2023年3月10日(金) 午後6時より、東京都八王子市の船森公園にて、第416回 「311を忘れない」原発反対八王子行動が開催された。
参加者は、福島原発事故後の12年間を振り返って、朝日新聞記事『原発避難、テロより怖い雪』を挙げ、次のように柏崎刈羽原発周辺では、雪が降り積もった際の避難経路の問題が焦点になっていることを指摘した。
「雪が積もれば、避難が非常に難しくなる。大雪になれば、日本海沿いに走る国道8号はストップ、それと平行して走る北陸自動車道もストップする。昨年暮れには、国道8号は20時間止まった。数年前には北陸自動車道が完全にストップして 富山付近では大変な騒ぎになった。
(かつて原発を『原発を止めた裁判長』である)樋口英明氏も『避難経路の問題は、裁判闘争でも重要な柱になるだろう』と指摘している。
柏崎刈羽原発での避難対象者は50万人近くになり、東海第2(原子力)発電所では、100万人近い対象者の避難を考えなければならないとされている。
このことを念頭に置いてこれからも頑張っていこう」
- (東日本大震災12年 3・11の現在地)原発避難、テロより怖い雪(2023.3.6、朝日新聞)
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続いて登壇した、国の責任を追及する「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の弁護団を勤めている塚本和也弁護士は、
「昨年2022年には、国の責任を認めない不当判決が出てしまったが、本日(3.10)仙台高裁において最高裁判決以降、国の責任を判断する初の判決が下された。
福島地裁いわき支部で国の責任を認める判決が出たので、今回の仙台高裁の判断が注目されたが、結局国の責任は認めない判決となった。
しかしこれは不思議な判決であり、最高裁は津波が予見できたか・回避できたかを示さずに、『規制権限を行使しても防げなかっただろう』と”逃げ”の判決を下したのに対し、
仙台高裁は、『津波は予見できた。規制権限を行使すれば相当程度防げただろう』と予見可能性・結果回避可能性も認めていながら、『完全に回避できたかはわからない』(最高裁判決に引っ張られた?)との内容になってしまっている。それだけ最高裁に歯向かうのはなかなかできないということ。
やはり私たちは、原発反対の世論をしっかり固め・盛り上げて、最高裁判決を覆す運動をこれからも続けていかなければならない」と、これからの訴訟への決意のほどを語った。
- 原発訴訟、国の賠償責任認めず 仙台高裁、東電のみに支払い命令(2023.3.10、秋田魁新報)
- 「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟について 【弁護士 塚本 和也】(東京東部法律事務所)
アイキャッチ画像:再稼働目指す柏崎刈羽7号機 一部設備の健全性確認作業実施へ(2023.2.22、NHK)引用