう形で上手く制御しながらいくかという、それには東証がね、現場のあれとして、きちっとやってもらわなきゃいかん。
ただまあ、金融庁の職員もね、全然実務も知らんわからんでね、そういう監督指導なんてできんわけだから、思い切って職員をね、入れて、実務をちゃんと身につけた上で金融庁の現場の実態をわかった上での、行政をやってもらうということで、長官とも話してね、早速そういう形で人選も含めてね、送りこむということをやらそうと思っています」
田口「ありがとうございます」
岩上「フリーの岩上です。よろしくお願いします。元警察官僚としての亀井先生に是非、ご見解をおうかがいしたいですけれども、この数日、小沢さん、その周辺に対するですね、東京地検特捜部の強制捜査が行われおりますけれども、被疑事実を明確にせず、被疑者もはっきりしないまま、石川議員の政治資金収支報告書の不実記載という非常に軽微な形式犯の被疑事実だけをもって、ほぼ別件と思われるような捜査の仕方をですね、ガサ2回入れております。かなり強硬なやり方であって、それに対して一般のマスメディアも、一律に検察リークの報道をほぼ垂れ流しているような状態で、一色に染まっているという。こういう状態は、検察とマスコミ一体化による一種の人権侵害であり、冤罪の可能性の問題や何かを全く考えない、かなり強引なやり方ではないかと思われます。 小沢さんという方を支持するということとは全く関係なく、一個人に対する人権侵害ではないかと思うんですけれども、この点先生はどういう風にご覧になってらっしゃるか、教えていただきたい」
亀井「私はね、かつての捜査二課長としてもね、いわゆる知能犯とか贈収賄関係とか反吐が出るほどやりすぎちゃったんだけどね。やはり適正捜査というのは常にやらなきやいかん。デュー・プロセス(due process of law:法に基づく適正手続)ね。手続きの正当化」 岩上「はい」 亀井「私は、警察であれ検察であれ、それは常に考えながらやっていかなきゃいかんと思いますよ。だから検察も検事総長がね、そういう一つの、このチェックする機関もあるわけですから、そういう事の中で、私は、そういう判断をしながらね、進んでくれるだろうと、進んでもらわなきゃいかんと思いますね。
ただ、今この具体的なことについてね、『どうだ、こうだ』というようなことを私の口からね、これは言うべきでもないし、今の時点で『けしからん』と、私が言うべきことでもないしね。それ以上のことは言えないと。やはり適正な捜査をせにゃいけません」
田村「はい」
亀井「さっき新井将敬の話したでしょ?」
岩上「はい、はい」
亀井「任意捜査の過程の相手の日興證券の常務がね、供述がどんどん変わってきたの。私は大学ノートで調べられた中身を毎日、新井将敬に対する話しているのを見せてもらった。ぐるぐる変わって来てね。最終的に新井将敬が犯罪者になっちゃった。最初と全然違う。大学ノートに書いてあるんですよ。その捜査の中で新井将敬が泣きじゃくって訴えたんだけれどもね、検察というものはね、ある面では喧嘩だよね」
岩上「ありがとうございます。」
田村「最後です。はい」
佐々木「フリーの佐々木実といいます。今のお話に関わるんですけど、新井将敬さんの自殺は衝撃的な事件だったんですけど、前日に電話されて、新井さんはその検察の捜査が――」
亀井「いや、おれが電話したんじゃない。向こうから電話してきたんだ」
佐々木「ええ、で、検察の捜査が公正ではないということを、亀井先生に訴えていたということですか?」
亀井「いやいや、だから俺にね、『自分の友達は何日間も何日間も連日事情聴取を受けてね、自分についてはわずか3時間ぐらいでね、逮捕だというね、それはひどいじゃないの』という言い方をしてたなあ、俺に対して。『もっと聞いてもらいたい、真実をもっと聞いてもらいたい』と。いうことをさかんに……泣きじゃくっていたなあ、電話の向こうでねえ。それが最後だった。
あれはねえ、衝撃的な事件だ。あれはね、この女房は気丈な女房だね。彼が自決するのがわかっていて一夜をともにしてるんだよね。そうだよ。俺はしらなかったんだけど。夜中からさあ、許諾請求のあれがあるからね、翌日さ。連絡がとりたいっていうんだけど、女房に電話したらさ、『私も探しているんです』ってゆうてねえ、大嘘言っているんだ、女房は翌日の朝。実際はホテルで将敬と最後の夜をともにしてんですよ。それで昼に自決するということを示し合わせた上で自分の自宅に帰ったんです。で、俺に電話でさ、『知りません』って白切ってるんだね。気丈な女ですよ。
それで、昼、示し合わせた通り、将敬が死んだ頃の時間に再び**。それでおれに電話いれたんだ。『亀井先生、死にました』っちゅうてね。私らも現場にふっとんでいっちゃって。
週刊新潮……週刊誌はおかしな事書くからな。大嘘ばかり書きまくっちゃったけどね。それで行って、そしたらベッドに横たわってきれいに将敬を奥さんがちゃんとした上で、なんか俺に電話したわけね。そういう状況だったけどね。 まあ、そういう意味では、奥さんも言ったけど『法廷で無罪を証明することはほとんど不可能ですと。日本の場合は難しいと。それをやったって、やってもね、息子たちがね、それを信じてくれるだろうけども、こうした主人が自決することによって、少なくとも、少なくとも息子たちはお父さんを信じてくれるだろうと。少なくとも息子たちはお父さんの潔白を信じてくれた』こういって奥さんは俺に言ってたな」
田村「時間です」
亀井「あっ時間。はい」
田村「申し訳ございません」
亀井「今から、ちょっと用事があるからな」 一同「ありがとうございました」