「アーミテージさん、ありがとうございます」。2月22日、日米首脳会談のために米国を訪問していた安倍総理は、会談後に行ったCSIS(米戦略国際問題研究所)の講演で、冒頭こう発言した。そして、昨年8月15日に発表された『第3次アーミテージレポート』に書かれた「日本は二流国家に成り下がってしまうのか?」という問いに、馬鹿丁寧に「アーミテージさん、わたしからお答えします。日本は今も、これからも、二流国家にはなりません」と述べ、講演を始めた。ジャパンハンドラーが下した「指令」に対する、日本現役総理からのダイレクトの「応答」である。
IWJは、昨年8月からこの指示書に注目し、取材を重ねてきた。 この「第3次アーミテージレポート」が発表された6日後の8月21日、このレポートを作成したメンバーである、ランドール・シュライバー氏が、東京の日本財団ビルで、笹川平和財団主催で講演会を行った。シュライバー氏は、「アーミテージ・インターナショナル」の共同設立者であり、まさにアーミテージ氏の右腕・後継者ともいわれる人物である。講演会では、このレポートの内容を解説しながら、日米関係の強化の必要性を強調した。
この講演は、米国が日本に対して何を押しつけようとしているか、その本音がむき出しとなった重要な講演である。IWJは、この講演会を中継したが、シュライバー氏の許可が降りなかったため、アーカイブに残すことができなかった。「幻の講演」となってしまったわけである。
しかし、IWJ以外に、シュライバー講演のすべてを報じたメディアは皆無であり、このまま重要な手がかりとなるこの講演を、「幻」のままに終わらせてしまうわけにはいかない。そこで、この全編英語で行われた講演会の模様を、すべて邦訳し、分析を加えながら、メルマガ第48号(2012年9月13日発行)で、「野田政権の『勝手に決める政治』の裏に米国の露骨な要求」と題し、明らかにした。今回は、その模様を一般会員向けに公開する。
「改憲・憲法第9条の改正(集団的自衛権の行使)」、「原発の推進」、「TPP交渉参加推進」、「中国との緊張の維持」と、この指示書の指令を忠実に実行しようとしている今、あらためてこの「露骨な要求」の中身を振り返ってみたい。 この民主党PTの激論の模様は、4.5.6号、14.15.16号と、数回にわたりメルマガで配信しています。これらも含め、過去全てのメルマガをサポート会員向けに公開しています。
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IWJ以外に、シュライバー講演の全てを報じたメディアは皆無です。安倍政権を知るにはCSISを知らなくては始まらない。