「情報は民主主義社会の血液。国民の命に直結する」 ~特定秘密保護法の廃止を! 講師 福島みずほ氏 2014.3.1

記事公開日:2014.3.1取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・荒瀬/奥松)

 2014年3月1日、京都市のキャンバスプラザ京都において、「日本国憲法を形骸化する特定秘密保護法の廃止を!」が行われ、福島みずほ参議院議員が講演をした。

 福島氏は「福島原発事故時、政府がスピーディーの情報を出さなかったことで、浪江町の住民が放射線量の高い方向に向かって避難してしまった。知っていれば、被曝を避けることや軽減することができた」と例を挙げ、「情報は、民主主義社会の血液。政府が意思決定を間違うと、国民の命にかかわる。秘密保護法には、国際的にも批判が集まっている」と力説した。

 さらに、自民党の改憲案に対して、「そもそも、憲法が国家権力を縛る役割を持っていることや、基本的人権について、自民党はまったく理解していない」と強く批判した。

 主催した平和憲法の会・京都の大湾宗則氏は、アベノミクスで景気高揚が演出される一方で、所得格差が進んでいることを指摘。安倍首相の、東アジアの緊張を高める数々の言動を挙げて、「貧困状態を作り、危機感を煽って、愛国心を鼓舞ようとしている」と警鐘を鳴らした。

■ハイライト

  • 記念講演 福島みずほ氏(参議院議員、弁護士)
  • 基調報告 大湾宗則氏(平和憲法の会・京都事務局長)
  • 第2部「平和憲法の会・京都」総会は録画に含まれません。

国際基準の視点からも秘密保護法は廃止に

 はじめに福島氏は、秘密保護法の成立までを、「スパイ防止法という名前だった1980年代から議論を続け、国民の力で2度つぶしたが、昨年末、法案が成立してしまった」と振り返った。

 「しかし、今年10月に施行される前に、これを廃案にしたい。現在、超党派による廃止法案を出そうと進めている。また、秘密保護法対策として、200人以上の弁護士による弁護団を結成。反対運動をサポートする」。

 さらに、「秘密保護法は、知る権利と秘密保護のバランスを定めた国際基準を逸脱している」と批判している、米国防総省の元高官、モートン・ハルペリン氏を5月に招くことを言明。「ツワネ原則も含めて、国際基準という面からも廃止を求めていく」とした。

秘密を隠す側が守られ、暴く側が罰せられる

 福島氏は「私は国会で11回質問したが、改めて、ひどい法律だと思った。そもそも、どの情報が秘密に指定されるのか、わからない。どんなにくだらないことでも、秘密指定されたら、それを漏らせば処罰される」と述べ、次のように危惧した。

 「アメリカとの沖縄密約に関することなど、国民が知るべきことであっても、『ない』と言い募った側が守られ、暴く側が処罰される。もの言えぬ社会、情報が統制された社会になってしまう」。

 沖縄密約に関しては、「債務負担については情報が出てきているが、『核密約』については、情報が隠されているのか、廃棄されたのか、今もわからない」と述べた。

ほとんどの戦争は、嘘と捏造から始まる

 また、ベトナム戦争やイラク戦争などに言及し、「戦争の始まりは、嘘と捏造から始まる」と述べて、次のように続けた。「憲法上でも、個別的自衛権に関しては最小限度が認められているが、集団的自衛権の行使については『絶対に認めない』というのが、戦後の自民党政権すべての答えだった」。

 「国連憲章による集団的自衛権の行使は、14例あると言われている。これらは、集団的自衛権の行使を理由に行われた武力行使だが、しばしば濫用が疑われており、大国が政治的意図を持って第三国に軍事介入する時の、口実として使われている」とした福島氏は、「憲法9条がある日本が、集団的自衛権の行使をすることは、ありえないことだ」と強い口調で断じた。

安倍政権が、解釈改憲をすることは許されない

(…会員ページにつづく)

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