2024年2月26日午後3時30分より、東京・衆議院第一議員会館にて、全国商工団体連合会による、自民党「裏金」議員への追徴税額試算の発表と記者会見が行われ、国税庁に要請書が提出された。
全国商工団体連合会から、国税庁長官・住澤整氏への要請内容は以下の通りである。
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・自民党国会議員への調査と課税に関する要請
【趣旨】
85人の自民党所属の国会議員について脱税の疑いがありますので、厳正に調査し、必要な課税を行っていただきますよう要請します。
【理由】
2月13日、自民党は「派閥による政治資金パーティーに関する全議員調査結果」を公表しました。85人の国会議員がパーティー収入の一部を政治資金収支報告書に記載せず「裏金」化していたことは明らかとなりました。
この「裏金」について岸田文雄首相・自民党総裁は、1月29日の衆院予算委員会で、岸田派(宏池政策研究会)のパーティー収入の一部(3年分3059万円)について、全額、銀行口座に残されている旨、答弁しています。自民党による聞き取り調査結果は31人が「使っていない」と説明したと明らかにしています。一連の答弁や説明は、「裏金」が所得に該当することを表しています。「裏金」の使途について「不明」として恥じない議員もおり、説明も根拠も明確には示されていません。
こうしたことから、政治資金収支報告書に記載されていなかった「裏金」は雑所得に該当し、所得税の課税対象になると考えられます。
中小企業には厳しい税務調査が行われています。「帳簿や領収書を示しても、税務署員が『家事関連費だ』と経費を否認して追徴課税された」などの事例は枚挙にいとまがありません。
「裏金」を得ながら申告もせず、辞職もしない国会議員らが実施を決めたインボイス制度によって、142万を超える免税事業者が、本来免除されるべき消費税の申告・納税を迫られています。
「税務行政の中立性」を持ち出して、課税対象の所得を得ていながら使途も示さないまま申告・納税しない政治家を野放しにするなら、税務行政に対する信頼は失われ、納税意欲にも悪影響が及びかねません。
使途が明らかにされない政治活動費についても調査してしかるべきです。政治資金を巡る不適切な対応を改めない国会議員には、7年さかのぼって調査・課税するなど厳正に対処するよう、標記の要請を行うものです。
以上
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国税庁の担当者は、要請を受け、「国税当局におきましては、適正な申告・納税を行った納税者の方々が、不公平感を抱くことのないように、課税上、問題がある場合は、税務調査を行うなど、適正・公平な課税の実現に努めているところでありまして、こういった取り扱いにつきましては、対象が一般の納税者であっても、国会議員であっても同様であります」と述べた。
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