■【IWJ追跡検証レポート】『九月、東京の路上で』~関東大震災・ジェノサイドの跡地を加藤直樹氏と歩く
[日時]8月31日~9月2日の19時~ 3夜連続配信!
[配信]IWJ・Ch1
根拠のないデマにより治安悪化が叫ばれ、「自警団」の結成にまで発展する。
90年前の9月1日、関東大震災が発生した時に起きたことだ。地震に襲われ混乱している地域では、「朝鮮人が井戸に毒を入れ、放火、強盗、強姦をしている」といった流言が広まった。各地に自警団が組織され、朝鮮人へ暴力をふるい、虐殺したことが知られている。
90年後の今、広島市北部で土砂災害という大惨事が発生した時、この史実をなぞるような出来事が、ネット上で起きた。避難者の留守を狙った空き巣の報道がされたとたん、犯人を「朝鮮人」「中国人」「支那人」だとする言葉が拡散されたのだ。さらには、「自警団」として被災地を見回るというツイートまで流された。
空き巣があったことは事実だ。8月20日夕から21日朝にかけ安佐北区河部東では、住人が避難して一時的に空家となった民家を狙った空き巣が、未遂を含め2件発生した。
この他、21日には、安佐南区の八木地区の民家に対して、警察官を名乗る女の声で、避難指示の電話があった。また、同じく警察官だと自称する男が別の民家を訪問し、避難を促した。警察によれば、住人が家から離れている隙に、金品を盗みに入ろうとした可能性もあるという。
このため、広島県警は22日、被災地住民に対して、「避難する際には貴重品を持ち、しっかりと戸締まりを」という「注意喚起」を出した。さらに県警は25日、「メイプル隊」と呼ばれる特別部隊を組織する。被災地域の巡回、防犯情報の提供、生活相談といった活動を通じ、住民の不安解消に務める方針だとしている。
空き巣の発生や、警察による対応強化など、被災地の治安悪化を思わせるような報道が伝わる。すると、ネット上には、空き巣の犯人を、「在日」や「朝鮮人」や「支那人」だと決めつける言葉が氾濫し始めた。
25日の夜半過ぎ(0時16分)には、広島に居住していると称する人物が、「自警団」として深夜の見回りに出かけるとツイートする。見回り開始のおよそ2時間後、「朝鮮人」が「徘徊」しているという、目撃談をつぶやく。外見で「朝鮮人」かどうか判断するなど、関東大震災時の自警団と同じ行動パターンをなぞっている。
さらに4時18分には、「かたことの日本語」を話すという「連中」を「ふんじまりました」とツイート。これが「現地の『真実』」なのだという。
しかし朝6時には、「自警団」の解散を発表。理由は「身の危険が有る」ということだが、誰の身の危険なのか、また何による危険なのかは不詳だ。それでも、同じアカウントからは27日、「朝鮮人」を「洗浄」するというツイートが流された。
ネット上での流言やデマは、これまでのところ、実際の虐殺には直結していないように見える。また、このようなデマのツイートに対しては、即座に批判のツイートが返されている。
それでもなお、ヘイトスピーチの横行から分かるように、虐殺や「洗浄」が現実のものにならないとは、言いきれないような雰囲気が今の時代にはある。なによりそれは、歴史に前例のある出来事だ。
『九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響』(ころから 2014年)の著者・加藤直樹氏に岩上安身がインタビューした。『九月、東京の路上で』は、公刊された後に埋もれていた関東大震災時の朝鮮人虐殺に関する史料集を発掘し、まとめあげたものだ。
加藤氏へのインタビューは8月31日18時から配信予定。90年前の虐殺が、現代日本に投げかけるものは何か。加藤氏に岩上安身が聞く。
このようなデマを発信する知事がかつていた。現在その人は国会議員である。何故、こういうデマを流すのか、その国会議員と率いる政党の所属議員に是非インタビューしていただきたい。できれば、やはり国会議員をやっている息子さん達にもインタビューして、その考えを世界中に広めて欲しいものです。