イルカの追い込み猟(漁)に警鐘を鳴らしている「エルザ自然の会」の辺見栄氏は、8月18日、日本外国特派員協会で記者会見を行なった。
(IWJ・松井信篤)
イルカの追い込み猟(漁)に警鐘を鳴らしている「エルザ自然の会」の辺見栄氏は、8月18日、日本外国特派員協会で記者会見を行なった。
■ハイライト
辺見氏は、イルカの捕獲量について報告した。食肉用のイルカは年々減っているが、水族館に売られる生体捕獲数は、急上昇しているという。生け捕りによる捕獲が、イルカの追い込み猟を支えていると辺見氏は指摘する。
日本のNGOとともに、辺見氏は世界動物園水族館協会(WAZA)、日本動物園水族館協会(JAZA)に、現状を変えようと働きかけてきた。そして、WAZA、JAZA、日本のNGOによる合同会議が歴史上初めて、8月10日に実現した。
会議では、WAZAからJAZAへ倫理規範を守らせる実行計画について、具体案が話し合われたという。WAZAは生態捕獲のみならず、イルカ猟そのものを非難していた。一方、JAZAはイルカの追い込み猟はWAZAの倫理規範に違反するものではないと主張している。結果、WAZAは主張を一変し、「違反しているか分からない」とNGOに説明したという。
現在、和歌山県の太地町で行なわれている生体捕獲は、以前とは異なり、イルカへ最小のストレスを与えるだけであり、動物福祉の点で問題はないとして、WAZAはJAZAの主張を黙認している。食肉用の猟に関して、WAZAは「Not Happy Thing」と表現。生体捕獲と屠殺を分けて、問題のない方法で生体捕獲を行なうことを認めた。
しかし、WAZA会長も理事も太地町で行なわれている追い込み猟は見ていない。本来、イルカにストレスがないように捕獲するのであれば、追い込み猟ではなく、一頭ずつ沖で優しく捕まえるしかないと辺見氏は言う。
「2004年から比べれば、食肉用の猟は確かに変わってきているが、いろんな説が存在している。猟の方法を変えたことにより、さらにイルカへストレスを与える結果となっていると唱える海外の学者もいる」という。生体捕獲については、辺見氏の知る限り、以前と変わらない方法であるのが現状だ。
WAZAは、「20年後に捕獲するイルカはいなくなる」とも発言している。一方、捕獲枠を定めて捕獲しているので、「問題ない」とも述べているという。
辺見氏は、捕獲枠の設定や運用に「問題がある」と指摘。枠頭数をそれまでの捕獲数に合わせて、猟師(漁師)に捕獲しやすく設定されていると指摘している科学者がいるという。算出に使われているデータも、ほとんどが20年前のものであり、現実にそくしていないと主張した。
現在も14頭捕獲枠に入っているスジイルカについては、1993年以降、1頭も捕獲されていない。スジイルカは、イルカ猟の圧力が原因で滅ぼされたと言われている。こうしたことから、イルカが保護されているとは言えず、「追い込み猟からの生体捕獲を認めたことは、結果的に野生動物を滅ぼすことにつながる」と辺見氏は警鐘を鳴らした。
WAZAは、合同会議後のプレスリリースにおいて、「今後も追い込み猟廃止に向けて努力する」と宣言している。
(…会員ページにつづく)
現在では、イルカを食べなくてもタンパク源が補えますからイルカを食料にする必要があるのか疑問です。
水族館のショーさえも、イルカに多大なストレスを与えています。(水族館のイルカは寿命が短くなるそうですね。)
ドルフィンスイムという、海でイルカと泳ぐイベントに参加したのですが、それさえもイルカにストレスを与えないように離れて泳ぎます。イルカたちは人間を意識して、海面ジャンプをしたり、くるっと回転して見せたり。海中に沈みこんで、海の底で遊びのパフォーマンスを披露してくれたり。離れていてもイルカたちはサービス精神旺盛なんです。
イルカには近づけなかったのですが、黄色い蝶々みたいな魚たちが集まってきたので餌をあげたときに、キュートすぎて幸せ♪ 辺野古のクマノミたちも、よっぽどに違いない!
話題がずれちゃいましたが、生物たちを捕獲するだけでなく、共生するという関係を築いたほうがよっぽど楽しいですし未来志向。
原発事故の影響は計り知れません。
生き物が豊富な海域の埋め立てなど、もってのほか!