【IWJジャーナル号外】前倒しの安保3文書改定で、非核3原則「持ち込まず」が崩され、核共有や原潜の保有への道筋がつけられる!? 小泉防衛大臣の「タブーなく」議論すべき発言の余波を追う! 2026.10.23

記事公開日:2026.10.23 テキスト
このエントリーをはてなブックマークに追加

(文:IWJ編集部)

 IWJ代表の岩上安身です。

■安保3文書を前倒しで改定!「タブーなく」核保有や原子力潜水艦の保有について議論すべきという小泉防衛大臣発言の余波! 高市総理は「核共有」を認めないとするも、原潜保有の可否については明言せず!「非核3原則」はどうなる!?

 小泉進次郎防衛大臣の「タブーなく」、核兵器や原子力潜水艦の保有に関する議論をすべきだとする発言は、安全保障関連3文書改定のための観測気球だったのでしょうか。

 高市内閣は、国際情勢の緊迫を理由として、安保3文書を前倒しで今年中に改定することを決定しています。前回の改定は、2022年12月、岸田内閣のもとで行われました。通常であれば、次の改定は5年後の2027年です。

 前倒ししてまで安保3文書の改定が進む中、現職の防衛大臣がしきりと「核兵器」や「原子力潜水艦」の保有に言及しているという事実は、「無関係な話」としてスルーすることはできません。

 まだ改定の内容は明らかにされていませんが、今回の改定で、非核3原則の一角が崩され、日本が核兵器を保有することはないとしても、米国との核共有を進め、原子力潜水艦を保有する道筋をつけるといった内容が含まれるのではないかという推測もささやかれています。

 日本が「核」に関するタブーに踏み込むような改定を進めれば、高市政権が発足して以来、劇的に悪化している中国との関係はさらに悪化することは火を見るよりも明らかです。

 中国からの反発を恐れて自国の安全保障の議論を進められないのは、独立国としての主体性に欠ける、という議論もあり得るでしょう。

 しかし、日本は安全保障の保証を全面的に米国に委ねているのが現実です。米国の意向をまるっきり無視した議論は、現状、現実的にはあり得ません。

 「タブーなき議論をすべき」というならば、米国からの自立、米国からの安全保障の保証なき、独自の安全保障を模索することも選択肢に含まれていなければならないことにな
ります。小泉大臣の「タブーなき議論を」という呼びかけはそこまでの射程をも収めたものであるのか、はなはだ疑問です。

 すでに繰り返しお伝えしているように、小泉大臣は9月28日のBSフジ番組で、国家安全保障戦略など安保関連3文書の改定に関し、核兵器や原子力潜水艦保有に関する議論を排除すべきではないとの考えを示しました。

 小泉大臣は、その約2ヶ月前の7月17日、櫻井よしこ氏の「言論テレビ」でも、「触れざるを得ないのは、やはりひとつは核です」と述べています。

  • 【第3弾! 小泉進次郎防衛大臣が核兵器や原子力潜水艦保有に関する議論を排除すべきではないと重ねて発言!】米トランプ政権との急接近を見せつけた中国は、訪中した岩屋元外相に対し、高市総理の「台湾有事」発言の是正を要求!「反中ポーズ」の高市政権に対して米国からの「援護射撃」はなし!(IWJジャーナル2026.10.2号)
    会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20261002#idx-6
    非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55768#idx-6
  • 【小泉進次郎防衛大臣が核兵器や原子力潜水艦保有に関する議論を排除すべきではないと重ねて発言!】米トランプ政権との急接近を見せつけた中国は、訪中した岩屋元外相に対し、高市総理の「台湾有事」発言の是正を要求!「反中ポーズ」の高市政権に対して米国からの「援護射撃」はなし!(IWJジャーナル2026.10.2号)
    会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20261002#idx-6
    非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55768#idx-6

 小泉大臣は、9月29日の定例会見で、あらためて「タブーなく」議論することが必要だとの見解を表明しました。

記者「昨日(9月28日)のBS番組での大臣の発言についてうかがいます。核兵器や原潜についての議論が必要との見解を改めて示されましたが、安保3文書の改定の中で非核3原則の見直しや原潜保有も議論するという趣旨か教えてください。

 また、米軍による原爆投下を経験した国として、核兵器をめぐって議論するにあたり、国民に対する情報発信や説明を尽くす必要性についてどのように考えておられるか、あわせて教えてください」

小泉大臣「(前略)御指摘の私の発言でありますけれど、防衛政策に関する一般論として、我が国として、国民の命と平和な暮らしを守り抜くための政策について、タブーなく、あらゆる選択肢を排除することなく、国民に丁寧に説明しながら議論していくことが重要であるという趣旨を述べたものです。(中略)

 我が国を取り巻く安全保障環境も楽観視できる要素は皆無だと言っていいと思います。この危機感の下に、あらゆる選択肢を排除することのない議論の必要性を国民の皆さんにも御理解いただけるように努めていきたいと思います。3文書の改定ということも迫っていますが、現時点で、何かを決め打ちした議論をするつもりはありません」

 小泉大臣は、7月、9月と重ねて「タブーなく核の議論をすべき」という主張を繰り返し、公式の発言となる定例会見でも、その主張を撤回していません。

 『IWJジャーナル』10月9日号でお伝えした通り、日本の現役防衛大臣が、核兵器や原子力潜水艦の保有の議論をすべきと公に発言したことに対し、中国外交部は「核兵器不拡散条約(NPT)違反」だと批判しました。

 NPTは、加盟する非核兵器国の義務は、核兵器を「受け入れない」「製造しない」「保有しない」ことであると明記しています。

 つまり、日本が国是とする「非核3原則」「持たず、作らず、持ち込ませず」は、NPTの非核兵器国の義務と裏表一体になっているのです。

 日本の「再軍備」化を警戒する中国外交部が「NPT違反だ」と反発する理由はそこにあります。

 日本国内でも、長崎県内の被爆者ら32団体が抗議し、核兵器廃絶への切実な願いを訴えるなど、反発の声が上がっています。

  • 「タブーなく」核兵器・原潜保有も議論すべきという小泉防衛大臣の発言に、中国外交部が「核兵器不拡散条約(NPT)に違反している」と、反論! 中国は日本の「再軍備」の脅威を世界に警戒するよう呼びかける! 今や、米国よりも中国に、世界のリーダーとしての好感と信頼を寄せる国々が増加! 非欧米諸国から見れば、日本はNPTに違反する「悪の枢軸国」扱いに?(IWJジャーナル2026.10.9号)
    会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20261009#idx-3
    非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/55775#idx-3

 にもかかわらず、ウクライナ紛争のエスカレーションで核戦争の緊張が高まる欧州では、フィンランドやリトアニアで、NATO核共有への参加を可能にする法改正が行われました。かつ、フィンランドやリトアニアの両政府が「NPT違反ではない」と主張していることは、小泉大臣の発言にも影響を与えているのではないかと考えられます。

 フィンランドでの法改正が成立する以前の2026年4月14日、参議院外交防衛委員会でやりとりされた、日本維新の会の松沢成文委員との質疑応答では、小泉大臣は核共有(同盟国である米国の核兵器を日本国内に配備し「共有」する。ニュークリアシェアリングとも呼ぶ)の否定を明言しています。

※ここから先は【会員版】とさせていただきます。御覧になりたい場合は、ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して御覧ください! 会員へのご登録はこちらからお願いいたします。緊急のカンパもお願いします!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

(…会員ページにつづく)

アーカイブの全編は、下記会員ページより御覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です