2023年5月23日、東京都千代田区の衆議院第一議員会館で「新しい戦前にさせない」連続シンポジウムの第3回が、「統一教会と自民党が呼び込む戦争」をテーマに、開催された。主催は共同テーブル。
佐高信氏(評論家)の主催挨拶に続いて、中川五郎氏(フォークシンガー)の歌と神田香織氏(講談師)の講談を上演(動画では割愛)。その後のシンポジウムでは、佐高氏をコーディネーターに、有田芳生氏(ジャーナリスト)、平野貞夫氏(元参院議員)、前川喜平氏(元文部科学省事務次官)が登壇した。
佐高氏は主催者挨拶で、岸田総理が議長を務めた広島のG7サミットに関して「核廃絶への『やるやる詐欺』を岸田はやったんだろう」と批判し、被爆者のサーロー節子さんの「死者に対する侮辱である」という言葉を引いた。また、宏池会の岸田総理が「宏池会の伝統である護憲をかなぐり捨てるということは、『やるやる詐欺』の、戦争だけはやるという方向に突き進んでいる」と指摘した。
シンポジウムで、有田芳生氏は、安倍元総理の選挙区、衆院山口4区の4月23日の補欠選挙に出馬した理由に関して「安倍政治は総括しなきゃいけない。統一教会問題は終わったかのように新聞は書いているが、冗談じゃない」と述べた。統一教会が日米韓政治史で果たした役割を解説し、米下院「フレイザー委員会」報告書が記した、統一教会の真の姿として、宗教の顔と共に多国籍企業であり、政治とも関りがあり、さらに「準軍事組織」も持つと、朝日新聞阪神支局襲撃の「赤報隊事件」疑惑を指摘した。そして、改めて衆院解散後の総選挙への出馬に意欲を示した。
平野貞夫氏は、「広島のサミットを一番喜んでいるのは、あの世に行った文鮮明さんじゃないか。あの人が日本をこうすると言った、そのままの流れになっている」と指摘。「『(核軍縮に関するG7首脳)広島ビジョン』で、核兵器廃絶は究極の目的と言っているが、これは政治的に言えば実行しないということ」「核抑止力はG7側にはあるが、そうでない側にはないとしている。これは人類の生存権への冒涜だ」と厳しく批判した。また、ゼレンスキー大統領招聘の背景に、「戦争主体としての軍産複合体がロシア側にもG7側にもある」と指摘し、「今回のサミットは台湾有事に一歩踏み出した」と危惧した。
前川喜平氏は、岸田政権による統一教会への「質問権行使」について、「伝家の宝刀のように言われるが、豆腐一丁切れない竹光だ。行使したからといって、回答の中に、解散命令の請求ができるような、教会が自分の首を絞めるような情報が含まれているはずがない。だから、言い分を聞く意味で1回やれば十分だったはずが、5回もやっている。これは時間稼ぎで、国民の意識から統一教会が薄れていくのを待っている」と厳しく指摘した。
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