亀井金融大臣会見 2010.4.6

記事公開日:2010.4.6取材地: テキスト動画
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■全編動画

秘書官「大臣入ります」

一同「おようございます」

記者「亀井大臣、到着しました」

亀井静香金融担当大臣(以下、敬称略)「どこに報告してるんだ」

記者「会社に送ってるんです」

亀井「会社ー(笑)」

記者「中継で」

記者「全国の視聴者です」

亀井「へー(笑)。今日の閣議も別にご報告する事はありません。そうだな、皆さんの方から何かあったら、聞いてください」

世界日報社野村「世界日報社でございますけれども、平沼新党とか、みんなの党が出てきておりますけれども、そういう党についての大臣のご見解をお伺い出来ればと思いますけれども、本当に改革を目指すんだったら、国民新党に入ってしかるべきだと思うんですけれども」

亀井「うーん、いや、ありがたいね、あのー、あれしていただいたんだけれども、今度のねー、与謝野さんや平沼さんのねー、わかんない、はっきり言ってね。政党を作る場合には、やはり、こういう理念ね、あるいはこういう政策、全部が一致することは無いにしてもね、それが共通ある程度している人が、それを実現するために徒党を組むということでしょ。長い付き合いだから私、二人とも、ある意味『水と油』だよね。そういう面では(笑)」

一同「(笑)」

亀井「それが何のためにねえ、じゃあ手を組むのか、ま、薩長連合ねえ、蛤御門で殺し合いをした長州、薩摩が手を結んだんだけれどね。だけどー、これはやっぱしね、倒幕とか、ま、勤皇というかね、そういう一つの共通のあれがあったし、えー、まあ、勤皇についての当面のね、あの時は食い違いがあったけども、しかし倒幕ということについて手を合わせればやれるという力学があった。今度、ちょっとわからないのはね、じゃあ民主党政権を倒す力学を生むことが出来るということでおやりになったというんだけれども、そういう力学が生まれるのかというのが、どうも鮮明じゃない。
自民党が打撃を受けるだけですね。自民党を助けるというんだけれども、比例にも候補者を立てる、地方区にも候補者を立てるっておっしゃるんでしょ。これはもう確実に自民党のね、足を引っ張る。足を引っ張りながら、一緒に民主党を倒そうというのもよく、民主党政権を倒そうというのも、そういう意味での力学という原理、政治理念とか政策と関係なくね、手を結べば上手くいくんだという力学の面でもわかんない。だから、さっぱりわかない。のが私の感じです。はい」

大塚副大臣「えーと、今日55分までですので、手短に宜しくお願いしますね。」

浪川「東洋経済の浪川です。すいません、一人一問なんで、質問の単純な補足になっちゃうって話なんですが、郵貯の限度額の引き上げに合わせてですね、お考えとしては、その中小金融機関のペイオフのラインを2000(万円)でやっても良いと、で、その場合には、保険料率を下げるのもやぶさかじゃないというお考えなんですけれども、要するに、信用力が低いところの料率が低くなるというのは、保険制度が崩壊することなんですけれども、つまり預金保険制度の合理性が失われるっていうことになると思うんですけれども、そういう観点をお持ちではないかということと、もう一つ、その場合には郵貯の保険料率というのは、どういう風になるとお考えなんですか」

亀井「うん、だから、これはねー、あのー、まあ、今、足利銀行以降、ねえ、そういうあれが無いですから。保険機構に頼るというねえ、そういうことが、今のところ無い状況で進んでいますから、今の状況で、えーその、ペイオフの限度額を上げないと信用に不安があるということを預金者の立場からね、あまり無い状況だろうと思うんですよ、アメリカと違ってね。アメリカは2年ばっかり、こうねえ、限度額上げたでしょ、倍に上げちゃったんだから。無いけれども、しかし、信用金庫や信用組合がメガバンクと同じように信用力が無いといかんというお気持ちがあればね、私はその限、あれ(ペイオフの限度額)を、上げてもねいいんじゃないかと思っておるんだけれども、あんまり必要ないとおっしゃるからね。必要がないとおっしゃるものをね、現に金を貸している立場においてね、預金者との関係で、何も信用力についてね、別に不安がないと、いうことであればね、あえて上げる必要もないだろうし。ま、今後、そういう声はね、私はよく聞きたいと、このように思ってます。それと、もちろん、郵貯についても同じことですね、同じことであって」

浪川「同じことというのは」

亀井「いや、そりゃ、保険機構に入っている訳ですからね、これ。それは全く同じ立場で。免除するとか、そこだけ上げるとか、利率上げるとかいう訳にはいかないからね」

大塚副大臣「はい、どうぞ」

小川「フリーランスの小川裕夫と申します。宜しくお願いします。あのー、先日なんですけれども、インターネット事業者の大手、多くが、あのー、ネット選挙解禁に向けた提案書というのを7万人の署名を集めて出したんですけれども、で、まあ特に亀井なんかは、特にインターネットに対してすごい理解が深いんですけれども」

