「与党議員との面会はタイミングだ」 ~原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見 2013.12.25

記事公開日:2013.12.25取材地: テキスト動画
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 2013年12月25日(水)13時45分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。自民党議員と面会することについて、「議員だから会わないという決まりは、はじめからない。タイミングを見て会う」と述べた。

■全編動画

本年最後のメディア会見ということから委員長のあいさつ

 本年最後のメディア会見ということから、冒頭で田中委員長が挨拶を行った。

 7月に原発軽水炉の新しい基準を策定し、それにもとづく適合性審査が始まったことが一番大きいと、一年を振り返った。

 東京電力福島第一原発に関しては、「全体を見ながらリスク低減を図ることが大事だと言ってきた。この状況は1年、2年で解決できないだろう。その考え方は間違っていないと思うし、規制庁、規制委員会として、その考え方を今後も貫いていこうと思っている」との見解を語った。

 さらに、「4号機プール取り出しが順調に進んでいることは、着実に廃止措置に向けた取り組みが進んでいる証だと思っている」と述べた。その上で、規制だけでなく、「安全文化向上の取り組み」が来年の抱負にできればと、思いを語った。

与党議員との面会について、改めて質問が続く

 会見後、15時から自民党原子力PT塩崎議員と面会することについて、改めて記者団から質問が続いた。森本次長は「事務方の裁量で決めた」とし、田中委員長は、「透明性が大切だから、フルオープンで面会する」と回答した。

 田中委員長は、今回は規制に対する提言、意見だから面会し、意見を聞くという考えで、たとえ規制庁への介入を示唆されても、いろいろな立場でいろいろな考えがあるので、良いとか悪いとか言うつもりはないと述べた。森本次長は「議員だから会わないという決まりは、はじめからない。タイミングを見て会う」と説明した。

 続けて田中委員長は、「プラントが安全であることが必至。しかし、安全文化に関しては、ゴールがない。規制だけではカバーできないところがある」と考えており、そこで電力事業者の経営者と会い、安全文化に対する考えを聞く方針だ。しかし、規制と面会とは別物と考えており、会うタイミングは少し慎重に考えないといけないと述べた。

BWRの審査申請第一号は島根2号炉、本日申請

本日の朝9時ごろ、島根原発の新規制基準への適合性審査が申請された。BWRはフィルターベントの設置が必須になっていることがPWRとの大きな違い。今後の審査スケジュールについて記者団が質問すると、これからなので、まだ分からないと回答した。

BWRであり、兼ねてから会見で質疑があったように、審査体制は内部で調整中だということだが、田中委員長は「今、異常な状態で審査が進んでいる。この状態は、職員のことを考えたら良い状況ではない」と、異常なハイペースで審査会合が行なわれている認識を示唆した。

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