福島を想い、脱原発のためにバスティーユ広場に集まろう! 2013.1.12

記事公開日:2013.1.12取材地: | | テキスト動画
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 2013年1月12日(土) 日本時間22:00~ パリ バスティーユ広場で、第4回「福島を想い、脱原発のためにバスティーユ広場に集まろう!」のデモンストレーションが行われた。

■全編動画

  • 14:00 オープニング パーカッション プログラム解説 2013年3月9日ヒューマンチェーンの告知
  • 14:15 “「国会議事堂」御輿アクション
  • 14:30 EELVパリ議員ドゥニ・ボーパン フランスの状況
  • 14:45 福島の子どもの健康について(ネルソン・シュルジョン) かんしょ踊り、会津磐梯山(マイア・バルー、よそものフランス)
  • 15:00 Anne Pauchard(フランス南部の原発近くで被曝)
  • 15:15 福島原発告訴団について(Haruko Boaglio)
  • 15:30 OLコマンダン・シミオエルと歌おう
  • 15:50 フィナーレ かんしょ踊り

 当日は雨天ではあったが、国会議事堂を模した神輿を担ぎ、脱原発の旗を国会議事堂の上に掲げるアクションや、かんしょ踊りが行なわれた。

 その他、福島県からフランスに避難した方から、12月に行なわれた原子力安全に関する福島閣僚会議で、福島県の佐藤雄平知事と国際原子力機関IAEAが協力態勢を取る覚書が締結されたことについての報告が行なわれた。

EEVL(フランスの環境政党)パリ議員ドゥニ・ボバーン氏によりフランスの状況が報告され、Anne Pauchard氏により、フランスの原発の現状についてお話があった。

 Anne氏は、アレバ社の株の8割をフランスが持ち、フランスが原発に依存しているかについて述べたのち、再生可能エネルギーへの転換することの重要性について訴えた。(下記に日本語訳あり)

Anne Pauchard氏による日本語翻訳の全文

パリ脱原発、よそものネットのみなさま、脱原発月例集会において、発言を機会を設けていただきありがとうございます。

フクシマの惨事を受け、日本では脱原発運動に火がつきました。

フランスには58基の原発があり、そのうち54基は老朽化しております。フクシマ第一と同じ型の原子炉も多く存在します。

操作ミス、飛行機の墜落など、建屋が崩壊する原因はいくつもあります。


私自身、原子力産業・アレバグループの被害者のひとりです。

原発による被害には、大きな被害とか小さな被害などという区別はありません。

そこには、これまでの被爆者、現在、未来の被爆者の区別があるだけです。

ヤブロコフ・ネステレンコ報告によると、チェルノブイリの被害者は、4半世紀で少なくとも100万人に達します。

フクシマの25年後を想像すると気が重くなります。

向こう30年、マスメディアは、温暖化阻止には核以外に答えはない、と吹聴することで私たちを脅し、真のリスクを思考させないようにするでしょう。ブルース・ウィリスの映画で、地球を利きに陥れる隕石を吹き飛ばすために、核ミサイル以外の選択肢がなかったようにです。

マスメディアは、不都合な事実を矮小化してばかりです。


私の故郷ボレーヌは、トリカスタン原発から遠くありません。原発産業の悪は、メディアからではなく、原発ゼロ・ネットワークの運動を通して知りました。

原発労働者の被曝などおかまいなしで推進される原発。

ジャクリーヌ・クラヴェル博士の報告によると、子供の白血病率は、原発立地地区のほうが、都市部よりも高いとされますが、因果関係を証明することは難しいです。

いずれにせよ、こういった報告も、大惨事が起こる前に、関心をもつ人は少ないと思われます。

ですが、実際には国策のために、被曝をがまんさせられている人々は多く存在します。

政治的にも、歴史的にも、技術的にも、原子力は軍事利用と最初から密接な関係にあります。

現在、原子力エネルギーは、世界の全エネルギー消費量のわずか4%でしかありません。

こういった原子力エネルギーに依存する私たちは、第二次大戦終結のために強いられた核の脅威にさらされている市民といえます。

1953年12月8日、アイゼンハウアー大統領が提唱した「核の平和利用」。

その三年後にIAEAは創設しました。

その憲章の第二条には、「同機関は全世界における平和、保険ならびに繁栄に対して原子力の貢献を推進する努力をすべきだ」と明記されております。


1945年8月、原爆が投じられたヒロシマ、ナガサキは、一瞬にして核の実験所と化しました。

被爆者を調査した米軍医らは、以来、放射能の人体への影響を知らないはずがありません。

それでもなお、原爆に使用されたウランとプルトニウムは現在、MOX燃料として原発に利用されています。

2010年8月、アレバ社から東電に提供されたMOX燃料は、フクシマ第一の三号機で使用されていました。

いったい誰が34年も稼動していた原子炉内で、MOX燃料の使用を決議したのでしょうか。

このことは、アレバ社の株8割を持つフランスにも責任があるでしょう。

また、汚染マップ作成に、ミッシェル・フェルネ教授などが実施している乳児収集を、なぜ世界保健機構は組織的に行おうとしないのでしょうか。同機関にも責任があるでしょう。

私たちは、たんにモノとして扱われているのでしょうか。


先の衆議院選の結果を受け、私たちはあらためて草の根の運動の重要性を実感しました。

確かに選挙は民主主義に必要な条件です。ですが、それだけでは不十分です。

アメリカの軍事戦略によって日本は、過去に強いられた憲法9条を今や破棄しようとしています。

原発推進を公言する、国粋主義者のボレーヌ市長は、アレバグループに1100万ユーロを要求しています。

すべては、極右党LDS議長を務め、オランジュ市長でもある夫を、政局で優位に立たせるための資金集めです。

目下のところ、私自身の闘いは、アレバグループに訴訟を起こすことです。
2008年トリカスタン原発、ウラン溶液150キロ分の流出によって引き起こされた地域住人への責任追求が目的です。

フランスは、ITER計画に警鐘を鳴らす科学者らの意見に耳を傾けることをしません。この計画には、莫大な資金のみならず、計り知れない危険が伴います。

こういった態度は、核不拡散条約に反するでしょう。

民意を無視は日常茶飯事です。

オリガルキーやテクノクラートによる上からの支配は、たとえば、ノートル・ダム・デ・ランド空港建設でも確認できます。

私たちの前にあるバスティーユの自由の塔は、162年前に建てられてからこれまでパリを見守ってきました。

この塔の高さ50メートルに、底面積120ヘクタールの直方体の容器を想像してください。その容器を一杯にするだけの核廃棄物が存在し、原子力国際ロビーのせいで、今でも増え続けています。

地球規模で危険にされているかぎり、地球規模での連帯が必要となります。

原発立地を望む土地は、デモクラシーが衰退し、健康、真の繁栄が蝕まれる傾向にあります。

原発を拒否する人々が、なぞそれを推進する人々の犠牲にならねばならないのでしょうか。

IAEA粉砕のために、今や、国連内に反対勢力を作る時がきました。

フランスは、原発産業に年50億ユーロも予算を割いております。再生可能エネルギーの開発に使わない理由はありません。

人間は自然の一部であること。自然と調和して生きることを学ぶべきでしょう。

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「福島を想い、脱原発のためにバスティーユ広場に集まろう!」への1件のフィードバック

  1. Roger NYMO より:

    For the past four years Aline Pauchard alone has been fighting AREVA.
    She is finally pressing charges against AREVA with the help of her lawyer.

    If you wish to help Aline Pauchard establish a precedent against AREVA,
    to have finally AREVA sentenced as the guilty party having lethally poison her health and her living environment.

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