亀井「聞かねえな、知らないんだよ俺(笑)」

小川「あの、まあ、そういった、あのまんまり、いや、あんまり自分ではやらないんだけど、インターネットの時代だよねっていう、そういう若い人達に対して理解はあるんですけれども、そういうことに関して、インターネット選挙についてのご所見なんかをいただければと思ってるんですけれども」

亀井「だから、これをねえ、ちゃんと、どう、インターネットの世界に僕は詳しくないからね。ノウハウまで私がね、こうしたら上手くいくというあれはありませんけども。やはり、若者だけじゃなくてね、多くの方が投票をしやすくなる、そういう機会が増えるということはいい事ですからね。今ネット時代だからね。だから、あー、それをやはり選挙という面においても、これは投票という面についてもね、それが活用出来るんなら。ただまあ、その場合に、その、何だ、ようわからんけれども、ま、本人確認だとかね、正確性だとか、公正性だとか、そういう色んな面でのちゃんと担保が出来るのかどうかね。むしろ、大塚君や田村君、二人の方がその世界詳しいと思うんだわ、俺にはようわからんけど。私はそういうのは検討すればいいと思いますよ、前向きで」

大塚「はい、じゃ、奥の方どうぞ」

不動産経済研究所中澤「不動産経済研究所の中澤と申します。郵貯のことでおうかがいしたいんですけれども、郵貯は公社時代は運用計画について公開をしていて、こういう風に運用しますということを言っていた訳ですけれども、今は運用計画を公開をしないで、ま、あのー、ベールに包んだ形で隠してやっている訳なんですが、今後はまた、もしかして運用計画を明らかにしたりする、そういうことは考えたりとかあるんでしょうか」

亀井「まあ、あれでしょ、公社の場合はいわば公的なね、あれですから。ですが、今度はいわば、ま、三分の一を持っているにしても民間会社ですから、どこまでディスクローザ―させるかということは、この、全部そういう運用計画から何からね、オープンにしちゃえという事は、やっぱり私は無理があると思いますね」

大塚「はい、じゃ、お隣の方どうぞ」

保険銀行日報片岡「すいません、先週金曜日、共済関係8団体と懇談したかなと思うんですが、その、あ、すいません、保険銀行日報片岡です。そのー、あのー、趣旨、狙いですね、とそれから、話合った結果、どのような感じが出たか、お話お願いいたします」

亀井「やっぱし、あのねえ、保険業法の改正ね、あれで、結局、ちっちゃなね、いわゆるお互いに助け合いというような形の中でやっておられた、ちっちゃな共済組合が存続出来なくなるというね、現実のいろいろな問題が出てきたので。やはり、この、お互い助け合っていくということ自体はね、私は、それぞれの組織がありますね、えーまあ、組織の中、組織単位で、そういうことをやっていることはね、私は、また共助という面ではね、私は、やはり良いことだと思うんですよ。それが出来なくなるということは、やはり良いことじゃあないんで、そういうことがやっぱり可能な…。しかし、かつてねオレンジ共済とかそういうようなことの中で、加入者が、ま、食い物にされたというようなね、そういう事態も起きたわけですから、そういうことが起きたら困るわけだから。そこらを含めて、やはり加入者がきちんと保護される、守られるという、また、その利便、利便性、そういうものを考えながら、やはりちっちゃい共済でもちゃんとね、継続してやっていけるような方向で検討したらどうかということで、今、大塚副大臣と田村政務次官に検討をしてもらっている最中ですから、こりゃまあ、4月中には法律(案)が、それ出来ると思います」

大塚「じゃ、はい、どうぞ」

永冨「通信文化新報の永冨と申します。ちょっと、金融のことについてお伺いしたいんですが」

亀井「ん、何?」

永冨「金融の事について……」

亀井「あ、はいはい」

永冨「あの、よく大臣はですね、銀行、特にメガバンクのですね、社会的役割ということを強調されますが、中小企業庁の資料なんかで見ますと、ここ数年ですね、中小企業への貸出残高が約60兆円ぐらい減ってます。その一方で、150兆円は海外に流れているという指摘がありまして、えー、そういう意味でですね、あの、国内では貸し渋り・貸し剥がしをしていて、国外では投機マネーとして過剰資本主義をこう煽ったという、そういう非常に重い責任があると思うんですけど、一方で、あのー、ゆうちょはですね、すぐ民業圧迫なんかで非難されますけど、こういう、あのー、銀行のですね、よく大臣がおっしゃる、産業育成の社会的使命を果たせている観点から見て、現在の金融システムとか銀行のあり方をどのようにお感じになっているか、改めてご所見をちょっとおうかがいします」

亀井「ご指摘のようにねえ、今が、本来のですねえ、金融機関のねえ、役割を果たさなくなってきているんですね。国全体においても、それは、地域においてもね。おっしゃるように、まあ、日本が低金利だということもあってね。乱暴な言い方をするとさあ、日銀からね、低金利でジャブジャブ借りてさ、外国の高い金利に回して稼いでいる、と言われても仕方がないような、そんな状況が起きているわけですよね。

