2012年4月21日(土)14時、東京都千代田区の日比谷コンベンションホールにおいて、「チェルノブイリ原発事故から26年 原発再稼働NO!集会」が行われた。複数の市民団体が構成する「原発とめよう!東京ネットワーク」が主催した。集会では、市民団体や環境保護団体から、大飯原発再稼働に関する情報の報告や、福島県の子供たちが放射能の危険の中で生活している実情報告、東京電力柏崎・刈羽原発の運転差し止め訴訟に関する講演などが行われた。
(IWJテキストスタッフ・久保元)
2012年4月21日(土)14時、東京都千代田区の日比谷コンベンションホールにおいて、「チェルノブイリ原発事故から26年 原発再稼働NO!集会」が行われた。複数の市民団体が構成する「原発とめよう!東京ネットワーク」が主催した。集会では、市民団体や環境保護団体から、大飯原発再稼働に関する情報の報告や、福島県の子供たちが放射能の危険の中で生活している実情報告、東京電力柏崎・刈羽原発の運転差し止め訴訟に関する講演などが行われた。
■ハイライト
冒頭、主催者を代表して挨拶に立った日本消費者連盟代表の富山洋子氏が、「原発事故がいまだ収束していない状況で、原発再稼働を進めようとする政府は、どこを向いて政治をしているのか、経済界は何のために経済活動をしているのか」と声を上げた。TPP問題にも触れ、「世界中の1%の金持ちが、さらに資本が集まる体制づくりを進めている。だからこそ私たちは、世界資本に挑む形で原発をやめさせ、止めていかなければならない」と述べ、さらに「原発再稼働をさせてはならない、核燃料サイクルを断ち切ろう」と訴えた。
続いて行われた講演では、まず、環境保護団体「グリーンピース・ジャパン」が福井県に設置した連絡事務所(福井アクションセンター)の現地スタッフによる、「大飯原発をめぐる福井の状況」と題した報告が行われた。現地スタッフは、福井県内で実施したアンケートを示し「大飯原発の再稼働が、地元の理解を得たというには程遠い状況である」とし、「地元住民や周辺住民への安全確保は全く不十分である」と厳しく批判した。その上で、23日に経済産業省の副大臣が福井や京都・滋賀などを訪問し、再稼動への理解を求める予定であることや、26日には、おおい町の住民を対象とした地元説明会が予定されていることを挙げ、政府や関西電力がもくろむ再稼働への歩みに、危機感を表明した。
続いて、「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の森園かずえ氏が、福島県では、放射能の危険の中で子供が生活している状況を語ったほか、多額の費用を投じて行われている「除染ビジネス」について、「除染そのものを否定するつもりはないが、除染作業をする際には子供や妊婦を避難させてから行うべきではないか」と疑問を投げかけた。さらに、「安全かどうかは政府や県、学者などが決めるものではない。正確な情報の提供に基づき、我々市民が自ら決めるものだ」と訴えた。
その後、脱原発新潟県弁護団の弁護士を務める水内基成氏が、東電の柏崎・刈羽原発の運転差し止め裁判の開始について講演したほか、複数の登壇者により、東海第二原発の廃炉を訴える講演や、福島県から子供たちを避難させる必要性を訴える講演が行われた。