2020年9月2日、東京都港区の原子力規制委員会で、令和2年度・第22回原子力規制委員会が開催されたことを受けて、更田豊志(ふけたとよし)原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。
国は、稼働中の原子力発電所から出る使用済の核燃料からウランとプルトニウムを分離して取り出し、MOX燃料などに生成して再利用する、核燃料サイクルを推進している。
この核燃料サイクルの中で、原子力発電所から発生する使用済燃料を再処理するまでの間、貯蔵・管理する目的で、東京電力と日本原子力発電がそれぞれ出資して、2005年11月に日本初の使用済燃料中間貯蔵事業者として、リサイクル燃料貯蔵株式会社(略称RFS)が設立された。主に東電と日本原電の使用済核燃料を受け入れる。
原子力規制委員会は、この日RFSの事業変更に関する申請を了承した。国内で初めて、原発の敷地以外に使用済核燃料を貯蔵する施設(中間貯蔵施設)が誕生することとなる。
原子力規制庁は、使用済燃料をRFSに貯蔵することができる期間を、60年としている。これは、燃料が取り出され、収納する保存容器(キャスク)に収納された時点から、RFSに運び込まれて貯蔵できる期間の事だ。60年たつと、キャスクを入れ替え、RFS外に運び出さなければならなくなる。運び出す先の再処理施設や燃料加工工場の稼働には見通しが立っていない。
更田豊志・委員長は会見で「恐れるのは(使用済燃料の)出ていく先が無い状態でキャスク(保存容器)の耐用年数が来てしまうこと」だと述べた。