だから、私はねえ、あのー、この間も日銀総裁にも言ったんだけどもね、デフレギャップを解消していくのに、日銀の金融政策だけではね、私は本当限度があると、ね。もう、今もねえ、金が日銀の側から溢れているわけですよ。その金が、いわゆる産業のために使われてない、ね。使われないから、結局ね、いわゆる需給ギャップがね、解消していかないんですよね。産業が活発化していかない。ニュービジネス等に対してもね、きつい貸付条件で、やーれ担保だ、やーれ何だということでね、何かあるでしょ。
そういうことの中で、結局、金がダブついちゃってる状況をいくらつくってみたところでね、これは外国に投資するマネーにはなるかもしらんけれどもね、日本がデフレギャップからね、脱出するためには限界がある。やはり、問題は、その金が産業界でどんどん使われる、もう一つは、やはり金融界自体がね、もっと社会的責任を考えてね、ただ金を稼げば良いというだけではなくて、日本の国内の産業を育成をしていくという、自分たちはやっぱしね、金融機関としての責任があるんだという、そういう立場から、やっぱし、機能してもらうということはね、私は、中小もメガもね、同じようにあると思う、ね。

だから、今、預貸率なんかうんと落ちているでしょう。物凄く落ちちゃってる。まあその、貸出をしても良いような企業が減っているという面も、これは政府の責任があるんです。ある意味ではね。設備投資資金をね、どんどん借りてどんどん仕事をやるような、そういう事の呼び水をつくったり、あるいは政府自身の投資、ね、ですね、財政出動でそういうものを救っていくということを、残念ながら…。福祉経済はいいですよ。これは、かつて自公がやれなかった、個人を大事にする、家庭を大事にする。いいんだけれども、一方は、産業振興というね、そういことをもっと思いきってやらなければね、金がダブつくだけではね、デフレギャップの解消にならないというね。私はトータルとしての深刻な状況が、今、日本にはあると思いますのでね。私は、総理にはそれはいつも申し上げていることなんだけども、ま、今後、そういうことが大事であろうと思いますね」

大塚「じゃ、最後、あの手短にお願いします、はい」

岩上「フリージャーナリストの岩上です。

第三種郵便物についてお聞きしたいと思っております。第三種郵便物は、郵送料が割安になるわけですけれども、広告掲載の比率が50%以下という規定があるはずなんですけれども、現在の新聞を調べてみますとですね、恒常的にですね、広告が50%以上になっている状態があります、現状として。日刊紙というのは宅配されていますから、この第三種郵便物に指定されている理由や特にメリットはないかと思われるのですが、ただ、公職選挙法の148条を見ますと、選挙運動期間中の選挙に関する報道、論評というのは、この第三種郵便物だけに認可されているという風になっております。あのー、こういう一種のルール違反がまかり通っている状況の中で、新聞がですね、第三種郵便物として認可されているという状況が、果たして良いかどうか。これをもう一度、精査していただけないかということとともにですね、この選挙期間中の報道、論評について、非常に限定したメディアだけが行えるような状態にあるわけですけれども、先ほど、ちょっとほかの方から質問がありましたが、インターネットによる報道、論評、これ、あるいは選挙運動もそうなんですけれども、今、非常に限定されております。こういったものに対して見直していただいて、自由に報道、論評が出来るような環境整備ということをご検討いただくことは考えられないでしょうか」

亀井「これはねえ、おっしゃるようにね、私自身も選挙をやる身だからよく分かるんだけど、非常に矛盾があると思うんですよね、おっしゃるように。だから、どこまでその辺りを自由にしていくのか、制限をかけるとすれば公平な制限をかけるのかというねえ、私は第三種郵便物を決めるときに、それは大きな問題が、私はあると思いますよ。
今のねえ、いろいろな選挙法を含めてね、政治資金規正法を含めてね、政治絡みの法律というのはね、もうつぎはぎだらけで来てるからね、全然整合性が無いんですよね、実態との間で。だから、そういう意味では、私は、今、よく「政治改革」と言われてるけれどね、そこらをね、超党派で、やはりね、全体を、選挙法をはじめ政治資金規正法を含めてね、全体を検討していかないとねえ、要領の悪いのがね、まあ損をしたり、法律違反でね、お縄をちょうだいになったりね、そういう事態に、現に起きていると思いますよ、本当に。取締りについてもそうですよ。選挙運動との関係でもね。今の、自由なものは、一方ではね、悪質なね、もう中傷ビラね、そういうものがね、えーこう乱舞するようなね、現にそういうこともあるわけですね。そういうような問題について、名誉毀損で一々やっておったんでは、これはねえ、選挙あちこっちみたいなね、えー、そういう現状もありますけれども。一方では、健全なね、メディアが、あなたがおっしゃるようにね、ちゃんとしたことをやれないという面もあると思います。これはね、よく研究します。勉強します。」

大塚「じゃ、皆さん、ちょっと、次すぐ政務ありますんで、はい」

亀井「すいませんね、せっかく集まってもらったのにね、申し訳ない」

一同「どうもありがとうございました」

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