「アメブロで山本太郎と検索してください!」「議員にメール、FAXをしてください!」──。
山本太郎議員による、特定秘密保護法の危険を訴える街宣活動で、これまでは演説の最後に使われていた上記の言葉が、10月14日の東京・銀座では、いきなり冒頭に飛び出した。祝日の夕方、忙しく通り過ぎる人たちの記憶に少しでも残るように、という思いなのだろうか。特定秘密保護法案は、25日にも閣議決定されると言われ、山本議員の勢いも加速していた。
(IWJテキストスタッフ・阿部玲/奥松)
特集 秘密保護法
「アメブロで山本太郎と検索してください!」「議員にメール、FAXをしてください!」──。
山本太郎議員による、特定秘密保護法の危険を訴える街宣活動で、これまでは演説の最後に使われていた上記の言葉が、10月14日の東京・銀座では、いきなり冒頭に飛び出した。祝日の夕方、忙しく通り過ぎる人たちの記憶に少しでも残るように、という思いなのだろうか。特定秘密保護法案は、25日にも閣議決定されると言われ、山本議員の勢いも加速していた。
■全編動画
9月22日に渋谷駅前でスタートした、3週間に及ぶ「山本太郎 反秘密保護法全国街宣キャラバン」は、北は北海道から南は沖縄まで、約20ヵ所を駆け回り、臨時国会招集の前日となる10月14日は再び東京に戻って、銀座の数寄屋橋交差点前で行われた。この日は交通状況により到着が20分程遅れてしまったが、山本議員は遅れを取り戻すかのように、「あなたと、あなたの大切な人に関わる話なんです」と、信号待ちの人々にも訴えかけた。
「今、政府自民党は、とんでもない法案を通そうとしている。これによって、私たちの表現する自由が奪われてしまう。知る権利も、そして、その先にある生きる権利も。しかし国会は、数の論理で決着がついている。アメブロで山本太郎と検索して、この法案に反対だと思う人は議員にメール、FAXをしてください」。
普段の街宣では、法案の内容を十分に説明してから、「では、どうしたらよいか」というアクションを提示する流れとなっていたが、この日ばかりは、大事なポイントを先に持ってきた山本議員。「反対の声が多くなれば、国会で通りにくくなる」。
「この法案は、国会提出直前に『秘密保全法』から『特定秘密保護法』に名前を変えた。看板を付け替えて印象を薄くするのは、詐欺師の手法。為政者が自分たちに不利益と判断すれば、何でも秘密にできてしまう恐ろしい法案だ」と政府を厳しく批判する一方、「新聞社は広告料に頼っている。100円、120円で買う皆さんのことなんて考えていない」と、山本議員は同法案を丁寧に伝えないマスコミに対しても批判の矛先を向けた。
「いつからが秘密で、何が秘密なのかも、わからない。ブログやツイッター、LINE、Viberなどで、あなたが日本を憂いて、たまたまつぶやいたことが、もし特定秘密に触れていたとしたら、それだけで懲役10年。事故を起こした原発の、本当の情報を漏洩した人も、アクセスしようとしたジャーナリストや専門家も、みんな捕まってしまう。たとえ、取材した記事の公開を見送ったとしても『未遂』で逮捕。市民が反対の声を上げたら『煽動』で逮捕。まさに現代の治安維持法だ」と身近な例でわかりやすく解説し、「しかも秘密の対象件数が、10月9日の時点で約41万件もある」と明かした。
山本議員は「『軍事機密、防衛のために必要である。心配しなくてよい』という声もある。しかし、それは2001年に改訂された自衛隊法で、すでに守られている。国家公務員、地方公務員法もある。それで足りないなら、改訂すればよいだけの話。ではなぜ、新しい法律を作るのか。情報を、皆さんから遮断するためだ。情報統制、国民の監視が目的となっている」との見方を示し、次のように熱弁をふるった。
「これまでの、国の対応を見ていればわかる。被曝をなかったことにするのは、原発を推進するため。津波対策は防潮堤の建設で事足れりとしているが、見たのか? 三陸のスーパー堤防、積み木みたいに転がっていたぞ!」
「言論統制、その先に来るのはファシズム。誰のため? 経済が悪くなったら、戦争をやって立ち直って来た国がある」。こう述べた上で、山本議員は「特定秘密保護法は、日本版NSC(国家安全保障会議)とセットになってくるが、アメリカ版はどうだったか。言いがかりと強盗ではなかったか。イラク戦争では、200人を超える専門家が900を超える場所を探して、大量破壊兵器は結局見つからなかった。この事を忘れてはいけない」とした。
演説後の恒例となった聴衆との写真撮影は、ここでも長蛇の列ができた。これは単なるファンサービスではなく、写真を拡散してもらうことによって、秘密保全法の周知を図る狙いがある。一人ひとりの質問にも、これまでと変わらずに時間をかけて丁寧に説明していく山本議員は、国会開催後も街頭での活動を継続していくという。